ポートフォリオとは何か?
WEBライターさんが大勢いらっしゃるこのnoteでは、何かとポートフォリオという言葉が飛び交っています。
仕事実績とか、作品集いうような意味合いで使われていると思うのですが、それはある種派生的な意味合いであって、本来的な使われ方とは違うものです。
そもそもポートフォリオとは何なのでしょうか?
これはそれこそWEBで検索すれば一発で出てきますが、もともとは書類を分類し、持ち運ぶためのケースを指す言葉です。
イメージとしては、仕事の書類を持ち歩くとして、カバンの中をクリアファイルに業務ごとに区分けして整理している状態です。
一つの仕事しかしていないのであれば、クリアファイルは一つで済みますが、同時進行で5件くらい進めている場合には、5つのクリアファイルが必要となってきます。
そうした分類ごとの書類の束がポートフォリオの本来の意味と考えて良いと思います。
この書類ケースを指す言葉が、次に「金融商品の組み合わせ」という意味に転じます。この場合の金融商品とは、資産運用における投資商品のことです。
金融界におけるポートフォリオとは、土地・株・外貨・現金といった様々な金融商品の品目と、それらを組み合わせた状態のことを意味します。
投資において重要なのは、リスクを分散させることだとされています。例えば、銀行預金だけの資産運用だと、その銀行が破綻した場合、預金(=全財産)が失われるケースもあり得ます。
一つの品目に集中投資せず、投資先をバランス良く散らすことで、過度なリスクを抑制しつつ、全体として資産を増やしていくことを考えていくのが、ポートフォリオということになります。
金融業界で使われるようになった「ポートフォリオ」は、一般的な企業における事業分散(多角経営)の考え方に導入されていきます。
分かり易い例で言えば、「牛丼」一本の経営ではなく、「うどん」「寿司」とジャンルを増やしていくことだったり、外食としての「牛丼」とコンビニで自社レーベルの「牛丼」を売るという組み合わせにしたり、ということです。
事業を適正に分散化させることで、一つの事業が逆風となった時にいきなり会社が潰れないような仕組みを作っておこうという意味合いになるかと思います。
なので、企業において「ポートフォリオ」という言葉は、自社の複数の事業をどう組み合わせて利益を生み出していくのか、という経営方針を考える時などに使われることになります。
さらにここから転じて、クリエイターの作品集という意味合いでポートフォリオという言葉が使われ出します。
クリエイターが自分のスキルをアピールする際に、「ポートフォリオを準備しておけ」などと言われるかと思いますが、これは「自分の過去実績をきちんとまとめておけよ」という意味となっています。
ただ、本来のポートフォリオの語源からすると、単なる作品集という意味合いは、実に狭い意味での使い方をしているように思われます。
ここで思い出して欲しいのは、語源となった書類の束を入れたケースです。自分の作品を自分で決めた区分に従って、きちんと分類しておく。複数のジャンルをすぐに取り出せるように整理しておく。すると、作品を区分ごとに束にしてまとめておこうという考え方に辿り着けると思います。
つまり、クリエイターにおける「ポートフォリオ」は、単なる作品集ではなく、作品をきちんと外部の人間に対してさっと取り出してアピールできるように区分してある作品集、を指す言葉だと理解しておけば良いでしょう。
この藤子Fノートでは、多くの読者を獲得するべく、「ポートフォリオ」を意識してこれまで記事を書いてきました。
メインとなる藤子作品のレビューが70%、その他が30%。
70%のレビュー記事の中にも、「ドラえもん」25%「SF短編」8%「パーマン」7%、・・・などと小ジャンルに分類しています。「その他」についても、noteに関すること、ビジネスに関すること、適当な思いつきの記事、を三分の一ずつ、という風に区分けしています。
コアとなる部分に全力投球しながら、それとは別の複数のテーマを持つことで、全体として一つのブランディングをしていきたいという狙いを持っております。
ここまで議論を踏まえて、noteにおけるポートフォリオとは何なのか?を考えます。
僕としては、書きたいことを意識的に複数のジャンルでまとめておく、束にしておくこと、といういう風に捉えます。
一つのことだけで書き進めると、いつかはきっとネタ切れの苦しみを味わうことになりますが、ポートフォリオを意識すれば、きっと書きたいこともどんどんと出てくるでしょうし、ネタ切れの心配も多少は減るのではないでしょうか?
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