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別の脳みそを使ってぐっすり眠る

僕のここまでのサラリーマン人生のほとんどを、営業マンとして過ごしてきました。

営業という仕事は、会社と取引先の間に立って調整ごとを行っていくため、アッチを立てればコッチが立たなくなる、非常にストレスの溜まる環境にあります。

調整がつかない宙ぶらりんの案件をいくつも抱えたまま日常を送っているので、ふと時間が空くと、その心配事を考えてしまいます。

これが行き過ぎるとメンタルもやられてしまうので、悩みは上司やチームと共有したり、頼れる人にアドバイスを貰ったりして、なるべく抱え込まないようにしていくのが、心を平穏にできるポイントです。


ところが、そうは言っても心配事や解決しなくてはならないことがあれば、頭の中はそうした案件で満たされ、脳が不必要に活性化したまま、眠る時間となってしまうことはよくあります。

僕は基本的に寝る前にコーヒーを飲んでも平気なカフェインに強いタイプですが、いわゆる仕事脳を活性化させたままだと、寝付きも悪くなりますし、ふと夜中に目が覚めてそこから眠れなくなったりします。

睡眠不足は心身の不調を増幅させるので、これについては何らかの処理が必要です。


そうした状況を克服するため(=ぐっすり眠るため)に、もう5~6年以上続けていることがあります。それが「将棋の棋譜並べ」です。

「突然ぶっ込んできたな」と思われる方もいると思うので、少し解説すると、棋譜並べとは棋譜を並べる将棋の勉強法のことです。

棋譜とは対局の指し手を記録したものです。例えば藤井聡太三冠のタイトル戦などを、一手一手指した順番通りに再現していきます。

最新の棋譜は日本将棋連盟のアプリで、その日の対局をリアルタイムで表示しているので、主にこれを見ています。解説も付いているので大変に勉強になります。(月額500円かかりますが・・)


僕は寝る前にこの棋譜並べを行うのが日課となっており、夜な夜な盤に向かって、次の手を予測などしながら、一手一手を噛みしめるように将棋の駒を動かしていきます。

1~2局も真剣に並べていくと、少しずつ日中使っていない脳みそを行使している感覚になっていきます。イメージとしては、昼間の仕事で左側の脳を使い、残り半分を棋譜並べで使っていく感じです。

棋譜を並べていくうちに脳全体が疲労してくる感覚になり、やがて強烈な睡魔が襲ってきます。そうなれば熟睡のチャンス到来。そのまま布団へと転がり込んで朝までぐっすり、という流れとなります。


ちなみに、棋譜並べの何が面白いのか?

プロの棋譜は一手一手の意味がアマチュアには理解できない部分があるのですが、不思議と自分の手で並べていくことで、指し手の流れを感じることができます。

推しの棋士を持って並べる場合などは、盤上の優劣に一喜一憂しながら、棋士の心持ちを頭に浮かべたりもします。

独特の没入感が心地よく、あっという間に時間が過ぎ去っていきます。

思えば、何年か前に2週間ほど検査入院をしたことがあったのですが、この時は「羽生善治全局集」とミニ将棋盤を病室に持ち込み、空いた時間はずっと羽生さんの棋譜を並べていました。

この間、仕事からも離れて、何とも贅沢な時間だったように思います。


あんまり僕の例は参考にならないかと思いますが、皆さまも普段使いとは別の脳みそを使って、良質な睡眠時間を獲得いたしましょう!

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