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「いい加減」力

我ながらいい加減な人間だと思ってます。やるべきことは先送り、ミスも多いし、言い訳もする。困った時はそれなりに悩むのだけど、喉元過ぎれば熱さを忘れてしまう。

完璧主義とはほぼ遠い、欠点丸出しの生き様を晒してきました。それでいてプレッシャーに強い方でもないので、うまく行きそうにない時は心が弱くなったりもしてます。

ともかくもいい加減な人間なのです。


ここで話がガラリと変わって将棋の話。

将棋の対局には、「持ち時間」という仕組みがあります。持ち時間とは、対局者に与えられた「考えてもいい時間」のことで、これを使い切ると、一手指すのに一分以内というような制限が掛かったります。

持ち時間で将棋を分類すると、大きく2種類に分かれ、持ち時間の長い将棋と、早指し戦と言われる持ち時間の短い将棋になります。

持ち時間が長い将棋は、今だと最長で9時間という対局もあります。一人9時間なので、二人では18時間ということになります。この手の対局は、じっくり考える(読む)タイプが強いとされており、藤井聡太さんなどはこちらと言われています。

一方で早指しに滅法強い方もいらっしゃいます。早見えと言われるタイプで、持ち時間が短いことを全く苦にしません。テレビ放送されるNHK杯戦などがその代表棋戦となります。


ただここで面白いのは、じっくり考える長考派が、早指しが苦手かと言うと、全くそんなことがないと言うことです。

むしろしっかり読みを入れる(熟慮する)ことができる人ほど、早指し戦が得意だったりもします。

一体何でそんなことになるのか?


深く考える人は、当然持ち時間をどんどんと消費していくので、対局者より早く一分将棋(場合によっては30秒将棋)に突入することになります。

けれど、ここからが強いのです。考える時間は短いのに間違えた手を指さない。つまり、長考派の方は、実は短い時間でも指せるのです。

なぜそんなことになるかと言うと、長考派の人は、時間が無くなった状態、すなわち秒読みになったとしても、慌てない自信があるから、しっかり考えることができるからと言われているのです。


さて話は戻って、いい加減な男の話。

最初に書いたように、僕自身、いい加減な人間と自覚しているわけですが、これはいい加減に物事進めつつも、どこかでケツに火がついた時に巻き返せる自信があるんではないかと思うのです。

決断が遅いのは、本当は決断が早いからなのです。


…はい。またしてもいい加減なことを書いてしまいました。

今回いい加減なことをできる力について論を張ってきたのですが、それも破綻が見えたということで、本稿を閉じたいと思います。。

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