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営業パーソン最強説

エビデンスは特にありません。そうあって欲しいと願いつつ、記事にしていきます。

学生さんに希望の職種を聞いた時、第一希望で営業職を表明される方は少数派です。これまで多くのESを読んだり、面接をしたり、新入社員の話を聞いたりしましたが、その傾向は明らかです。

ですが、どの事業会社にも営業職はあって、場合によってはものすごい人数の営業マンが日夜活動をされてます。

会社は物やサービスを売らなくてはならないので、営業は必要とされている職種であるにも関わらず、希望者は少ない。実際の仕事と希望する仕事に、見事な需給ギャップがあります。


僕は入社以来20年以上営業の仕事をしてきましたが、最初から営業を希望していたわけではありません。率直に言って、嫌でした。

嫌だった理由はいくつかありますが、まず僕は「飛び込み営業」が苦手です。欲しいとも言ってないのに、見ず知らずの営業マンが、「欲しいですか?」と売り込みにこられても迷惑な話です。売り込まれる立場から考えて、少なくとも僕にはそう思えました。

もう一つは僕がお酒をあまり飲めないということがあります。僕が就職した頃は、営業マンは飲むのが仕事。社内・社外関係なく、酒席を囲むことから全てが始まりました。何度も飲んで、大騒ぎして、飲み仲間になって、そこからようやくビジネスになります。

今はもうそういうこともないと思いますが、「俺の酒が飲めないのか」とか、「二次会に行かないのは、最初からいなかったと同じ」などの乱暴な言論空間がありました。

で、嫌だったけれど、何とか潜り込んだ会社だったこともあり、ここを通過しないと希望職に進めないということで、営業の道を進んだのでした。

で、営業を始めてみると、一口に営業といっても手段や方法は画一的ではない、ということがわかりました。

考えてみれば当然なんですが、営業の目的は、結果的にモノやサービスを売ることにあります。その目的が大事なのであって、見ず知らずの人に飛び込まなくても、飲み会に毎回2次会まで付き合わなくてもいいのです。

飲むのが嫌だから営業は嫌だ、というのは、目的と手段を完全に取り違えた考え方だったのです。

売るためにどうするか。これは正解がありません。逆に言うと、自分なりに正解を導く方法を考えることができます

これが僕にはハマりました。


何の参考にもならないかと思いますが、僕自身のやりかたは以下です。

まず業界の動向を調べ尽くして、自分なりに情報を整理します。相手が置かれている状況を想像して、その考えを相手にぶつけます。わからないことは、率直に質問をしていきます。すると、「お前は何も知らないなあ」なんて感じで、自ら置かれている環境や状況を語り出してくれるので、これをしっかりと聞き取ります。

いきなり売り込むのではなく、まずは雑談相手となるのです。

僕は同年代とつるむのではなく、ある種ご意見番に回ったような業界の重鎮の方に、積極的に話を伺うようにしていました。過去の武勇伝、失敗談、業界の噂話、等々、なるべく古い情報を聞き出しました。一線から少し引いた立場の方々は、結構暇だったりします。時間をたっぷりとって、会話をすることができました。

これをある程度続けると、同年代の中でも業界の歴史に詳しい人間となっていきます。すると、業界内での知名度も上がり、一線で活躍されている方にも、ビジネスの話も聞いてもらえるようになりました。契約がどんどん決まっていきました。上司からは、お前は売り込みすぎだ、ということを言われたりもしました。

売るのが本当に楽しくなりました。飲み会も飛び込み営業も熱心ではなかったのですが、全く別の方法で、営業の結果を残したのです。


このように営業職を続けた結果、売ることを最終目的として、そこに至る道を考えて実行する力を会得することができました。

この能力は、別の職種に異動してからも、役立っています。学生時代や就職したての頃は、全く営業に向いてないと思っていましたし、今でも得意だとは言えません。けれど、そうした業種に20年以上も一線に身を置けたことは、自分の大いなる自信となっています。


話を最初に戻すと、「営業」の仕事は、とても奥深くためになる職種です。

いま、営業的感覚のない上司がいるのですが、これが全く話が通じない。それこそ「飛び込め」というようなこと平然と言う。目的に至るやり方は、人それぞれなのに。

結果から逆算する。そういう営業的感覚を身につけておかないと、年を取ってから絶対に苦労します。もしくは、部下を苦労させます。

自分の経歴を正当化する意味も込めて言うのですが、営業パーソンは最強です。そんな自説を唱えて、この記事を終わりにしたいと思います。

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