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豪雨の側には恋がある2

《イヌホオズキ》
どうも、語り人のイヌホオズキです
さて、今日は山下さんとのお出かけの日
2人きりになるとすぐ逃げちゃう〇〇はどうなってしまうのか。どうぞお楽しみに〜


朝6:50 
待ち合わせの駅前に着く

予定があるとはいえ何も知らされてない…変な予定だ。
お金は割り勘らしいので、ある程度の額を財布に入れて、ある程度弁えた普通の格好をして山下さんを待つ

7時ちょうど
山下:やっほ〜
 
駅からお洒落な格好をした山下さんが来る

〇〇:綺麗…

山下:でしょ〜?今日のために卸したんだ〜じゃーん

正直可愛い…だがそんな疾しい感情を抑え冷静な顔で済ます

〇〇:山下さんってモデルとかやられてるんですか?

山下:んーとね、声がかかった事は何度かあるけど、やってないよ?

〇〇:そうなんですね…

山下:なになに、そんな見惚れちゃって

〇〇:いやっ、そう言うわけじゃ無いんです!ただただ、綺麗だなって

山下:ふ〜ん嬉しいこと言うねぇ…あ、でね今日何するかって言うと〜これっ!

それは水族館のパンフレットだった

〇〇:水族館…ですか?

山下:そう!デートといえばやっぱ水族館でしょっ?

〇〇:で、で、で、デートぉおお!?

あまりにも衝撃的な言葉に普段出さない声量で声が出る

山下:ちょ…声大きいっ!

〇〇:ご、ごめんなさい…で、デートって…どういう?

山下:どう言うってデートはデートでしょ

〇〇:む、無理ですっ!僕なんかが山下さんとデートなんてっ…!!烏滸がましいですし、ほとんど初対面。こんな事あってはならないですし!帰りまs…

早口で言い訳をする僕の尻に山下さんの蹴りが入る

〇〇:いったっ!?

山下:うるさい、良いから約束でしょ!こっち!

僕は首根っこ掴まれた猫のように水族館に運ばれていく

〇〇:やだぁー…

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久保:ふわぁ〜

ピコンッ
久保:んっ…〇〇だ

『久保ごめん』
『この前色々あって…大学の人と遊びに行くことになって帰り遅くなるかも』

久保:ふ〜ん…良い兆しかな…
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山下:ねぇ!見てあの魚!すっごいキラキラしてる!!
うお〜って驚いちゃうよね!なんつって

山下:わぁ!しかもサメにカニの深海生物!うわぁ…すごぉい…!

山下:ねぇ〇〇も楽しんかi…あ、ごめん…1人でつっぱしっちゃった…萎えるよね女の子がこんなはしゃいで…

〇〇:いや全然笑、山下さんも子供になるんだなぁって面白かったですよ笑

山下:え…ほ、ほんとに!?

〇〇:はい…そんな驚きます?

山下:ごめん笑 今までの男子、こう言うので引かせちゃってたからさ笑 何かやっぱ君いいね…

〇〇:あ、でも合間にダジャレ言うのはやめた方がいいかもです

山下:え、ダジャレダメなのっ?

〇〇:え、何で良いと思うの…?
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僕等はイルカショーやペンギン・アシカショーまで見て水族館を満喫した。

山下:ねね!お土産買わない?

〇〇:お土産…良いですよ?

山下:これはこれ!「イカした煎餅」

〇〇:イカ煎ね…

山下:これいいじゃん!「9時ラ!」

〇〇:クジラモチーフなんだろうけど…何ですかそれ

山下:9時の時だけアラーム鳴る時計っぽい!

〇〇:絶対いらない。てかなんでダジャレのものばっか…

山下:えー…じゃあ君が選んでよぉ

〇〇:んー…これなんかどうですか?

僕は小さなイルカのぬいぐるみがついたストラップを選ぶ。

山下:君…センス良いって言われない…?

〇〇:多分定番ですよこれ…

山下:でもこれじゃあさ""カップル""みたいだね笑

僕は少し気が抜けていたのかカップルという言葉を聞いて目を覚まし思い出す。僕らはただの同級生だと言う事を

〇〇:やっぱ辞めません…?お土産とか

山下:え…急にどうして?

〇〇:水族館は楽しかったですよ?でも…僕等最近までただの同級生でしたし、それに山下さん…大切な人とかいるんじゃ無いですか…?
悪いですよ…僕なんかがこんな良い思い出貰っちゃって

山下:君はいるの?

〇〇:え…?

山下:君は大切な人っていうかさ彼女、いるの?

彼女が真剣な眼差しで聞いていくる

〇〇:い、い、います…

山下:歯切れ悪いね笑 なんか複雑な感じだ?笑

〇〇:ま、まぁ…

山下:私はね〜いないよ?彼氏、いた事ないんだよね笑

〇〇:え…本当に…?

山下:うん…見た目はさ?良いから、すぐナンパとか来るんだけどね…デートとかするとさっきみたいに性格難あり的な?笑
すぐ離れられちゃうんだよねぇ…

見た目が良いと自賛した事には触れずに同情する。

〇〇:そうなんですね…

山下:だから君が面白いって一言で受けとってくれてさ?正直キュンってしたんだけどなぁ〜…彼女いるならしょうがないよね笑

〇〇:彼女…では無いです。大切な人…

山下:そっか、じゃあ一応チャンスあるわけだ

僕の返答に彼女は落ち着いた雰囲気で返す

山下:決めた!〇〇君!君の運命の相手は私!その大切な人?より君を知って君を好きにさせてやる!笑

彼女はどう言ったわけか大きな声で僕に告白まがいな事を言い出した。
僕は咄嗟の事に訳もわからず唖然した

〇〇:は…?

山下:いやさ、冷静に考えてあの夜は運命的な出会いだったと思うんだよね?

〇〇:ほお?

山下:しかも話してて楽しいし…?恋しちゃったし!これは運命の他ないでしょ…!

〇〇:随分と暴論…

山下:だからさこれは告白!私と付き合って欲しい。お願いします!

彼女はまたも1人走りしながら告白をする

〇〇:ごめんなさい…大切な人…がいるんで

山下:うーん…しょうがないね。それはさ、あはは笑

彼女は乾いた笑いで僕の答えを飲み込んでくれた。

僕らは静けさと共にこの後どこかに行ったり何かをするわけでもなく家に帰る事にした

山下:じゃあ…また学校でね

〇〇:はい…今日はありがとうございました…

山下:うん!またどっか行こうね、じゃ!

そう言って山下さんと別れ家に入る

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〇〇:ただいまぁ…

久保:おかえり〜何しに行ってたの〜?

〇〇:大学の子と水族館だよ

久保:ほう、デート?

〇〇:デート…では無いね

久保:ふ〜ん…気持ち悪い笑顔してるけど

〇〇:え…あ、いや…そう?楽しかったからかな…

久保:まぁ楽しかったならいいけどさ

〇〇:うん、すぐご飯用意するね!

僕は気持ち悪い笑顔をしながら料理を作り始めた


久保:なんか…むかつく
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《イヌホオズキ》
さて水族館デート(?)でまさかの山下さんからの告白を受けた〇〇。
もちろん大学生活にも久保にも変化があるわけで…これからどうなってしまうのか…

豪雨の側には恋がある
To be continued…



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