どうせ理解していない恋1
シュウカイドウに水をやっていた夜
あの日、私は自分の心を慰めるように屋上の花壇で1人…
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私の名前は矢久保美緒 普通の女子高の2年生。
勉強はそれなりに出来るけど運動は全然な、まぁ何度も言うが普通の高校生だ
今日は2年生になって初日、クラスが去年とは別になるため、友達作りが苦手な私は少し不安な気持ちを足に伝えながら歩く…
矢久保:はぁ…もう不安すぎるよぉ……
うちの学校は女子高校のため男子がいないから皆んな席替えに意識するのは友達の有無だ。
私の唯一の友達は林瑠奈という学校で人気者の女子…性格としては私とあまり変わらない、勉強はそれなりに出来て運動は全然。私との違いはギャグセンや、見た目の格好良さだ。
私にとっては必要ないと思っているが女子校のため、少しでも男気あると人気になってしまう。
林:おはよぉ〜矢久保ちゃん!
矢久保:おはよ〜元気だね林
林:そりゃあそうでしょ!クラス替えだよ?ワクワクが止まらないですよ笑
矢久保:朝から、テンションが凄い事笑
そう談笑していると掲示板の前につく、人はさほど混んでおらず、すんなりクラスの名簿を目に入れる
林:わ!わぁ!矢久保ちゃん!一緒じゃん!
矢久保:あ、本当?ちょっと目悪くて見えないわ…
林:私たち2年B組!最高〜矢久保ちゃんがいる〜!
矢久保:はいはい…人目につくから早く教室行きましょうねー
恥ずかしいのが嫌な私は騒いでる林の首根っこを掴んで教室まで引きずる…
林:うわぁ…ここ2年B組だよね…緊張する
矢久保:あんたはすぐ人気者になるから大丈夫だよ笑
林:いやいや…そんなこと無いって…
私たち2人は不自然に教室の扉の前で立っていた…
するとそこに…
??:あのー…ちょっと邪魔なんですけど…
後ろには林と同じくらいの身長の可愛らしい子が立っていた
矢久保:わぁここの生徒は可愛いなぁ…やっぱ
林:あ、ごめんなさい…すぐ行きます〜
私は林に手を引っ張られて扉の中、教室に入る。
ここから約1年間、色々とお世話になる所だ。
林:えーと私たちの席は…
うちの学校は1クラスが1人前後のため席的にとても皆んな近い、だからこそ皆んなと仲良くなれるのでとても良い政策だ。
林:あった!私たち前後だねぇ〜
矢久保:そうね笑 本当よかった
そう2人が席に座り落ち着いていた時だった
佐藤:え!ねぇ林ちゃんだよね!
林:そ、そうだけど…
また始まった…
佐藤:私、佐藤璃果っていいます!同じクラスだから…これからよろしくね!
林:林瑠奈です…よろしく笑
いつもこうだ、少し落ち着いた時間が来ると誰かがやって来て林に挨拶だったり、プレゼントを渡している。もう馴れた事だけど馴れない
別に嫉妬ではない
佐藤:じゃ、じゃあまた!
林:う、うん
矢久保:ふふ笑 林は初日から順調だねぇ
林:順調って…何よ笑
後ろの席の方では佐藤ちゃんがキャッキャ言ってる声が聞こえる
矢久保:何でも〜笑 後挨拶で今日は終わりだけど、今年はどうなるかなぁ〜
林:やめてよ…その話
矢久保:ごめんごめん
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去年の事だった、私と林は同じクラスの1年A組にいた。
林は今年のように初日からモテモテで、毎日ある女子生徒からプレゼントを貰ったりストーカーをされていた。
それが10ヶ月ほど続いた時だった、林は屋上でその女子生徒に呼ばれ告白された。もちろん愛の告白だ。
林:ごめん…私女子だしさ、女子の事そういう目で見てないって言うか…
〇〇:そっか…そうだよね笑 私なんて、林にとって何でもなかったんだね…笑
林:いや…何でもなかった訳じゃ無いっていうか…
〇〇:じゃあ何?ストーカーだとかプレゼント断ったりとか、私邪魔者なの?
林:まぁ…邪魔かも…
その一声を発した時、林の目の前に彼女はおらず下の方から音が少し遅れて聞こえたという。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー矢久保:まぁ今年も私達は変わらず親友よ笑
林:親友ね…
矢久保:え、あ、違った?
林:あ、いやいや親友よ!勿論
矢久保:よかった笑
その時だった先生が教室に入る
秋元:どうも〜2年B組の担任を務めます!秋元真夏です〜♡
教室内では「当たりだ」「1年間最高確定」など凄い賞賛の声がする。相当人気の先生らしい…
秋元:じゃあ…解散!!
「は?」
クラス中が秋元先生の2言目に驚きが隠しきれず発してしまう
秋元:ん?ど、どうした?解散!!
賀喜:いやいや…いくら挨拶だけだからって、本当に挨拶だけして下校って…
去年もクラスの委員長をしていた賀喜遥香ちゃんが流石、まともな事を発する
秋元:良いから笑 各自解散でお願いしまーす♡
そう言って秋元先生は教室を後にした。
林:彗星みたいな先生だったね…
矢久保:でも最高じゃん笑 もう帰れるんだよ〜!
林:確かに…バーミヤン行こぉ〜!!
矢久保:行こぉ〜!!
私達は皆んなが速攻で帰った教室を出ようとバックを持って帰る。
次は私が林に首根っこを掴まれて階段をおりる。
矢久保:あのさぁーあんた体ほっそいせいで危なっかしいんですけど笑
林:んぉおおお!!くらえええ
矢久保:何に喰らわすのよ…
その時だった、林がつまづいて私が放り投げられてしまった。
矢久保:え。
林:あ。
私は走馬灯のような感じで時がゆっくり動いているのを感じながら何も出来ずに落ちていった…
林:矢久保ちゃーん!!!
林が叫んだ瞬間、私は気づいたら誰かにお姫様抱っこされていた
??:大丈夫…?矢久保ちゃん…だよね?
矢久保:は、はい…
今、私の脳内には彼女の顔で頭が一杯になっていた…
林:矢久保ちゃん!大丈夫…!?
林が階段から駆け降りて心配そうに話しかけてくる。
私も何が起きたのかよく分かっていない…
林:遠藤さん…矢久保ちゃんをありがと…!
遠藤…遠藤…遠藤!?!?
矢久保:遠藤って、あの…女神と称されてる遠藤さくらちゃん!?
遠藤:女神って笑 今日も朝あったでしょ?扉の前で笑
矢久保:あー…全然覚えてなかった…
遠藤:ふふ笑 もぉ…危ないなぁ林ちゃん
林:ごめんね笑 て言うかさ…早く矢久保ちゃん降ろしてくれない…?
遠藤:あ、ごめんね…2人とも凄い仲良しなんだから笑 私もその中に入りたいくらい…
林:さくちゃんが良いなら良いけど…矢久保ちゃんが多分だめって…
矢久保:ぜひ!!!!!よろしくお願いします!!
私は思いっきり土下座をして懇願する…
遠藤:ちょっとちょっと笑 こちらこそよろしくね…?改めまして遠藤さくらです!
私の目の前には手を差し伸べている女神がいる…眩しくて何も見えない✨
林:ちょっと〜?2人の世界線に入ってますよー?
矢久保:あ、ごめんごめん笑
林:もぉ…じゃあ!さくちゃんも我らの仲に入った事ですし、バーミヤンに行くぞぉおおお!!
遠藤・矢久保:おぉ〜!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーここから1年間、仲良し3人組の物語は始まる。これから3人の関係がどう崩れるのか、どう構築されて行くか…
『恋は周りを見えなくするらしい…』
どうせ理解していない恋
to be continued……
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