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自然な恋愛は自然じゃなくて

〇〇:はぁ…月が綺麗だな…こんな時隣に可愛い彼女がいたら…

久保:そうね♡良かったね〜隣にいて♡

〇〇:なんでまた久保がいるんだよ…

久保:あ!見て見て!自然!私すっごい好きなんだぁ〜♡

〇〇:自然じゃないから、ただの人口の森

久保:つまんなぁ〜いいじゃん自然で

〇〇:人口の自然とか1番嫌いな表現だから

久保:そういう〇〇が大好き♡

今、僕の隣にいる久保史緒里は同じ大学の同級生で少しメンヘラというか…変な所がある女子だ。

もちろん付き合っていないし、仲良くするつもりもないが、久保は付き合ってると思っているのかよく着いてくる。

出会いは大学での初めての授業の日だった

久保:やっばい、2回目の授業なのに迷子になっちゃった…遅刻しちゃう…

〇〇:あ!あのぉ〜!そこの君?

久保:は、はい?

〇〇:経済だよね?前講義で確か見た顔!

久保:え!凄い…そうですそうです!

〇〇:教室こっちだから!急いで!

僕は久保さんに先導して何とか遅刻せずに間に合わせた。

それから暫く別に授業で少し会うくらいで会話になる事は無く日々は過ぎていった。


ある日
授業の移動でエレベーターを使う時、たまたま久保さんと2人きりになった

会釈をしてボタンを押して扉が閉まった時、事件が起こった。

ガタン💥

エレベーターの中が暗くなり、明らかに停止していた。

〇〇:え…?止まった?

久保:どう言う状況これ…こわっ

〇〇:分かんないです…

暗闇の中、僕と久保さんは手を広げて壁をつたっていた。

〇〇&久保:あ…

伝っていった僕と久保さんの手が重なってしまった

〇〇:だ、大丈夫です…怖くないです

僕は暗闇で狂ったのか知らない人の手を恋人繋ぎで繋いでしまった。

久保:は、はい…♡

暗闇が無くなるまで暫く会話は無く、手は繋いだままだった

ガタン💥
大きな音と共に電気がつきエレベーターが下に動いた…

久保:はぁ…良かった…

〇〇:本当に良かったです…

〇〇:あ…やべ…

僕はまだ手を繋いでいるのに気づいて咄嗟に手を離した。

久保:本当にありがとうございました…心配というか…宥めてくれてありがとうございます

〇〇:いえいえ…じゃあまた…

久保:あ、あの!

〇〇:はい…?

久保:なんかの運命ですよ!これ!だから…その…私と連絡先交換してくれませんか?

〇〇:ま、まぁ連絡先くらいいいですけど…

この時からだった。違和感というか久保が変な感性を持ってると感じたのは…

この出来事から来る日も来る日も久保は僕についてくるようになったのだ

久保:おっはよぉ〜!!お隣空いてるから座っちゃうね♡

〇〇:お、おう…

久保:あ!そういえばさ、昨日のアルバイトのやつどうなった?合格!?

〇〇:まぁ合格したけど…何で知ってるの…?

こんな事ばっかだった…僕や親しか知らないような情報を久保は知っていて、それを平気そうに僕に聞きぶちまけてくる。

久保:知ってるよぉ〜君のことは全部♡

〇〇:こっわ…

とにかく怖すぎて授業も殆ど集中できず終わる
それがここ最近続いていた。

〇〇:はぁ…今日も全然理解できなかったなぁ…

久保:もぉだめだぞ!〇〇はちゃんと勉強して良い会社行ってもらわないとぉ!

〇〇:なんで君に言われないといけないの…

久保:そりゃあ?♡未来の旦那さんだし?♡

〇〇:なったつもりないんですけど…

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どういう訳か分からないが月日が経ち、土日も学校終わりにもバイト終わりにも久保さんと偶然会うことが多くなった。

どう考えても偶然と思えない僕は会うたびに久保さんに
また付いてきたんですか…と告げ、一緒に帰ったり、遊んだり、とにかく仲良くなった。それが増える度に僕は彼女に好意を抱き始めていた。

それに気づいて3年後今、彼女は僕の目の前でウェディングドレスを着ている。

久保;〇〇、どうかな…?

〇〇:可愛い…

久保は僕にウェディングドレスを披露してくれる、彼氏、いや夫の権利だ。

久保:ねぇ〜…私たちがさ、あった時の事覚えてる?

〇〇:大学の初めの頃のだったよね?

久保;そうそう迷子になっちゃってさ笑

久保:あと、エレベーター止まっちゃったりとか笑

〇〇:あったあった笑

久保:そっからもう結婚ですかぁ〜笑

〇〇:長いようで短かったかもなぁ…

久保:あのさ?

〇〇:ん?

久保:私がさ、もし方向音痴じゃなかったって言ったらどうする?

〇〇:それでも君と出会えたのは運命だと思う

久保:ふーん あ、桜だ…

〇〇:本当だ…結婚式にちょうどいいくらい綺麗だね…

久保:やっぱ自然が一番だなぁ♡


自然な恋愛は自然じゃなくて
to be continued……

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