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待望の最新作!!恩田陸 『薔薇のなかの蛇』

こんにちは。
本日は、曲の解説ではありません。

今日は、私ハモンドオルガンちゃんの推しの作家 恩田陸先生が17年ぶりに待望の新作『薔薇のなかの蛇』を出したので、その喜びをここにぶちまけます。

本日の目次はこちら(タップorクリックで飛べます)

17年ぶりの”三月シリーズ”最新作

皆さん、恩田陸先生についてどのようなイメージをお持ちでしょうか?

『蜜蜂と遠雷』で直木賞をとった人
『六番目の小夜子』の作者
『夜のピクニック』の作者

このあたりでしょうか?
確かにこれらの作品もとても素晴らしい。
しかし今日は皆さんに恩田陸先生の真の魅力は”三月シリーズ”で読むことができることを知って頂きたい!

本作『薔薇のなかの蛇』は恩田陸ファンの間で”三月シリーズ”・”理瀬シリーズ”と呼ばれるものの最新作に当たります。最新作の発売は実に17年ぶり!!😭😭😭
”三月シリーズ”・”理瀬シリーズ”の大ファンとしては喜びもひとしおです。

ファンタジー、ホラー、ミステリ、コメディ、などなど恩田陸先生は様々なジャンルの作品を出されていますが、その中でも”三月シリーズ”・”理瀬シリーズ”はファンの間でも屈指の人気を誇るミステリ・シリーズなのです!!

このシリーズは水野理瀬という非常に魅力的な少女が主人公の物語で、この理瀬を中心に珠玉のミステリが展開します。
この”三月シリーズ”・”理瀬シリーズ”を語るにあたっては外せない作品があります。それが

三月は深き紅の淵を

という作品。
不思議なタイトルですよね…。
この『三月は深き紅の淵を』(以下『三月』)は”三月シリーズ”・”理瀬シリーズ”すべての始まりの作品です。この『三月』から”三月シリーズ”・”理瀬シリーズ”と呼ばれる非常に魅力的な作品達が生まれました。

ちなみに、個人的には"理瀬シリーズ"より”三月シリーズ”と呼ぶ派です^^

三月は深き紅の淵を

『三月』は4つの短編からなる短編集です。
この本の面白いところは4編ともリンクしていないようで、リンクしているところ。全く違う物語だけど、繋がりが無いわけではない不思議な関係を保ったその4編の中心にあるのは『三月は深き紅の淵を』という本。
4編のタイトルはそれぞれ

第一章 待っている人々
第二章 出雲夜想曲
第三章 虹と雲と鳥と
第四章 回転木馬

それぞれの物語の中に『三月は深き紅の淵を』という本が登場し、その本を巡る4つの物語が展開されます。

”三月シリーズ”の理瀬を中心とする物語は主に『三月』第四章 回転木馬の物語から発展・派生していった作品達です。

最新作 薔薇のなかの蛇

最新作の『薔薇の中の蛇』(以下、『薔薇』)では大学生となりイギリスへ留学している理瀬が巻き込まれる殺人事件を描いた正統派ゴシック・ミステリとなっています。

<あらすじ>
イギリスへ留学中のリセ・ミズノ(水野理瀬)は友人のアリスに招待されて田舎町 ソールズベリーにある「ブラックローズハウス」と呼ばれる黒薔薇をかたどった屋敷のパーティーに出席する。リセはその理知的な立ち居振る舞いと不思議な魅力で招待客に一目置かれていた。

「ブラックローズハウス」に住むレミントン一族は国の経済・政治に多大な影響力を持つ一族。招待客の間ではパーティーで屋敷の主 オズワルドが一族の秘宝「聖杯」を披露するのではないかという噂と、
首と胴体が切断された身元不明の遺体が遺跡の祭壇で発見された「祭壇殺人事件」と名付けられた謎めいた事件の話題でもちきりだった。

そんな中、屋敷の敷地内で胴体が真っ二つに切断された身元不明の遺体が発見される。それはまるで「祭壇殺人事件」の続きように…。

いやぁたまらないですね…。
イギリスの田舎町、噂うごめくパーティー、お屋敷という密閉空間、一族の秘宝「聖杯」、奇妙な殺人事件、そして理知的で不思議な魅力を持つ女性へと成長した主人公の理瀬。
キーワードだけでもうおもしろいミステリの予感がしてドキドキしてしまいます。
『蜜蜂と遠雷』・『六番目の小夜子』・『夜のピクニック』など十代を描いた作品で読者にノスタルジックな感情を呼び起こすことから恩田陸先生はしばしば「ノスタルジアの魔術師」とも称されますが、実はミステリ、特にゴシック・ミステリこそが恩田陸先生が最も得意とするジャンルです。恩田陸先生自身、ゴシック・ミステリには非常に影響を受けていると何度も著書に書かれています。

恩田陸先生に影響を与えた代表的なゴシック・ミステリといえばやはり

レベッカ

ですね。

”ゆうべまた、マンダレーに行った夢を見た”

という素敵なプロローグで始まるこの小説は、構成・展開・魅力的な登場人物・そしてあの衝撃的なラスト…どれをとっても完璧な小説で、恩田陸先生自身、執筆された『レベッカ』の解説の中で激賞しています。

<あらすじ>
”わたし”は海難事故で前妻をなくした英国紳士マキシムと出会い、後妻に迎えられる。マキシムと結婚し邸宅マンダレーに移り住んだ”わたし”だが、そこは死んだ美貌の前妻レベッカの影が色濃く遺っていた。何をするにも完璧な前妻レベッカと比較される”わたし”は段々とレベッカに対する嫉妬と不安に悩まされるようになる。やがて事態は思わぬ方向へと向かっていく…。

舞台がイギリスの田舎のお屋敷であるところなんか、まさしくという感じですね…!非常に面白い作品なので、恩田陸ファンの方でまだ読んだことが無い人がいれば、ぜひおすすめしたいです。『薔薇』で舞台がイギリス、ソールズベリーのお屋敷になっているのにも、直接ではないにしろ『レベッカ』の影響はあるでしょう。

『レベッカ』はあのヒッチコックによって映画化もされていて、Amazon Prime Videoでも観れますね。僕は夏休みに観ます😊

オマージュの作家 恩田陸

ハモンドオルガンちゃんが恩田陸先生を好きな理由の一つとして

オマージュの作家

だからというのがあります。
恩田陸先生はなにかの作品に対するオマージュとして作品を書かれる場合が多いです。それはキャラに対してだったり、作中の舞台だったり、世界観だったり、作品全体の雰囲気だったり、作品によって様々ですしパッと読むだけでは気づかないことも多いです。
クラオタ的曲解説など、僕の別のnote記事を読んで下さっている方はご存知の通り、私ハモンドオルガンちゃんは

曲中のオマージュ・パロディ・引用大好き芸人

なので、恩田陸先生の作風は僕の好みピッタピタのど真ん中という感じです😂笑
オマージュ・パロディ・引用を作品に使うということは少なからずその作品へのリスペクトを表す行為だと思っているので、この手法は個人的にとても好みです。音楽・小説に関係なく、新たな作品に出会うきっかけにもなります。恩田陸先生の好きなところは、このオマージュをさり気なく入れて来るというところですね。読んで気がついた場合でも、全く違和感なく自然体の印象を受けます。これは誰にでもできることではなく、オマージュが返って悪目立ちすることもあるので、非常に稀有な才能だと思います。

『薔薇のなかの蛇』の中でもゴシック・ミステリへのリスペクトとして、さりげなくエドガー・アラン・ポーについてとある描写がされている場面があり、もうたまらないの一言に尽きます。

最後に "三月シリーズ"おすすめの順番

推しの作家が大好きなシリーズの最新巻を17年ぶりに出したので、嬉しすぎてひたすら喜びをnoteに叩きつけてしまいました笑😂
いつにもましてまとまりがありませんが、少しでも恩田陸の”三月シリーズ”の魅力が伝えたい!と思って書きました。
もし、興味を持たれた方は👇の順番で読まれるとより一層シリーズを楽しめると思います!!主人公の理瀬だけでなく、登場人物達も皆それぞれ魅力的なキャラばかりです。
個人的には”三月シリーズ”ではやっぱり『三月』が一番好きだなぁ。

"三月シリーズ" 読む順番おすすめ
『三月は深き紅の淵を』 (1997年)
『麦の海に沈む果実』  (2000年)
『黒と茶の幻想』    (2001年)
『黄昏の百合の骨』   (2004年)
『薔薇のなかの蛇』   (2021年5月)←NEW!!😭17年ぶり‼🔥🔥🔥

まとめ

今回の最新巻は連載雑誌の度重なる休刊を乗り越えて17年ぶりの発売となり、ファンとして喜びが爆発しました。やっぱり、恩田陸先生の”三月シリーズ”は特別です。水野理瀬、非常に魅力的なキャラです。
余談ですが、ハモンドオルガンちゃんに恩田陸先生と”三月シリーズ”を教えてくれた友人は「初恋は理瀬」と言っていました笑

まぁ、ぐぅわかる

今回、書くのがめちゃくちゃ楽しかったので、文学シリーズとして小説の解説・記事もちょこちょこ書いていくかもしれません。


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