【クラオタくん×メリオケ】マスクとベルガマスクの意味とは?演奏会用プログラムノートを試し読み!
今回、メリオケさん(@MayLilyOrch)の演奏会にプログラムノートを書きました!演奏会の宣伝として、皆さんにプログラム各曲のことを知っていただくために全曲分を試し読みとして今回から3回に分けて公開します。全編は演奏会当日のパンフレットで読めるので、演奏だけでなくプログラムノートも楽しみに演奏会へ是非お越しください。
試し読みの後にチケット案内のリンクを貼っています。
本日は、演奏会で1曲目にお送りする
ガブリエル・フォーレ作曲 管弦楽組曲《マスクとベルガマスク》
(パヴァーヌ付き)
の試し読みです。
フォーレ 管弦楽組曲《マスクとベルガマスク》(パヴァーヌ付き) Op.112
Masques et Bergamasques Suite d’orchestre Op.112
本作は1920年に、フランスの象徴派の詩人ポール・ヴェルレーヌの詩集『艶なる宴』を元にした舞台劇のために作曲した音楽を管弦楽組曲として編曲したものである。作曲時期はフォーレがパリ音楽院学長を退く前年、亡くなる4年前という最晩年の時期にあたる。この頃、彼はほとんど聴覚を失ってしまっている。
この舞台音楽(全曲版)は大部分に彼が過去に作曲した管弦楽曲・合唱曲・歌曲が用いられている。全8曲のうち4曲(3, 4, 6, 8曲目)は過去の作品の再利用であり、2曲(1, 7曲目)は元になった作品が存在する。完全な新曲は2曲(2, 5曲目)のみである。舞台は18世紀、ヴェルレーヌ風の華やかな宴を再創造したもの。ヴェルサイユ公園の葉ずれの下で恋人たちのいくつかのカップルが小径をそぞろ歩き、その間に木立の後ろに隠れたイタリア喜劇にはお決まりの道化役が、彼らを愛情とともにいたずらっぽく観察し、互いに信頼を寄せ合うようにいざなう様子が描かれる。
全曲版《マスクとベルガマスク》
序曲
パストラール
マドリガル
いちばん楽しい道
メヌエット
月の光
ガヴォット
パヴァーヌ
組曲版は「序曲」「メヌエット」「ガヴォット」「パストラール」の4曲を抜粋し編曲している。「パヴァーヌ」は今日では通常独立した合唱曲として演奏されるが、本演奏会では組曲の最後に据えた。軽妙でイタリア風の爽やかな序曲に始まり、古風な舞踊のメヌエット、ガヴォット、そしてバロックを想起させる語りかけるようなパストラールが続く。本演奏会では、再度古風な舞踊のパヴァーヌへと戻って締めくくられる。詩集『艶なる宴』は元々、18世紀の画家アントワーヌ・ヴァトー作《シテール島への巡礼》のような雅宴画Fête galanteを踏まえ、ヴェルレーヌの詩的世界を描いた作品である。ヴァトーは雅宴画の中で、表面的には華やかな宴とその裏に隠れる人の悲しみや空虚さを描いたが、ヴェルレーヌは詩集の冒頭「月の光」の中で「仮面(マスク)masques」と「ベルガモ風舞踊(ベルガマスク)bergamasques」という風に優雅に韻を踏み、エスプリを効かせてその表と裏の世界を表現した。本作の標題はこの印象的な部分から取られたものである。
組曲版《マスクとベルガマスク》
序曲
メヌエット
ガヴォット
パストラール
パヴァーヌ(本演奏会のみ)
今回の試し読みはここまで!
この後、
フォーレはどのような時代を生きたのか?
どのように自身の音楽性を見出したのか?
《マスクとベルガマスク》を書き上げたときの状態は?
について解説しています。
是非、演奏会に読みに来てください!
次回は、
ストラヴィンスキー バレエ《カルタ遊び》
の試し読みです!
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