阪急阪神 成長モデルの変革期
October Tuesday 4. 2022
新聞メモ 615th day
Reference:阪急阪神、沿線開発を再定義 「小林モデル」更新・発展 日経
阪急電鉄は創設者の小林一三氏が提唱した成長モデルのもとで、鉄道利用を伸ばしてきた。梅田駅などの主要駅に商業施設を、沿線に宅地を、それぞれ開発するモデルで鉄道経営の手本とされている手法だ。しかし、東京一極集中によって沿線人口が減少したり、コロナによってリモートワークが浸透したりした結果、鉄道需要が減少し、変革が求められるようになった。
このような状況で、阪急阪神HDが打ち出した策の一つにメタバースがある。8月下旬には、阪急うめだ本店前の道路を仮想空間で再現したライブイベントを開催。VTuber が出演し音楽が披露された。また、2021年にはメタバース上で音楽イベントが開かれ、約1か月の開催期間に数万人が来場している。
メタバースは他業種も相次いで参入しているが、阪急阪神HDの嶋田泰夫副社長は、企業の強みとしてリアルの資産を持っていることをあげている。メタバースで集客を行い、現実世界へと誘いこむ戦略だ。例えば、現実世界だけでは難しかった首都圏や海外の参加者に沿線をPRすることが出来る。
また、梅田周辺のオフィス開発も従来とは異なる戦略を立てている。主要駅に大学を誘致し、産学連携を促す。またリカレント教育の需要も見込む。さらに、今年3月に開業した「大阪梅田ツインタワーズ・サウス」では、他の入居企業との交流を促すスペースが設けられている。新しい時代に即した魅力を備えるオフィス街を目指す。
さらに、沿線外の事業への投資も加速させている。2026年3月期までの4年間で成長投資の4割を沿線外の投資に割り当てる。例えば、ベトナムの分譲マンション開発は2015年から取り組んでいる。今年5月からはアメリカで賃貸住宅を始めている。
感想。鉄道会社が仮想空間で何をするのだろう?と思ったが、読んでみればなるほど確かに使えると思った。人を集めたいという点においては、地方の市町村も同じなので、同様に仮想空間で村をアピールする機会があっても良いかもしれない。ただ、地方の市町村は、そうしたことを可能にする人材に乏しい傾向がある。そのため、村起こし用の仮想空間を作る会社があれば、儲かりそうだと思った。
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