長期化するウッドショック

March Friday 18. 2022
Verbalization Practice 422th day

Reference:終わらないウッドショック 今度は合板高騰のカラクリ 日経

今日から建材高騰関連の連載が始まるらしいので追っていくことにする。

ウッドショックは、コロナ禍のアメリカにおける生産者側の予想と、実際の消費動向が異なったことをきっかけに起こった。アメリカでは一時価格が落ち着いたものの、住宅着工数が再び増加していることを受け、第二波に備えた価格設定を行っているという。そのため、日本国内では既に輸入材の量的問題は解決の兆しを見せているが、価格が高騰したままになっている。その影響で国産材が品薄状態になっているようだ。

中でも、東南アジアの輸出規制により国産材転換が進んでいる合板は、昨年秋から価格の上昇幅が顕著になっている。国産原木不足と加工工場での人手不足により、増産したくても出来ない状況だ。納入の遅れも出てきているという。さらに、ロシア材の先行きが不透明なのも、不安材料だ。ロシア材は節が小さく、加工性に優れ、曲げにも強い性質を持ち、天井の下地板や合板の裏表面に利用される材だった。昨年の輸入量に占める割合は18%と、大きくはないが逼迫する国産材の状況を見ると、無視できない数字だ。

合板に限らず、川下の加工品の価格高騰は、原木よりも遅れてやってきた。これは、多数の中間流通業者が絡む流通網が緩衝材として働いたことが原因と考えられる。従って、日本で価格変動を理解するためには、複雑に入り組んだ流通網全体を把握する必要がある。

記事で面白かったのは、なぜ中間流通業者がこんなにも増えたのか、西粟倉村の森の学校の流通部長に聞いていた点だ。それによると、安価な輸入材に対抗しようと、大ロット化によるコスト削減を進めようとした結果、木材加工が分業化し、それを繋ぐために中間流通業者が介入するようになったらしい。

感想。急激な価格変動を抑えていることを考えると、複雑な流通網もデメリットばかりではないようだ。その成り立ちが、大ロット化にあったというのも初めて知った。逆に考えれば、木材の地産地消を進めることが出来れば、もしかすると、こうした複雑なシステムは必要なくなるだろうか。


#日経COMEMO #NIKKEI

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