木造建築の普及に向けた課題

April Wednesday 6. 2022
Verbalization Practice 440th day

Reference:木造建築でSDGs 先進フィンランドと英国に学ぶ 木材ビジネス最前線(3) 日経

炭素貯蔵につながる木造建築に注目が集まっている。日本でも公共建築で見られていたものが、事業性が必要な民間建築にも導入され始めた。しかし、本格的な普及に向けては、構造面や防火面での性能規制が課題となっている。

フィンランドは木造先進国と呼ばれているが、20年前は今の日本と同じような状況だったという。製紙業の先行きが陰り始めた際に、木造建築へシフトしたものの、木材性能の規制や、建設コストが課題となっていた。そこでフィンランドでは、最初に補助金を使って汎用性のある部材や工法の普及を進めた。その後、規制を緩和し現し仕上げも可能にすることで、木造の価値を広めた。

また、フィンランドでは環境意識が高く、SDGsやESGの観点から、木材が注目を集めたことも、木造がスムーズに普及した原因だろう。

補助金を使った進め方などは、日本も学べることがあるかもしれない。また、日本では建築現場での人手不足が深刻になっている。この課題は裏を返せば、木を使って効率的な建築方法を確立することが出来れば、木造が有力な選択肢になる可能性があるとも解釈できる。

一方、サプライチェーンの構築はやはり課題だ。川下の需要を見える化して、川上が安心して木材を供給できる体制づくりが求められる。これは、全国規模で行おうとすると難しいが、地域(関東・中部・関西など)レベルであれば、十分に可能性があるという。

感想。建築現場の人手不足を逆に利用する方法は非常に面白い。昨日の記事で出てきた、次世代型軸組工法などは、まさにそうした建築方法なのだろうか?木を”新しい資源”として、活用していく取り組みに胸が躍る。


今日知った用語

・現し仕上げ
柱や梁など構造材が見える状態で仕上げる方法


#日経COMEMO #NIKKEI

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