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【教員×Excel】成績処理を自動化①関数「IF」の活用

みなさんこんにちは。

教員をしていると避けられない仕事の中に、「成績処理」がありますよね。

  • ◯◯点だからA評価

  • A・B・Aだから4

など。

でも、この成績処理って、とっても面倒くさくないですか?
実は、Ecxelの関数「IF」を使えば、自動で成績をつけることが可能です。

この記事では、実際にどのような数式を使って成績をつけていくのかを、わかりやすく解説します。

この記事を読むと、Excelを使った成績のつけ方がわかり、担当生徒数が何人だろうと、あっという間に成績処理を終わらせることができます。

結論、これから紹介する数式を入力すれば、成績処理は完了します。

◆観点別評価の付け方

▼データの用意

成績の処理をするためには、まずデータ(数値)が必要です。

下のように、3つの観点について、数値が一覧になっているデータを用意しましょう。

使用している個人名や数値は、全て架空のものです。

今回は、全ての観点について、100点満点で点数をつけていることとします。

▼関数の入力

ここでは、入力した数値に合わせて、「A」・「B」・「C」をつける数式を入力します。

今回は、点数が
80点以上で「A」
30点以上で「B」
それより低ければ「C」評価とします。

まず、「伊達由加」さんの「知識・技能」の評定を決めます。

緑色のセル(E3)に、伊達由香さんの知識・技能(B3)をもとに評定を決定する数式を入力します。

=IF(B3>=80,"A",IF(B3>=30,"B","C"))

『E3』に入力する数式

ここには、2つの数式があります。

  1. IF(B3>=80,"A",IF(B3>=30,"B","C"))

  2. IF(B3>=30,"B","C")

①もし、B3の値が80以上なら、Aと表示する。そうでなければ、②の数式を実行する。
②もし、B3の値が30以上なら、Bと表示する。そうでなければ、Cと表示する。

数式の解説

2段階の数式を設定することで、A・B・Cの3つの条件を示すことができます。
(「C」になる条件は、①でも②でもない場合ということになります。)

入力した数式をコピーして貼り付ければ、全員の全ての観点別評価が入力されます。

数式貼り付けは
『Ctrl』+『Alt』+『V』を押した後、『F』を押して、『Enter』を押すと、スマートに実行できます。

◆評定の付け方

▼観点別評価を数値化

評定を付けるためには、以下の3ステップが必要です。

  1. 観点別評価(A・B・C)を、数値化する。

  2. 数値化したものを、合計する。

  3. 合計した数値に合わせて、評定をつける。

まずは、観点別評価の数値化します。

観点別評価は「A」・「B」・「C」の3つなので、
「A」なら3点
「B」なら2点
「C」なら1点と、点数をつけていきます。

まずは、「伊達由加」さんの「知識・技能」の数値化です。

緑色のセル(H3)に、伊達由香さんの知識・技能の評定(E3)をもとに数値化する数式を入力します。

=IF(E3="A",3,IF(E3="B",2,1))

『H3』に入力する数式

ここにも、先ほどと同様に、2つの数式があります。

  1. IF(E3="A",3,IF(E3="B",2,1))

  2. IF(E3="B",2,1)

①もし、E3の値が「A」なら、3と表示する。そうでなければ、②の数式を実行する。
②もし、E3の値が「B」なら、2と表示する。そうでなければ、1と表示する。

数式の解説

この数式も同様にコピーして貼り付ければ、全員分が完了します。

▼数値化したものを合計

ここでは、数値化した観点別評価を合計します。

まずは、「伊達由加」さんの、数値を合計します。

緑色のセル(K3)に、伊達由香さんの観点別評価の数字(H3〜J3)を合計する数式を入力します。

=SUM(H3:J3)

『K3』に入力する数式

H3からJ3までの数値を合計する。

数式の解説

この数式も同様にコピーして貼り付ければ、全員分が完了します。

▼合計した数値に合わせて評定をつける

ここでは、合計した観点別評価の数値に合わせて、評定を決定します。

評価の組み合わせと評定のパターンは、以下の10通りとします。

したがって、数値の合計が
「9」であれば「5」
「8」であれば「4」
「5以上」であれば「3」
「4」であれば「2」
それ以外であれば「1」と、条件を設定します。

まずは、「伊達由加」さんの評定を決定します。

緑色のセル(L3)に、伊達由香さんの数値の合計(K3)をもとに評定を決定する数式を入力します。

=IF(K3=9,5,IF(K3=8,4,IF(K3>=5,3,IF(K3=4,2,1))))

『L3』に入力する数式

 ここには、4つの数式が含まれています。

  1. IF(K3=9,5,IF(K3=8,4,IF(K3>=5,3,IF(K3=4,2,1))))

  2. IF(K3=8,4,IF(K3>=5,3,IF(K3=4,2,1)))

  3. IF(K3>=5,3,IF(K3=4,2,1))

  4. IF(K3=4,2,1)

①もし、K3の値が「9」なら、5と表示する。そうでなければ、②の数式を実行する。
②もし、K3の値が「8」なら、4と表示する。そうでなければ、③の数式を実行する。
③もし、K3の値が「5以上」なら、3と表示する。そうでなければ、④の数式を実行する。
④もし、K3の値が「4」なら、2と表示する。そうでなければ、1と表示する。

数式の解説

この数式も同様にコピーして貼り付ければ、全員分が完了します。

これで、一連の成績処理が完了しました。

◆まとめ

今回は、Excelの関数「IF」を活用して、面倒な成績処理を自動で行う方法を紹介しました。

  1. 観点別の点数に応じて、評価をつける。

  2. 観点別評価を数値化して、合計する。

  3. 合計した数値をもとに、成績をつける。

「IF」が何回も連続して使われると、少しわかりにくい気がしてしまいますが、ゆっくりと内容を考えれば、理解することができます。

今回紹介した数式は、基準となるセルを変更すれば、どの成績にも応用することができます。

また、全ての数式が入力されていれば、最初の観点別の点数さえ入力すれば、全て自動で評価をつけてくれます。

学校現場では、必ずと言っていいほどExcelが使われています。
そして、その中でも使用頻度が高いものが「IF」です。

今回の記事を参考にしていただき、ぜひ、自らの仕事効率アップに役立てていただければと思います。

なお、この記事の続きとして

  • 成績の基準となる数値を一括で変更する。

  • 「A」・「B」・「C」の人数を確認する。

方法を紹介した記事も作成しました。ぜひ読んでみてください。


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