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理解度を確認する「CCQ」ってなに?

今日は、学習者の理解度を確認するために活用される「CCQ」についてまとめます。
これまで、なんとなく確認していた生徒の理解ですが、CCQを理解して実践することで、より効果のある活動になると思います。

◆CCQってなに?

CCQとは、「 Concept Checking Questions」のことで、英語学習者の理解を確認するための質問技法です。

例えば文法の説明をした後に、生徒の理解を確認するために、「Do you understand?」と質問してしまうことがありますが、この場合、生徒はおうおうにして「Yes」と答えます。
しかしながら、本当に理解しているのかどうかはわかりません。

CCQは、このように、安易に「Yes」と答えられるような質問をせずに、本当に生徒が理解しているのかを確認するための方法です。

◆CCQのメリット

▼理解を正確に把握できる

安易に「Yes」と答えられない質問をすることで、生徒が「本当にわかっているのか」を理解することになります。
教員が「Do you understand?」と尋ね、生徒が「Yes」と答えたにも関わらず、その先の活動がスムーズに進まない。「実は生徒はわかっていなかった」という場面は過去に何度もありました。

本当にわかっているかを確認することで、教員も生徒もお互いにスムーズな学習をすることができます。

▼誤解を早期に発見できる

前述した通り、「実はわかっていなかった」ということが、活動がはじまってから発覚することがあります。
このCCQは、事前に生徒の理解を正確に把握することで、そいうった問題を防ぐことができます。

例えば、スピーキング活動の後にライディング活動を行うことがありますが、ライディング活動になって、「スピーキングの時から間違った文法で活動していた」など、終わってから間違いに気づくこともありますね。
CCQで事前に把握することは、非常に大切なプロセスです。

▼学習者が「考える」機会を与える

「Do you understand?」に対して安易に「Yes」と答える行為は、ほとんどの場合、生徒は質問の答えを考えていません。

学習した文法などについて、CCQを用いて具体的な質問をすることで、生徒が学習を振り返ったり、考えたりする機会を与えます。

考える機会があることで、生徒が学習内容を改めて理解したり、生徒自身の「わかったふり」や「わかったつもり」を取り除いたりする働きが生まれます。

◆CCQの具体例4選

▼Yes/No question

これは、一番シンプルなCCQのの形式で、生徒が「はい」か「いいえ」で答えるものです。
この質問では、直接的で基本的な概念を確認することができます。
しかし、生徒がいい加減に答えても正解する可能性があるので、注意が必要です。

【例】
・Is this sentence in the past tense?
・Can a cat fly?

▼Discrimination

これは、生徒に異なる概念や例を区別させるためのものです。選択肢を与え、理解の微妙な違いを確認する時に活用できます。

【例】
・Is this sentence in the past tense or the present tense?
・Is this sentence asking a question or making a statement?

▼Short Answer

これは、短い答えを生徒に答えさせるものです。生徒が自分の言葉で回答しなくてはいけないので、生徒の理解度を図りやすくなります。

【例】
・What did you do before coming to class today?
・What do you do when you feel hungry?

▼Nonverval

これは、生徒の行動やジェスチャーなどの非言語的手段を通じて理解を確認します。これは、特に年齢の低い生徒や、初級の学習者に有効です。

【例】
・Show me with your hands how you would mime brushing your teeth.
・Demonstrate what you do when you are tired.

まとめ

CCQ(Concept Checking Questions)は、英語学習者の理解度を正確に確認するための有効な技法です。CCQを活用することで、以下のようなメリットが得られます。

  • 理解の正確な把握:安易な「Yes/No」ではなく、具体的な質問を通じて生徒の理解を深掘りすることができます。

  • 誤解の早期発見:授業の早い段階で生徒の誤解を見つけ出し、後々の学習の妨げを未然に防ぐことができます。

  • 学習者の思考を促進:生徒に考える機会を提供し、自己の理解を確認する習慣を養います。

CCQの具体例として、「Yes/No question」「Discrimination」「Short Answer」「Nonverbal」などがあります。これらの技法を上手に活用することで、生徒の理解度を確実に把握しながら、より効果的な授業を展開することができます。

CCQを取り入れて、今後の授業でぜひ活用してみてください。

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