コーヒーで読み解くSDGs

さて、今回の本は前回までとは少し趣向を変えて、社会問題でもあるSDGsをコーヒーに関わる視点と絡めた本を。

というのも、会社の月イチでやるミーティングをSDGsをテーマにやるという話だったので、諸々YouTube動画を漁ってみたり、このテーマにドンピシャの本を読んでみたり、ピンバッジを用意してみたりしたのですが、フタを開けてみたら、浅すぎて足首が浸かったかどうかもわからないような内容しか用意されたものはなくてガッカリ…というのがキッカケではあったのですが、結果として思考の横展開になったので、個人的には結果オーライとなりまして。

SDGs
Sustainable Development Goals
のサスティナブルおよびサスティナビリティっていう言葉自体には、その昔取った食生活アドバイザーっていう資格から馴染みはあって、それはどちらかというと消費者側の事情で、どこで(誰に)作られたどんな生産物を消費しているかをわかっていたいよね、っていう感じだったんですけど。

コーヒーに絡めたところでいうと、このコーヒーを生産している生産者っていうところに、発展途上国につきまとう貧困や経済的不平等とかそういうものが必ず付き物になっていて、コーヒー豆の品質の追求もいいんだけど、その豆がどんなバックボーンの元に作られてるかを知るべきじゃね?っていうのが、今回の本でしたね。

感想として特に思った点を言うと、業界にもやっぱり常に『新しい物語』が必要だったりするんじゃないのかな、という。

一般的なところでいうと、コーヒー豆は商社が品質にこだわらず大量に安く仕入れられている、という流通パターンではなく、個々の農園・農園主から直接交渉をして買い付けているので、生産者側の顔もわかるし、買い付け価格も納得のいくものになっています…というのって、やっている会社があるんですけど、それは当然素晴らしい話なんだけれども、その一点を継続していると、その話が目新しくなくなりますよね。

そこに『このコーヒーを作っている農園では、学校を作って子どもたち教育を支援している』とか『障害者を支援して、そこで雇用された障害者が作ったコーヒーだ』とか『歴史的にジェンダー差別のあった地域であったにも関わらず女性が生産したコーヒーだ』とか、これまでに無かった背景が条件として提示されると、そのコーヒーを使ってみようとか、いやらしい話そのコーヒーを使うと使っている側の売りにもなるっていう事も考えられますよね。

既に取り組んでいる社会問題と、新たに取り組む社会問題(への対策)が定期的にないと、コーヒー卸売会社としても厳しいのかな、とも思いましたね。


最後に業務上の実感のあるところだと、格式高いホテルでお高い値段で出してるコーヒーって、実際のところローグレードでお安いコーヒーだよねっていう話。

結局、今回行われたオリンピックの関係者がこぞって宿泊したような大規模なホテルなんかが、どういったコーヒーを使うのかっていうところで、消費量って決まってくるよねというのが、会社員として思うところなので、こちらの会社が潤うためにも、なんとかそのへんお願いしますよ…というのがコーヒー生産の世界的事情を読んで知識として吸収した後での、小さな小さな思いなのでした(笑)


#コーヒーで読み解くSDGs  #コーヒー #SDGs #川島良彰

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