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年アド3級 過去問解説 2021年10月 問‐41.42 

こちらの記事は、試験団体である銀行業検定協会様のご了解のうえで、過去問題の著作権に触れない範囲での掲載をしております。
問題文は掲載しておりません。公式の「問題解説集」をご用意ください。

こんにちは! うっちーです。

こちらでは、年アド3級の技能・応用編の過去問について、図解もまじえながら話し言葉で解説していきます。用語等の厳密な正確さよりも、ざっくりとしたわかりやすさを重視しております。

あくまでも過去問の解説であり、次回の試験でも同じ論点の問題が出題されるとは限りませんのでご了承ください。

なお、ご購入後にも記事のレイアウトの見直しや内容の追記等の更新を行うことがございます。


2021年10月 問‐41

F夫さんが障害等級1級と認定された場合の障害基礎年金の受給額を求める計算式について、正しいものを選択する問題です。

この問題は、消去法で消込みしてくと あっという間に2択くらいまで絞ることができます!!

障害基礎年金の問題は、毎回、障害等級1級で出題されています。

1級と言えば×1.25倍!でしたね。

(年金額は令和3年度価額)

そうすると、計算式の中には必ず「×1.25」という数字が入っていなければなりません!!(上の図の赤字の部分)

今までの傾向では、ここを「×1.5」にしてみたり、子の加算額まで×1.25してみたりして、誤りの選択肢を作ってきます。

今回の問題も1級に該当しているので、計算式の中に「×1.25」が入っていない選択肢はまず消去!

これで(4)と(5)が消せました。

また、子の加算は、2人目までが同じ額で、3人目以降から額が変わるんでしたよね。

これくらいのざっくり額で大丈夫!

ということは、約22万円×3人になっている(3)は消去!

これで、2択になりました!!

2択なら勘で解いても50%の確率で正解できますが、さらに確実にとどめを刺しに行きましょう!!

残る(1)と(2)のちがいは、障害基礎年金が支給開始されるタイミングに、「子」が2人いるのか3人いるのかという事が問われています。

まず、障害基礎年金が何年何月分から支給されるのかを確認しましょう。

「初診日」の1年6ヵ月後が「障害認定日」で、その「翌月分」から支給されるんでしたね。

障害認定日を数えるときは、「初診日の一年後の、さらに半年後」と数えていくとわかりやすいですよ。

【初診日】 R2.10 ⇒【認定日】一年後はR3.10⇒さらに半年後はR4.4
 ⇒ 支給はR4.5分から

また、『〇月の半年後が何月か?』というのは、時計の文字盤の反対側を思い浮かべるとわかりやすいです。10時の反対は4時なので、10月の半年後は4月です。

今回は、令和4年5月時点で『子の要件』にあてはまる子が何名いるのかということが問題のカギです。

F夫さんには3名の子がいます。この問題で注目するのは、一番上の子である長女です。確認してみましょう。

健常者の場合は子の年齢要件は18歳になる年の年度末まで。

▶長女が18歳になるのはH16.7+18年 ⇒ H34.7(R4.7) ⇒その年度末はR5.3

障害認定日の翌月であるR4.5(最初の年金が発生する月)において、長女は18歳の年度末をまだ迎えていないので、子は3人として計算する。

ということで、正解は(2)でした!!

仮に、障害認定日が令和5年3月にあったらどうなるでしょうか?その翌月であるR5.4には長女は18歳の年度末を過ぎていますから、子は2人で数えます。このギリギリすれちがいパターンの出題も過去にありますので注意です!!

問41は、例年は今回のような『計算式』を選択する問題だったのですが、2022年3月試験では『計算結果の年金額』を選択する問題になっていました。

子の加算の額は示されていたのでそれほど難しくはなかったのですが、計算結果を四捨五入するかで戸惑う問題でした。年金を勉強している人ほど「基礎年金は100円単位で四捨五入だったのでは…?」と考えてしまいがちですが、1級の障害基礎年金の計算結果は四捨五入をしないのが正当です。

2021年10月 問‐42

F夫さんが障害等級2級と認定された場合の障害給付について誤っているものを選択する問題です。

(1)障害認定日はすでに数えましたね。令和4年4月3日で正しいです。

(1)は ○

(2)「子の加算額はなくなる」というのは、「全ての子が要件からはずれて、子の加算額が全てなくなる」ということを意味しています。

この問題は毎回出題されますので、しっかり慣れておきましょう!

大事なのが子の年齢要件☟

健常者である子(左)と1,2級相当の障害がある子(右)では、子の要件の年齢がちがいます。

障がい者である次女が20歳になるのと、長男が18歳の年度末を過ぎるのと、どちらが『遅い』のか?長男の方が遅ければ(2)は正しいです。

▶ 次女(障がい者) H17.11+20=H37.11
▶ 長男 (健常者) H20.3+18=H38.3で18歳⇒年度末もH38.3

長男が18歳の年度末を過ぎるほうが遅いので○ですね!

今回は長男の誕生日が3月なのでシンプルでした。その他の月生まれのときは年度末の3月にして考える必要があります。4月~12月生まれのときは翌年の3月になるのでご注意ください!!

3人の子どものうち、誰が何番目かをわかりやすくするために、事例の文章の子どもについて書かれているところに①②③と番号をふっておくといいですよ。見直しのときに時間の余裕があれば、問題用紙の余白に人型を3コ書いて、上の図のように生年月日等を書いてまとめてみるのもいいですよ!

(2)は 〇

(3)厚生年金保険の被保険者になったからといって、それだけの理由では障害厚生年金は支給停止されません。在職”老齢”年金は老齢厚生年金に適用されるしくみです。

ちなみに、「20歳前に初診日がある人の障害基礎年金」については、受給している人の前年の所得によって半額もしくは全額が支給停止されることがあります。(これは基本知識編で出題されたことがあります。)

あと、じつは障害の認定には永久認定有期認定があり、有期の場合は更新があります。そのときに症状が軽快している場合は、等級が変わったり、支給停止になったりすることはありえます。(さすがに年アド3級ではここまでは問わないでしょうけど。)

(3)は 〇

(4)障害厚生年金の配偶者加給年金額は約22万円です。約39万円が支給されるのは、老齢厚生年金の配偶者加給年金額ですね。

ちなみに、老齢厚生年金の配偶者加給年金額の約39万円という額は、約22万円の加給年金額に「特別加算」がついた合計額です。(特別加算は受給する人の生年月日に応じて決まっています。)

(4)は ○

(5)H8.4~R2.12の月数は297ヵ月なのですが、300ヵ月に満たないので、300ヵ月みなしで計算します。

また、これは予備知識でお伝えしていないのですが、障害厚生年金の被保険者月数は、初診日ではなくて『障害認定日の属する月』までの間の被保険者月数を数えるんです。

どちらにしろ誤りですね。

(5)は ✕

問42の誤りの選択肢は(5)ですね!

まとめ

障害年金の問題を解くカギになっているのが『子の要件』です。これは、遺族年金の問題でもポイントになりますので、しっかり押さえておくといいですよ!

問-41は障害認定日の翌月に上の子が子の要件に該当するかどうかがポイントです。「障害認定日が3月で子の18歳の年度末と同月⇒翌月の4月にはその子が要件から外れているので人数に入れない」というきわどいケースも出るので要注意です!!

問-42は2番目の子と3番目の子、どちらが子の要件から外れる時期が遅いのかがポイントです。健常者の場合、18歳になる年の年度末までが子ですが、4月~12月生まれの場合は年度末までに年をまたぐので気を付けてください。問題用紙の余白に書きながら確認しましょう!!

以上、問‐41.42の解説でした。

予備知識を再確認されたい場合は、ブログ『ねんきんわか~る』におすすみください。

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