【1/2エッセイ】脳という舞台裏。私たちの“ストーリー”を作り出すメカニズム
✍️1/2エッセイ とは、エッセイ(実体験、思い)にコラム的要素(リサーチ)を足した私の造語です。勝手解釈なので悪しからず。
放っておけば、私の脳はブツブツと今日も語り出す……。まるでストーリーテラーのように。
これは小さな頃からのクセ、みたいなもので、脳の中であれこれ想像しては、身体が動かされていく、てこと結構ありまして。
「時々、すんごい前しか見ていない時があるよ」
と近しい人や家族から声がけされて初めて、自分が現実世界をひたすら突っ走っていることに気付いたり、はたまた勇み足になることもあったり。
この妄想だか、想像だかが脳の中でストーリーを組み立てるんだから仕方がないんですよ、
と解しながらも、実はこれはこれで厄介で、
想像の中にハマる時もあります。
待てよ、そもそも、想像と現実ってどんな関係なんだ?
と、また思考の旅を始めてみたわけであります……。
本日はサイエンスライターの鈴木祐氏の著書、「無(最高の状態)」に中に興味深い話があったのでシェアを✍️
同書の中で、
なぜプロテニスプレーヤーは、時速190~200キロにもなるボールを打ち返せるのか?という私の好奇心を刺激するような質問があったんです。
それこそ練習の賜物じゃない?
なんて答えが頭に過りましたが、そこはサイエンスライターの鈴木氏です。科学的根拠と一緒に丁寧な解説がなされてありました。
そもそも私たちはどうやってモノを認識しているのか?
まず、ものごとを脳で認識する、とは以下の流れによって起こるそうです。
1️⃣映像や音声を五感で受け取る。
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2️⃣その情報が脳の高次エリアに送られる。
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3️⃣脳が情報を処理し、目で見たものや聞いたものに対しての最終判断を行う。
この最終時点にて初めて、脳内にて映像が再生される、ということでした。
更に、どんなに動体視力が良い人でも、
この一連の流れは0.1秒かかる、ということも数々の実験にて分かっているとのこも。
ということは、
「相手がボールを打った」と脳が判断した時、既に0.1秒経過しています。更にボールは約5メートルも進んでしまっています。(時速200kmとして)
脳が「あ、打ったなぁ」と認識した時点で、実際のボールはかなり進んでいるということ。
そして、先述した疑問。
だとしたら、なぜプレーヤーは、そんなに速いボールを打ち返せるのか?
その答えこそ、想像のストーリー。
つまり、相手プレーヤーがテニスボールをトスアップした時点(これは打つ前の時点)で、もうプレーヤーは瞬時にストーリーを作り出している、そうなんです。
相手はこう来るだろう、前回こうだったから、次はあっちに打つだろう、
のように、プレーヤーの脳は過去の経験をもとに、先にストーリーを想像する、つまり素早く予想する。
ゆえに、自分の身体も素早く反応させることができる、というのです。
これは野球でも通じる事。
ピッチャーが投げてから打っては遅い!とよく耳にしますが、テニスプレーヤーの話に当てはめるならば、
球がピッチャーの手から離れる寸前には、バッターの脳では瞬時にストーリーが組み立てられている、ということになりますよね。
だとすると打率の良いバッターというのは、このストーリー作り長けているから素早く身体が反応できるということか、と自分なりに納得したわけです⚾️""
脳が作るストーリーの材料こそ、私たちが積み重ねてきた体験や知識。
その中で、脳が次に来るストーリーはこれだ!と判断します。
でも、ちょっと待って。
脳が作り出したストーリーが、現実の結果と とそぐわない可能性だってある。
例えば、
いつも散歩している道があるとします。
今日もあなたは好きな音楽を聴きながら、颯爽と道を歩いています。
目の前にはいつもの曲がり角。
さぁ、この角を曲がればいつもの上り坂。
そしてその先には、街を一望できる最高のスポットがある。
そんな映像が浮かび上がったとしましょう。
しかし、
角を曲がった途端、ライオンがいたとしたら……
さて、あなたの脳はどうなりますか?
街を一望できる最高のスポットのイメージ、なんてどっか行って、
ライオンは強い、
ライオンは獰猛、
襲ってくる可能性大😱
逃げなきゃ!
と交感神経が高まって、もうアドレナリン大放出状態なはず。
こんな時、脳は想像していた部分とは異なった、「ライオン」だけを高次領域に移動し、またそれに関するストーリーを作り出していく、らしいのです。
この場合は危険回避してくれるストーリーを作ってくれた、ということになり、且つ、新たなデータが蓄積されます。
あそこの曲がり角を曲がると、またライオンがいるかも知れない、だから他の道を通ろう、みたいな。
ただこれは、ライオンに対する「怖い」とか「獰猛だ」という知識があったから出来上がったストーリー。
もし、前提知識が、「ライオンは怖くない」「優しい動物なんだ」「人を襲わない」というものなら、
ストーリーは瞬く間に変わって、回り道すらせず、命の危険を顧みず接近していたかも知れませんよね。
となると、知識を持つだけじゃぁダメなんじゃないか?
という疑問から、私たちの過去の知識や経験はデータではあるけれど、どんな事柄にも必ず当てはまる訳ではないよね、
だから自分で自分を俯瞰するメタ認知客が必要だ、と感じたんですよね。
そもそも、私たちには何十個というバイアスがあるらしく、細かく分けるともっとたくさん、だとか。
特に確証バイアスは、興味のある(と思っている)情報に目が行きやすく、自分の願望に沿う文言にばかり着目しやすい、といいます。
ゆえに、脳が作るストーリーだって、そのバイアスというフィルターのもと、都合よく作られてることもしばしば。
反対に、都合悪く作っている時もあります。
不安が不安を呼ぶ、とは、こうなるかも知れない、ああなるかも知れないというストーリーを脳が勝手に構築して、自分で不安を強化している、にもとれます。
それくらい、脳は放っておけばバイアスに影響されやすい。
そして、その脳が作ったストーリーが唯一の現実だと思い込む傾向もある、と鈴木氏は同書内で述べていました。
冒頭で述べた、私が想像の中にハマる時、というのがまさにコレだったんですね。
ここからは個人的解釈ですが、判断時間に余裕があるなら、「ちょっと待てよ」と自分の脳を疑うことも必要かな、と。
先日「自分の脳を信じるな」と高校生の息子にアドバイスしたら「斬新やね。おかんらしい」と言われましたが
本気で自分の脳ほど諸刃の剣なものはないと思いましてね。
対策としては、
⚫︎情報収集してエビデンスを探す
⚫︎人の意見も聞いてみる
⚫︎計画を立ててみる
と自分の脳を俯瞰する余白を作るようにはしています。
その脳の余白はどうやって作るのか?
私の場合は呼吸法とポージング、瞑想などで余計なチカラをリリースしているだけです。あとは睡眠。
これまで読んできた本や文献、そして自分の経験を思い返してみても、睡眠、運動、瞑想は、健全な脳を維持するための絶対的要素に間違いない、と強く思いますからね☺️
・脳は勝手にストーリーを作るストーリーメーカー
・脳が作るストーリーによって私たちは物事を判断している
・そのストーリーの材料は知識や経験
・だから危険からも守られる
・ゆえに、バイアスに陥る事もあるゆえ、客観視も必要
・その脳自体をリラックスさせることは不可欠:睡眠、運動、瞑想大事!
最近は何か不安を感じたら、
この脳の機能を逆手にとって、
「あぁ、また私の脳は勝手にストーリーを作ってるわぁ」
と、想像しようとするストーリーの鎖をガチャンとぶった斬るイメージをしています⚔️
まるで、ゲームの中に出てくるプレーヤーの如く😏
これが、結構良いんですよね。
科学的根拠はございませんが、どこでもパッとイメージだけで行えるので。
そうやって、このクセのある脳とうまく付き合うことも、脳のエコロジーには必要だと、4月を迎えた今宵でございます。
さて、早くも新年度の始まりですね🌸
これを読んでくださったあなた様にとって、実りある、新たなステージとなりますことを祈念しております😌
最後まで読んで下さいましてありがとうございました。
しゃろん;
📚本日のライフログ読書📚
著:鈴木祐
『無(最高の状態)』
クロスメディア•パブリッシング
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