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「コモンズ」ってわかりづらい

もともと、Share Villageは、2015年に秋田の茅葺古民家を舞台にした村づくりからはじまった、いわば「茅葺古民家をコモンズとした新たな共同体」だった。

現在はこのコミュニティは発展的解消し、そのDNAはShare Villageのプラットフォームづくりへと受け継がれている。

Share Villageを立ち上げ、プラットフォームの運営をするようになってから、「コモンズ」について語り合う機会が増えてきた。コモンズについて考えていることを継続してまとめていきたいと思い、1本目を書いてみた。

執筆:丑田俊輔(シェアビレッジ代表)

コモンズってわかりにくい

そもそも、コモンズってなんなんだろうか。

コモンズは、日本語では「共有資源」とか「共有地」といった言葉で表現されたりする。里山集落では、共同で利用・管理する山林などを「入会地」と呼ぶ。これは日本のコモンズの原型。

はたまた、「公(Public)」でも「私(Private)」でもない「共」とも言ったり。

だけども、コモンズとか共ってぶっちゃけわかりづらい。

お金とリターンという等価交換じゃないこともあるし、一時の熱狂や目的の達成で終わるわけでもなかったり、拡大し続けることを手放すこともある。

これは資本主義や貨幣経済のシステムに慣れると直感的に認識しにくかったり、日々に忙しいとなかなか手が出なかったりもする。

でも、身体感覚として一度味わうと、めちゃ腹に落ちてきたり、やみつきになったりもする。兆しをひしひしと感じながらも、その本来のポテンシャルが爆発するのはまだまだこれからだと思う。

コモンズ、みたいな横文字のままだとわかりにくい・・・という視点もあるけれど、世界共通のキーワードを見据えて、とことん口ずさんでいきたい。

コモン。
コモナー。
コモニング。

(21世紀の三段論法!)

コモンズという概念を拡張しよう

住まいの多様化やデジタル技術の普及も相まって、いま、コモンズはアップデートされつつある。

それは決して、田舎や古民家だけにとどまるものでもない。Share Village上で動き出しているコミュニティを例に取ると、

・古民家や住宅をシェアして「2拠点居住&関係人口」
・まちを楽しむご近所コミュニティ「ネオ町内会」
・生産者と消費者を越える「コミュニティ型の農業」
・まちにみんなの台所を「会員制キッチン&飲食店」
・未来につなぐ里山づくり「シェアマウンテン」
・村の再発明へ「新たな共同体の社会実験」

・・・などなど。「こんなんもありか!」と驚かされる。

都市の中にもコモンズはつくれるし、物理的な場のみならず、デジタル空間上にコモンズを持つコミュニティも生まれている。

日常で毎日近くにあるものもあれば、非日常で関わるものもある。所有権と利用権のあり方や、商品と非商品のバランス、コミュニティの開き具合も様々。

いまこそ、コモンズという概念を拡張する時だ。どんなスタイルが生まれるか?どんなツールや環境があると面白いか?まだまだ黎明期。

ただでさえわかりにくいコモンズを、さらに再発明していくということでもあるから、時に意味不明にうつることもあるだろう。

だけど、10年後くらいには、コモンズとか言わなくても、きっとあたりまえになっているはず。

そんな未来に向けて、当面は呪文のように唱え続けてみる。

コモン。
コモナー。
コモニング。

(もっと伝え方うまくなるようがんばります!)

次の記事では「「コモンズ」や「共」という概念を、暮らしの中に取り入れていくには?」という問いかけについて具体的に考えてみたい。


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