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【シェア街の楽しみ方を教えてください!】「シェア街は面白がるだけ価値が出る」関係住民のあきねえさん

シェア街住民の皆さんはどんな風にシェア街を楽しんでいるのでしょうか?今回は都内で会社員をしながら、関係住民としてシェア街に関わっているAkiko Hasui(以下あきねえ)さん。

Akiko Hasuiさん Twitter
・兵庫県出身、現在は東京都に在住
・都内のIT企業に勤め、アプリの企画などを担当
・台東区100人カイギの運営メンバー
・10年以上に渡りバンド活動をしていて、ライブや対バン企画などを定期的に開催

一般的にコミュニティは、何かしらかの目的があってつくられるものですが、「シェア街はあくまで”街”に住んでいるだけ」と話すあきねえさん。
目的が無い、もしくはバラバラな状態で集まった住民たちが、共通のトピックを見つけて、仲良くなって、周囲の人を巻き込んだ活動に発展していくという流れを、あきねえさん本人の体験をまじえて語っていただきました!

「せっかく住民になったから、積極的に楽しみたい」と思って

シェア街にはどのように関わっていますか?

まずは「メディア編集部」に関わっています。
シェア街に関するnote記事の制作、SNS運用などをしているきょてんで、隔週で開催される会議に参加しています。

そして「コミュニティラボ」。毎週月曜日に開催していて、色々なテーマで、コミュニティに関する実践や研究をしているきょてんです。

それから「くうそうcafe&bar_engawa」というオンラインのスナック。みんなでおしゃべりをしたり、自分でトークテーマを決めて、企画・開催をして遊んでいます。

シェア街に参加したきっかけは何でしたか?

「台東区100人カイギ*」の第2回のゲストとして、シェア街主宰の柚木理雄さんに参加していただいたんです。私も一時期、東京・浅草橋に住んでいて、シェア街の拠点となっている「Little Japan」にたまに遊びに行っていました。

*その街で働く100人を起点に、人と人とをゆるやかにつなぎ、都市のあり方や価値の再発見を目的とするコミュニティ活動。その地域にゆかりのある活動をしているゲストを5名ずつ招き、ゲスト数が100人(20回目)となったら解散するのがルール。これまでに全国60を超える地域で開催され、累計参加者は20000人以上(2021年4月現在)。

そうした時に「今度、"シェア街"というプロジェクトを立ち上げることになって、クラウドファンディングをするので参加しませんか?」と声をかけていただきました。

シェア街の立ち上げから住民として関わることになり、最初は運営スタッフの壁打ち相手になって、話を聞くことをしていました。
その後、いくつかのきょてんがつくられて、「せっかく住民になったから、楽しむためにも積極的に携わりたい」と思うようになりました。メディア運営や取材などは経験があったので、メディア編集部に加わることになりました。

シェア街のぽかぽかした雰囲気を、新しい住民のみんなにどんどん知ってもらいたい

その後、シェア街にはどのように馴染んでいったのですか?

立ち上げから間もない頃は「Meet Up」という、オンライン上で住民が集まって交流する会が定期的に開催されていました。そこで大塚誠也くんや日置法男さんと会って、「共通点がある人同士が気軽に少人数で集まれる場があればいいね」という話になりました。

それまでは、シェア街の運営スタッフが「Little Japanでイベントをします!」などといった投稿をシェア街のSlackに上げないと、ほとんど何も動きが無い状態でした。
3人で、シェア街を盛り上げるためにはどうすればいいかを考えて、「NeribaPORTOみたいに日替わり店長がいるようなスナックを、オンラインで作ろう!」という話になりました。それから色々なアイディアを出していく段階で、自然と「engawa」というきょてん名が生まれました。

その後オンラインで、「3人で好きな本や漫画とか自分の興味について話すから、皆さんも是非はいってきてね〜」という場を設けました。そうしたら聞き専で参加してくれた人が何人かいて、チャットが大喜利みたいにすごく盛り上がったんです。それで「シェア街の人たちはノリが合いそうだな」と思うようになりました。

私がengawaを開催する時に銘打っている「まぼろし酒場」という名前もその流れの中で決まりました。
「〇〇酒場」というレトロな感じにしたかったのと、別に大した話をする訳ではないので、次の日には「何話してたっけ?」とまぼろしになるといいと思って、そう名付けました。

engawaで印象的なエピソードはどんなものがありましたか?

直近だと、自分が今持っている一番古い物を見せ合う「My Vintage品評会」というテーマで開催しました。何かしらテーマを決めておいた方が、初めてで雰囲気をよく知らない人にとっても、入りやすいかなと思ってそうしています。
けれど、いざengawaをオープンしてみると、全然その話にならなくて、関係ないことをずっとしゃべっているということもあります(笑)。そのくらいのゆるさがあるのが、engawaで集まるときのいいところですね。

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あと印象に残っているエピソードだと、以前に住民のM君がシェア街のSlackに相談を投稿したんです。
「稼ぎが少なくなっても自分がやりたいことをやるか、大好きな車を買うために今の仕事を続けるか」という内容で「意見が欲しいです!」と言ってました。話を聞いてみたいと思って「engawaで話さない?」って誘ってみました。

人の思考のルーツを探ることや、答えが無いことを考えることが好きなんです。
例えば、単に「車が欲しい!」というだけなら、私はあまり興味は湧かないけれど、キャリアや生き方は、みんなが悩む共通のテーマだと思います。みんなが「自分ごと」として捉えられることを見つけて、「それ、engawaでみんなで話さない?」と誘ってみています。

シェア街では世代や場所を越えて、いろんな立場の人と話す機会があるので、視野が広がる気がします。仕事などで企画を進める時、具体的な人をイメージできた方がディティールが作りやすいので、そういう面でも役に立っています。
それに加えてシェア街の住民は、マナーが良い人がほとんどで、ぽかぽかした雰囲気があって居心地がいいです。そんな雰囲気をたくさんの人に知ってもらいたくて、新しく入ってきた住民さんに対して、積極的に声をかけるようにしています。

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ゆるく楽しい会話が、「きょてん」という定期活動に

シェア街の活動を通じて学んだこと、仕事や暮らしの中で役立ったことはありますか?

具体的な、何かのノウハウが得られるという訳ではないのですが、コミュニケーションの実験ができる場所だと思っています。
既に面識がある人とオンラインで話すということは、以前からありました。けれど、リアルで会ったことが無い人と、オンラインで初めて話して、何かを一緒に取り組むというのは新鮮でした。
目的がバラバラだったり、無かったりという状態の人たちが、共通点を見つけていくというのは、他にはない新しいオンラインコミュニケーションだと思っています。

シェア街のようなコミュニティ作りに興味があるという人が集まって、交流を重ねて、自然と友達になっていく。そしてオンラインだからこそ、そこへ簡単にアクセスできる。
「大人になってからも自然に友達ができるんだ」ということを、シェア街の中での交流を通して発見しました。

私はシェア街とは別に、マーケティングを勉強するためのオンラインサロンに入っているのですが、そこでは特定の分野について話していればコミュニケーションが成立します。
一方でシェア街はあくまで、「街に住んでいる」というだけなので、自分たちで会話をつくらなければいけないです。会話からトピックが生まれて、プロジェクトが走って、それが「きょてん」という形で定期活動になっていく。
ゆるく楽しくノリが合う感じからスタートして、そういった流れをつくることができたのは、シェア街の活動を通して得られた学びですね。

あきねえさんが考える、シェア街の魅力を教えてください!

一般的なコミュニティだと、何かしらの目的を定めて活動することが多いですけど、シェア街はそれが特にないです。目的がないからこそ「〇〇をやりたい!」と言う人に対して、「それって意味あるの?」などと否定しないで、素直に「面白いね!」と賛同してくれる人が多いと思います。
社会的な肩書は関係なく、話を聞いて、一緒にいて面白いと思える人が集まっている気がします。新卒でいきなりフリーランスで働きはじめる人や、一般的な価値観ではマイノリティと認識されるような人も、受け入れる雰囲気がある気がします。

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住民のTさんが、愛車のMINIで日本一周をする際の壮行会engawa。みんなのポーズはMINIの"M"。

「街」なので、「こうしなければいけない」ということはないし、引っ越してからまた出戻りしてもいい

シェア街の中で、今後はどの様な活動をしていきたいですか?

住民の一人として、この街の中で面白いことを起こしていきたいです。自分が面白がれば、それだけシェア街の価値も上がっていくのでは、と思っています。そんなイベントを頻発させて、誰かの心に引っ掛かるようにして、色々な楽しみ方や関わるきっかけを作っていきたいです。
シェア街にアクセスすることが日常化していて、友達の作り方がアップデートされている気がします。近いところに住んでいなくても、オンラインで話すことで仲が深まって、色んな人が集まって、アイディアを持ち寄ってシェアすることで、新しいひらめきが生まれるのが楽しいです。それを人づてに伝えていって、コアなファンを少しずつ増やしつつ、オンラインだけれど密なつながりをつくっていきたいと思います。

シェア街は、ただいるだけで何かコンテンツを提供してくれるようなところではない、と思っています。それに「街」なので、数日や1ヶ月とかですぐに楽しさがわかるという訳ではなく、ずっと住み続けることでだんだんと自分なりの楽しみ方を見つけられるのではないかと思います。

住民のみなさんや、これから住民になりたいと思っている人にメッセージをお願いします

例えば、イベントをリアルでやるのは大変だけど、まずはシェア街内でオンラインのイベントで小さく実験できます。そしてその経験を、今度は自分の生活や仕事に生かすことができます。シェア街は積極的に自分で面白がっただけ価値がうまれる場だと思います。
「何かやりたいけれど、どうすればいいかわからない」という時は、運営スタッフや知り合った住民さんに気軽に声を掛けてもらえれば、話を聞いてくれる雰囲気があります。

コミュニティを作りたい、勉強したいなどでもいいし、聞き専で参加してもいいし、リモートワークで疲れていてただ単におしゃべりをする相手が欲しい、くらいのきっかけでも何でもありだと思います。
「街」なので、「こうしなければいけない」ということは特にないし、入ってから引っ越しをしても、また出戻りしてきてもいいですし(笑)。

個人的にはシェア街のノリがとても気に入っていて、居心地がいいと思うのですが、それが全員にあてはまるわけではないと思います。定期的に外部向けのイベントを開催しているので、「シェア街ってどんなところなんだろう?」と気になっている人は、是非覗いてみたり、入っている人に気軽に声をかけたりしてみてください。

【クレジット】
編集:Atsushi Nagata Twitter / Note / Youtube
執筆:早川英明
写真:提供写真

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