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コミュニティのメンバーを集める①―職場以外でどうやって人と知り合うか?―

コミュニティを作りたいとなったら、まずは一緒に取り組んでくれる仲間が必要になります。と言っても、その取っ掛かりをどう作ればいいかわからないという人も多いのではないでしょうか。
「社会人になると会社以外で、知り合いや友達の輪を広げられない」という声もよく聞きます。
今回は、シェア街主宰の柚木理雄さんに、コミュニティを立ち上げるときにどのように動いたかを伺います。

自身を「人見知り」だと話す柚木さん。コミュニケーションが苦手だと、人間関係を広げていくだけでも一苦労です。イベントや交流会などに行ったとき「知らない人にどのような声をかければいいのか分からない」「他の人たちが既に仲良くなっているような輪に入っていって、変に思われないだろうか?」などといった不安を持つ人もいるのではないでしょうか。

初対面の人と話すのが苦手でも、あらかじめ準備をしたり、気持ちの持ちようを変えたりすることで、その場でのコミュニケーションに支障がないまでところまで持っていくことができたと話す柚木さん。
人と話すのは苦手…と感じている方は是非参考にしてみてください!

まずはイベントや交流会を探す

仲間を探したいとなったとき、まず手っ取り早く始められることの一つが、イベントに参加してみることです。
柚木さんが活動を始めたのは2010年頃。当時、SNSなどはあったものの、今ほど普及しておらず、イベント情報もあまり出回っていなかったとのこと。

柚木さん「人づてにそうした情報を集めました。朝活や夜活、異業種交流会など本当に様々で、中には怪しい感じのものもありました(笑)」

実際に行ってみて人と交流してみないと始まらないと思って、最初のうちは、特定のテーマを選ぶというよりかは、片っ端から参加。だいたい週5くらいで、土日に加えて、平日も仕事が終わってからも時間をつくったそうです。
現在は、Facebook、Twitter、Peatixなどをはじめ、様々なツールが普及しています。自分が興味のキーワードなどから検索をして、イベントなどを探すことができますし、SNS上の友人の繋がりなどから交流会の開催を知ったりできると思います。
最初は緊張するかもしれませんが、是非勇気をもって気軽に参加してみてください。シェア街のリアルきょてんである、東京浅草橋のLittle Japanでは、週末には何かしらのイベントを開催していることが多いです。気になるイベントがあったら、お気軽に参加してみてくださいね!

交流会ではみんなが話のきっかけを探している!

交流会などに行っても、誰かに話しかけない限り何も始まりません。

柚木さん「僕は人見知りな性格なので、どのように人に話しかけていいかわからずに苦労しました。交流会に参加したにもかかわらず誰とも話せなかったなんてことも、最初のうちはありました。」

それを克服する方法として考えたのが、「自己紹介を定型化する」「最初に掛ける言葉を決めておく」という2点です。
いざ話しかけてみると、意外と他の人も最初は、「誰にどう話しかけるのがいいか?」と悩んでいることが多いという事実を知ったそう。
外から見ると、他の人はみんな仲良く話しているので、「既に人間関係が出来上がっていて自分が入る余地はないかも」と思いがちです。けれど決してそんなことはなく、躊躇せずにどんどん話しかけて行くほうが良いということを、参加の数を重ねていく中で学んだそうです。

最初におすすめのトークテーマ

最初に話すテーマとして良いなと思ったのは「どんな繋がりでこの場にいるのか?」です。
「今日はどんな繋がりで来たんですか?」と聞けば、そこから共通の知り合いの話や、興味関心があるテーマなどへと会話を広げられます。
あと定番なのは「自分がいまやっていること」「やってみたいこと」です。初対面でいきなり自分のことを長々と話すのも良くないので、まずは簡潔に。きちんと準備していないと、それもなかなか難しいと思います。できれば、興味を持って貰えるようなフックのある内容にできると、覚えてもらいやすくなります。

最初のうちは、どんな仕事をしているかの割合として多くなると思いますが、その場合は「これからやりたいこと」をしっかりと話すのも良いです。やりたいという想いや、考えたアイディアを具体的に伝えるというのは大事です。「こういうサービスを提供したい」などといった想いやアイディアは、人に伝えることで協力者を得て、実際の活動に繋げてこそ意味があるものです。
柚木さんは、NPOを立ち上げてからはその話を積極的に出すようにしたそう。そうすることで「今度こんなイベントを開催するので是非!」「知り合いにこんな活動をしている人がいるんです!」といった具合に、次に繋がるお誘いを貰うことが増えたようです。

職場内でも知り合いや仲間を増やすチャンスはある

ここまで、新しい場所に出向いて交流の輪を広げていく方法を考えてきました。一方で今勤めている会社や住んでいる地域などでも、仲間を見つけられる可能性はあります。農林水産省に勤めていた柚木さんは、省内で自主的に勉強会を開いたり、他の人が開催している勉強会に参加してみたりしたとのこと。

柚木さん「今まで知らなかったことを学ぶこと自体が楽しかったですし、所属している部署以外の繋がりができました。」

こうした活動に参加しているという人は、普段の仕事とは別の活動をしたい、新しいことを学びたいという「意欲を持っている人」といえます。普段の職場の中だと、誰がそうした想いを持っているか、もしくはどのくらい忙しいのかなど、なかなか見極めるのは難しいですが、こうしたところで可視化され、自分の想いに共感してくれる人を見つけ出しやすくなります。

知り合った次は、少人数で集まって仲を深める

交流会ではたくさんの人がいるので、あまり深い話はできません。簡単に自己紹介をし合って、連絡先を交換するくらいです。「この人ともっと話したい!」「何か一緒にできないかな?」と感じたら、次のステップとして少人数で集まって交流を深めます。
とはいえ、いきなり「こんな活動を一緒にやりません?」「二人で会いません?」などだとちょっと重たい。なので最初は、「合コンしません?」といった軽い感じで人を集めたそうです。話の内容も真面目な話ではなく、趣味とか恋愛とか、フランクな話題が中心。

柚木さん「交流会や最初の自己紹介の段階で、「仕事」とか「やりたいこと」等についての話は済んでいるので、ここでは単純に仲良くなることに力点を置きました。真面目な話一辺倒よりも、雑談やプライベートな話などを交えたほうが、お互いの価値観をよく知ったり、フィーリングが合う人を見定めやすいと思います」

それからは、柚木さんも何回か、そういった少人数で交流する会を開催して、他の人から誘われることもどんどん増えたとのことでした。そこで繋がったことで、一緒に何かをするようになったり、頻繁に会うようになったりした人もいれば、逆にその場限りで終わってしまったような人もたくさんいたようです。

人見知りでもコミュニティづくりはできる!

コミュニティを作っている人というと、常に色んな人と会っていたり、繋がっていたりする人というのをイメージするかもしれませんが、意外とそうとも限りません。

柚木さん「あくまで肌感覚ですが、周りのコミュニティを運営している人達を見ても、意外と、「自分は人見知りだ」「コミュニケーションが苦手だ」と思っている人は多いように感じます。僕も、様々なコミュニティの立ち上げやイベント運営を経験をしてきましたが、今でも、人と話すのは苦手だなと感じることは多いですし、一日に何件も会議や打ち合わせなどが続くとどっと疲れてしまいます。」

それでも、自分の想いをしっかりと言語化することで、交流の輪を広げたり、一緒に活動をしてくれる仲間を集めることは可能です。
「こんなことをやりたい!」といった想いを持っている人は参考にしていただけると嬉しいです。

■シェア街とは?

シェア街はリアルとオンラインで新しい経済圏をつくるバーチャル都市です。​誰でも住民になって仮想のまちづくりを楽しめます。
リアルな「きょてん」として、東京浅草橋にあるゲストハウス「Little Japan」やその周辺のシェアハウス。新潟県の越後湯沢にある「Little Japan Echigo」があります。オンラインの「きょてん」では、コミュニティづくりの研究や実践をする「コミュニティラボ」、好きな音楽をシェアする「音街ろまん館」、みんなで体を動かしてサウナで整う「汗活studium」、バーチャル空間での街づくりに取り組む「バーチャルシェア街」などがあります。
住民募集も随時行っているので、下のリンクやSNSもチェックしてみてくださいね!


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