【書籍紹介】高島太一を殺したい五人
ごきげんさんです。
拡がる読書会の主催者やっています、文鳥さんです。
気が向いたら僕が読んだオススメ本を紹介するコーナー。
今回は「群像劇」といいますか、一つの物語に色んな登場人物が出てくるミステリー本をまとめてみます。
一人が活躍するヒロイックな物語もいいですが、様々な人物があれやこれやと動くお話が好きなんですよね。やっぱり人って社会性のある生き物ですやん。なので色んな角度から物語を観れる感じでお得?な感じもあるしw
では、最近読んだ本から
高島太一を殺したい五人
本の表紙にあるように一人倒れている男性がいます。そしてそれを取り囲む形で見下ろす5人。
倒れているのは高島太一。
周りの5人は高島太一を殺しにきた人たち。
さぁ、どうする?
話は序盤から急展開で、あっという間に殺意をもった5人が出くわしてしまう状況になります。
心理合戦なのか協力体制なのか。この5人がずっと悶着するというか、牽制したし、思考がもつれ合うお話です。
ほとんど舞台一つで行われる群像劇は、お芝居とかに使えそうなお話でした。
同一人物を「殺す」と思った人物が一斉に集まるってシチュエーションが面白いですよね。
次はAmazonとかですごい評価が高かったのを見て、思わずポチってしまった作品。
六人の嘘つきな大学生
ミステリーとしてあちこちの賞をとってる作品だったんですね。
いかにも意味ありげな題名。
成長著しいIT企業の新卒採用の最終選考まで残った6人の大学生たち。最初はチームでディスカッションするというお題だったのに、本番直前で6人内で一人だけを内定者として決める、というルールになってしまいます。
一緒に頑張るつもりが、いきなりみんなライバルになり、ギスギスしはじめたところにある出来事が起こります。
内定者が誰になるかということよりも、実はみんな曲者だらけだったということが分かっていき、優秀な学生たちの裏表が見え隠れする展開はノンストップでスピーディなものでした。
僕も就職活動頑張ってた若い日をなにげに思い出しましたが、そんなライバル感のある活動ではありませんでした。現実はこの小説のようにはなってませんでしたねぇ(遠い目)
お次もミステリーではありますが、ちょっと異世界のようなお話。
メアリ・ジキルとマッド・サイエンティストの娘たち
舞台はヴィクトリア朝、ロンドン。
主人公はあの「ジキルとハイド」のジキルの娘のメアリ。
ある殺人事件に出くわし、そしてシャーロック・ホームズが登場!
そして、ハイドの娘が出てきちゃう。
さらに、フランケンシュタインの娘?
そう、古典名作ホラー小説の登場人物が山盛りにでてくるんですw
無茶苦茶な展開やなと思ったんですが、英語圏におけるSF・ファンタジー作品を対象とした文学賞ローカス賞受賞作ですw
触れるものを毒するラパチーニの娘。モロー博士が作り上げた獣人など、僕が知らなかった古典作品からも引用されいるので、ググりながら「こんな作品があったのね」って感じで楽しく読めました。
そして、書き方にクセがあって、登場人物たちが自身のお話を鑑賞しているという、副音声付きみたいな形で話が進みます。
副音声?分かりにくいかもしれませんが、読んでくださればわかりますw
元ネタがあるとはいえ、キャラ盛々な作品でいろいろな工夫を織り交ぜて物語を作り上げているので異世界感満載。続編があるっぽいんですよね。楽しみです。
次は漫画みたいな展開。
みんな能力者。出てくる奴、全員名探偵!
推理大戦
題名からしておもろいやん。推理で大戦ですよw
日本の富豪がある世界的にも貴重な「聖遺物」を見つけます。
その「聖遺物」を賭け、推理合戦をさせるために世界中の名探偵を招集。
名探偵が全員人間離れしていて、前半は名探偵が次々との登場してくるのは興奮しましたね。
思考速度を加速させ、すべてを一瞬で終わらせる北の国人。
南米からはすべての人の嘘を見抜く神の子。
警察犬よりも嗅覚、感覚が優れている警察官。
他にも様々な世界中から異能力者が集まってきます。
そして、後半に前代未聞の推理ゲームが始まるわけです。
どうなってしまうんだぁーー。
登場人物の情報だけで思わず思考が渋滞してしまう作品でした。
最後は付け足しで再紹介。前回の読書会で僕が紹介した時代劇ミステリー?
幸村を討て
大阪の陣を真田幸村視点ではなく、その戦に参加した武将たちから見た幸村が描かれる群像劇です。
敵対する徳川家康や伊達政宗。味方の後藤又兵衛、毛利勝永らの交差する思惑の中に幸村像が現れてきます。
幸村本人が出てくるのは出てくるんですが、決して幸村が中心ではなく、各々の行動の先に幸村が出てきては違った側面を見られます。
幸村って腕っぷしが強くて戦が強いわけでなく、知将として、裏で暗躍するタイプの武将なんですよね、だから実は目立ってないけど、じわじわ戦況に影響を与えている感じ。そのじわじわ感が出てくる武将たちからは目障り=気になるアイツっていう、どれが本当の幸村?みたいな形で新しい真田幸村の描き方は唸っちゃいました。
今回はこの辺で
以上、文鳥さんでした。
ごきげんさーん。
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