空っぽ

不気味なほどに快晴の空が
久しぶりに曇って 雨の匂いがする
何故だか少しホッとした

駅の改札でSuicaをかざし
電車というものに乗る
どこかで見たことがあるような
初めてみるような
グレーの景色が目に映る

私はこうやって生きていたんだよなあ
毎日毎日会社と家の往復
一両ってこんなに長かったんだなあ
いつのまにか車内広告が新しくなっている

面倒なことでも胸糞悪いことでも
社会の中で一応生きているからこそ
上手くいかないなあ、とか
明日こそきっと、とか
反省しなくちゃ、とか
上司の顔色伺いながらも生きてたんだ

余計な一喜一憂が少なくなったけれど
自分の体の真ん中が軽いというか
つまり空っぽな自分に気付かされて
その方がなかなかに辛いもので
この電車の行き先が思い出せない

#メモ #日記

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