あばずレキシ開幕

「妊娠した。」

この言葉を彼に告げることになるまでの
18年ほどの浅い歴史を振り返ろう。
ご一読くださる皆様も
いつ、誰に、
このセリフを伝えるのか考えながら
あばずレキシをお楽しみください。

田舎の女子校を卒業して俗に言う大学デビューを果たした。
高校時代は女子校というのに加え部活に燃えるタイプの青春を送っていたため恋愛は漫画本で補っていた。
大学にはうじゃうじゃ男がいた。
遺伝なのかなんなのか私はそもそも男が好きだった。恋愛対象が男だったという意味ではなく、男好きだったという意味。
ここから合コンしたり、彼氏ができたりするんだろうなって期待大だったが意外に合コンは少なかった。なんなら「私が幹事の合コン」以外に参加することが後にも先にもないのであった。

仲良しグループができた。
女4人、男3人。
一人暮らしのこの家に集まってオールする、実に大学生の模範のような遊び方。
この中で恋が生まれるのはもう時間の問題。案の定その中の1人を好きになる。がその人は他の女子が好き。あいのりか。
この状態が無性に楽しすぎるのは18歳から24歳ぐらいまでだと思う。
そんな状態を楽しみながら別角度から近づいてきてくれて私に興味を持ってくれた柔道部の2個上の先輩と付き合うことになった。
初彼氏、初体験。私の恋愛人生のオープニングセレモニーを飾ってくれたこの男。
記憶に残っているのは長い顔と少しダサい動き、そしてマザコン。
柔道部の先輩の家に転がり込んでそこに私を呼び出してタバコ臭い部屋で事を致す。
若さ故の行動、あっぱれ。

良かったところは車で色んなところに連れて行ってくれて車内では私の好きな音楽を流してくれて、同じ音楽を好きになってくれたこと。
どうやって別れたかは闇の中。記憶にない。
政治家の言う都合のいい「記憶にございません」ではなくて本当にまったく記憶にない。

第一号成田
(仮名です)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?