見出し画像

これからのWebメディアの生存戦略。業態変革のはじめの一歩

メディア業界は、今も昔も広告収入を主な収益源として運営されています。時代の変化に伴い、テレビや新聞、雑誌などメディアの広告収入が減少し、インターネット広告への移行が進んでいますが、「メディア」としての売上の軸は大きく変わらないのが現状です。

「インターネット広告」の出稿割合は、従来のマスメディアから増えているものの、そのすべてが「Webメディア」に置き換わっているかと言われると、そうではありません。ソーシャルメディアの台頭やニュースアプリの普及により、個人が情報を発信する時代へと移り変わっており、企業がメディアに期待する効果が変わってきています。

ユーザーの行動も劇的に変化しています。マスメディアの情報発信よりも、信頼できる個人からの情報に頼るユーザーが増えています。ユーザーは自分が好きなものを選び、欲しい情報を自ら手に入れる時代になりました。
その結果、多くの「Webメディア」を運営する企業が、広告出稿料の低下や売上の減少に悩んでいます。

「月間数百万ページビュー」が広告価値を持つ時代は終焉を迎えつつあると言えるでしょう。

私たちは、もともと「情報発信」を強みとする企業から、売上に関する相談を頻繁に受けており、今回はその相談をもとにした解決策の方向性について記載します。


Webメディアの「広告モデル」は終焉を迎えるのか?

かつてマスメディアが情報発信の主体であった頃、広告主は自社を宣伝するためには「メディアに出稿」すれば良いと考えていました。
しかし現在、状況は大きく変わっています。
その主な理由は以下の通りです。

1.メディアの多様化

インターネット上には無数のメディアが存在し、ユーザーの選択肢が増えています。
ひと口に「ニュースメディア」と言っても、専門性の違いによって、ユーザーは細かく分類されていき、「誰もが見ている」メディアをつくるのは難しい状況であります。
結果として、1つのメディアに多額の広告費を投じる企業は減少しています。

2.SNSの台頭

X、Instagram、TikTok、YouTubeなど、個別のニュースメディアにアクセスせずとも情報を得られるプラットフォームが普及し、多くのユーザーがSNS経由で情報を得ています。
従来なら「ブックマークからニュースメディアをチェック」というユーザーの行動変容があり、ニュースメディアを訪問するユーザー数が減少しています。

3.インフルエンサーの影響力

また、個人が発信力をもつ時代となって久しく、個人で数百万のフォロワーを持つ「インフルエンサー」の存在も増えてきました。
企業は自社の商品に近い存在のインフルエンサーに、広告予算を投下する傾向にあり、よりニッチに、より深く情報を届ける宣伝を行うようになりました。

今こそメディアは変わるとき。ユーザー行動からビジネスモデルを考える

「これまで、ひとつの広告枠を200万円で売っていたのに、現状まったく売れなくなった」などの状況に直面している場合、それは出稿主からのニーズが変わったことを意味します。
出稿主のニーズを理解した上で、メディアは時代に合わせて変わらなければならないでしょう。
そのとき、きちんと見るべき“お客さん”は、「出稿主」ではなく、「ユーザーの変化」です。

売れる広告商品をつくることも大事ですが、まずはユーザーの行動変化に着目し、例えば以下のような行動変容を起こしてみるのはどうでしょうか。

私たちが考える、メディア企業が行うべき3つの行動

1.ユーザーとフレンドリーに!参加型の企画を実施

ユーザー行動の変化に対応するため、ユーザーとの関係を深めることが重要です。
コミュニティの形成や対話を重視し、コメント機能やフォーラム、SNS連携を強化することで、ユーザーが参加しやすい環境を整えましょう。
広告も、ユーザーへの露出量を増やすことだけを価値に置かず、メディアとミックスすることで価値をもたらす企画へと昇華することが大事です。

2.ユーザーの接触ポイントを最大に。コンテンツ形式の多様化

ユーザーの興味が多様化している現状に対応するため、コンテンツの形式を広げることが求められます。
記事だけでなく、動画、ポッドキャスト、ウェビナーなど多様な形式を取り入れ、さまざまなユーザー層にアプローチすることが大事です。

3.データドリブンな運営

また、ユーザーの行動データを収集・分析し、それに基づいた運営戦略を立案することが不可欠です。
当然多くのWebメディアで実施しているはずですが、アナリティクスツールを活用して、どのコンテンツが人気なのか、どの時間帯にアクセスが多いのかを把握し、ユーザーのニーズに合わせたコンテンツや広告を提供することで、収益モデルの強化を図ることができます。

広告モデルから脱却?新たな収益モデルの提案

言うは易し、行うは難し。それを重々承知の上で、「広告モデル「の先にあるWebメディアの収益モデルについて考えてみましょう。
ユーザーの変化を理解した上で、広告主の出稿に際する意思決定が変容しつつあることを鑑みながら、貴社メディアに応じた形で商品を作っていくことが大切です。

1.定額課金モデル(サブスク)の実施

高品質なコンテンツに対して月額料金を設定し、定期的な収入を確保します。
ユーザーにとって価値のある独自の情報や特典を提供し、継続的な購読を促進します。
例えば、専門的なレポートや深掘りした分析記事、限定動画コンテンツなどを用意することで、ユーザーの満足度を高め、長期的な関係を築くことが可能です。

2.特定の企業とのスポンサーシップ

貴社メディアと親和性のある、特定の企業やブランドと提携し、スポンサーを募ります。
ブランドとの共同プロジェクトや特別企画を実施することで、ユーザーに対して価値あるコンテンツを提供すると同時に、スポンサー企業にとっても効果的なプロモーションの場を提供できます。

3.有料コンテンツ

一部のプレミアムコンテンツを有料化し、特定の情報やノウハウに対して対価を得ます。
これには、特定の分野に特化したエキスパートによるセミナーやウェビナー、ダウンロード可能なガイドやホワイトペーパーなどが含まれます。専門性の高いコンテンツを提供することで、ユーザーは有料でも価値を感じ、購入に踏み切る可能性が高まります。

Webメディア運営のお悩みをサポートします!

私たちは、Webメディア運営における売上低下の課題に対して、以下のサポートを提供しています。

相談はこちらに!

また、
7月23日(火)に業務効率化ラボと共同で、セミナーを開催します。
既存事業を成長させるために不可欠なDXを推進し、売上UPにつなげる意思決定施策をお伝えします。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?