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人生をゲームにする方法(15):自動化する

かつて、ゲームと呼ばれるものはアナログだった。

いまゲームと聞いて想起されるのは、デジタルゲームが大半だろう。デジタルゲームが登場する前から存在していたものは、わざわざ「アナログゲーム」として表現されるようになり、デジタルゲームは「ゲーム」と称されるまでになった。

ゲームは基本的にデジタルと相性が良い。そしてデジタルの大きな利点は、煩雑な計算を自動化してくれるという点にある。

アナログゲームをプレーした経験のある人であれば、点数計算のめんどくささには心当たりがあるだろう。割と真面目に、ゲームという文化が広まった大きな要因として、そういうめんどくさい手続きが自動化されたということにあるのではないか。

人生をゲーム化しようとするときも、そういうめんどくさい点数計算をどこまで自動化できるかにかかっているところはあると思う。以前からこの連載(というほどでもない。ただの落書き)でも、人生のゲーム化に役立ちそうなアプリについて言及してきた。

たとえばHabiticaは、習慣やToDoをゲーム化しようと目論むアプリだ。

スポーツのゲーム化という点では、『リングフィットアドベンチャー』や『フィットボクシング』が思い浮かぶだろう。これらはまさにエクササイズをゲーム化しようという目論見だが、運動量の計測を「自動化」してくれていることの重要性には強調されるべきだ。

「ゲーム」と名前がついていなくても、自分の健康状態を自動的に数値化してくれるものなら、それは十分にゲーム的な要素を持ちうる。スマートフォンやスマートウォッチを通して、僕たちは身体情報の取得をかなり自動的に取得できるようになった。

「自動化」は「数値化」と強力に結びついているが、別に数字である必要はない。行動の自動化もここには大いに含まれる。スマート家電を利用すれば、いちいち煩雑なアクションを取らずとも、日常を送る上で必要なさまざまなことが自動化される。ボタンを押せば(あるいはその必要すらないものもある)、行動が実行されるなんて、本当にまるでゲームみたいなじゃないか?

自動化がゲーム化の必須要素ではないのは、アナログゲームがいまも人気を博していることから明らかではあるが、自動化されることが多ければ多いほど、離脱率も低くなる(疲れて止める確率が減る)。

もちろん、すべてを自動化するのは不可能だし、またすべきではない。すべてが自動的に進むのなら、それはゲームではない。デジタルゲームは、複雑なところを簡素化し、計算が必要なところを自動化するところで、プレイヤーに本当にやってほしい判断やアクションに集中してもらうための装置だ。

世の中にある多くのことは「ゲーム化」の対象になるが、「そこをゲーム化してる場合?」みたいなものも結構あるので、できるものはなるべく自動化し、楽しい部分をゲームとして楽しめるように人生を構築していきたいものである。

ひとまず、物事を「自動化する」ことそのものをゲームとして捉えて、どこまで人生をシンプルにできるか試してみるのも悪くなさそうだ。


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