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【シーズン29】帰ってきたドラグマメタビート【マスター1到達】

はじめに

ここ最近の【メタビート】は除外型が主力で、特に《妖精伝姫-カグヤ》を採用したものが多かった(シーズン28のまとめはこちら)。そのぐらい環境に刺さっているということだが、新弾が発表されて以降、除外ギミックよりもさらに評価を上げたものがある。《王家の眠る谷-ネクロバレー》である。

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さまざまなデッキに入る【ホルス】ギミックに対して、「後出しでもなんとかなる」という点がとても強く、環境上位の炎属性系のデッキもこれ一枚でかなり展開を止めることができる。

もちろんこれ一枚出せばゲームセットということはなく、特に新弾でついでのように実装された《S:Pリトルナイト》で簡単に除外されるので、そこへの回答はしっかり持たなければならない。ということで今回目をつけたのが、《王家の眠る谷-ネクロバレー》を主軸にしたドラグマ型の【メタビート】である。

このデッキについて

なぜドラグマ型は没落したのか

一時期【メタビート】で多かったドラグマ型が、ここ最近あまり使われなくなたのはいくつかの理由がある。主だったものは以下のような感じか。

  1.  《天底の使徒》が準制限になった

  2.  ネクロバレーと除外ギミックは相反しない(両採用できる)

  3.  相手の除外ギミックやヌトスに対応できない

1の《天底の使徒》は、壺関連のドローソースが規制されているなかで、ドラグマ型を使う大きな理由となっていた。【メタビート】以外でも使われていたので、規制はある程度理解できるが、ドラグマ型のメリットである安定性が少し欠けてしまったことはやや残念なところ。とはいえ、もともと《天底の使徒》はターン1制限がついているので、実際に使ってみるとそこまで不便さはない。

2は自分が見逃していた可能性で、なんとなくネクロバレーと除外ギミックは両立しないんじゃないかと思いこんでいたが、いざ使ってみると普通に強かった。そもそもどちらの効果も別に重複しておらず、お互いの苦手なところをカバーしあっているのがよい。このことからも、ネクロバレーの採用はそのままに、除外カードと相性の悪いドラグマが外れるという流れは自然なように思える。

3は致命的で、ドラグマ型はモンスターを墓地に送れないと完全に詰む。現在の環境トップ層は墓地利用するデッキばっかりなため、ネクロバレー+ドラグマ型が刺さるわけだが、除外ギミックは環境トップのような墓地利用型のデッキとドラグマのような墓地発動型のデッキどちらにも刺さる。ならば、【ラビュリンス】や【クシャトリラ】のようなデッキのことを考えると、ネクロバレー+除外カードでいいのでは……となる(多分)。

いまあえてドラグマ型を使う理由

ではなぜわざわざドラグマ型を使うのかという話だが、「仮想敵を相手にしたときのデッキの安定感はドラグマ型のほうが高いのでは?」と考えたためである。

たしかに除外型はいい感じに手札にキーカードがくれば相手を圧倒する力を見せるが、ドラグマ型のほうがドローサポートが多く、比較的再現性のある動きができる。【メタビート】を使っている以上、先行時はほぼ落としたくなかったので、今回のような決断になった。ドラグマ型が苦手としている【ラビュリンス】が減ってきているのも大きい。あとぶっちゃけ除外型をしばらく使っていてちょっと飽きていた。

勝率について

自分は今シーズンの途中まで除外型のメタビートを使っており、途中からドラグマ型に切り替えたのだが、仮想敵である炎属性のデッキ(【スネークアイ】【R-ACE】)への勝率の違いは次のとおりだった。

除外型
vs. スネークアイ 10/17 (先攻 4/6 後手 6/11)
勝率:58.8% (先攻勝率:66.6% 後攻勝率:54.5%)
vs. R-ACE 8/11 (先攻 5/6 後手 3/5)
勝率:72.7% (先攻勝率:83.3% 後攻勝率:60%)

ドラグマ型
vs. スネークアイ 9/11 (先攻 7/7 後攻 2/4)
勝率:81.8% (先攻勝率:100% 後攻勝率:50%)
vs. R-ACE 6/9 (先攻 5/5 後攻 1/4)
勝率:66.6% (先攻勝率:100% 後攻勝率:25%)

サンプル数が多くないのでなんとも言えないが、少なくとも上記のデータだけを見れば、先攻を取ったときの安定感はドラグマ型のほうが高く、後手になったときのまくり性能は除外型のほうが高そうである。これはドラグマ型を使い始めた当初、《増殖するG》を入れていなかったのもあるかもしれない。

マスター1までの全体的な勝率は以下のとおり。

除外型 58/111 (先攻 33/52 後攻 24/59) 
勝率:52.2% (先攻勝率:63.4% 後攻勝率:40.6%)
ドラグマ型 37/65 (先攻 27/32 後攻 10/33) 
勝率:56.9% (先攻勝率:84.3% 後攻勝率:30.3%)

ドラグマ型の脅威の先攻勝率の高さ、そして後攻勝率の低さ――これはまごうことなき先攻番長であり、「【メタビート】はコイントスしてるだけ」と言われても仕方がないかもしれない。ちなみに先攻を取って負けたのは【ふわんだりぃず】【リブロマンサー】【閃刀姫】そして【メタビート】×2だったので、先攻さえ取れば環境上位デッキには(運もあるが)ほぼ勝てたという結果になった。

一方で、後攻時の勝率は除外型のほうが優位に高そうなのもわかった。要因としては《ディメンション・アトラクター》の妨害のしづらさと環境への刺さり方、《妖精伝姫-カグヤ》+《時を裂く魔瞳》の奇襲性能あたりが大きい気もするがどうだろう。有識者教えてください。

余談:マスター1帯の戦績について

これだとサンプル数が少ないと思い、ドラグマ型でマスター1帯を100戦程度戦ってみた。総合勝率は67.8%とまずまずで、今度は先行勝率が79.2%まで落ちたかわりに後攻勝率が59.3%と、それなりに見れる数字になった。

無論、この数字をそのまま受け取ることはできない。マスター1はプレイヤーが思い思いのデッキを使っていたり、実験的にデッキ運用していたり、あるいは単純にやる気がなかったりするので、戦績を考えるうえではあまり参考にならないのである。体感だが、マスター5〜2までの勝率と比べると、だいたい10%ぐらいは高くなるのではないか。

ただ、仮にそれぞれの勝率を10%落とすとすると、ざっくり総合勝率が6割、先行勝率が7割、後攻勝率が5割になるので、「先行・後攻併せて勝率6割」を目安にしている自分としては、なかなかいい結果だと受け取ることもできる。

おわりに

久しぶりにドラグマ型を使ってみて、「気軽にバックをはがせる」ことのありがたみをとても感じた。除外型でもちょくちょく《ハーピィの羽根帚》やら《コズミック・サイクロン》やらがほしい場面があったので、本格的にこのあたりのカードの採用を検討してもいいのかもしれない。まあ採用すると事故確率がさらに上がるんですけども。

あと、現環境は「SS封じモンスターが強い」というよりは「ネクロバレーや除外カードが強い」という感じなので、いっそのことSS封じモンスターには力点を置かずに、ネクロバレーや除外カードを軸にした構築に振り切ってしまってもいいかもしれない。できあがったそれが、いわゆる【メタビート】っぽい見た目をしているかどうかはわからないが。


https://note.com/shapeshift/m/m985feacd6420

このマガジンには、毎シーズンごとの【メタビート】構築が載っているので、よろしければ参考に。全部無料です。

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