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【メタビート】(シーズン26マスター1到達、勝率65.3%)



はじめに

最近なにかとヘイトを稼ぐメタビートだが(最近というか最初からそうというかもしれない)、その理由もちょっとわかる。というのも、現環境はメタビートが普通に強いからである。

マスター入って40試合、ちょうど勝率7割でマスター1到達

もちろん、基本的に「メタゲームの間隙を縫う」タイプのデッキであるがゆえ、相手に本格的な対策を取られると脆い。のだが、メタビート対策を厚くすると他のデッキに薄くなることから、どうしても対策を厚くしにくいという実情がある。

加えて、もともと結界像系の【メタビート】に強かったデッキタイプ(【ふわんだりぃず】【神碑】【VS】【ラビュリンス】あたり)が弱体化しており、数が減少しているのも追い風になっている。制限改定が発表されたときの「メタビートは死んだ」的な話はどこにいってしまったのか。

これまでは、環境の片隅にいたからなんとなく許されていた感じがあったが、本格的な対戦環境に絡んでくるとなると話は別である。いまのメタビート使いに求められるのは、アンチに煽られても泣かない強靭なメンタルなのかもしれない。まあ自分も【ネムレリア】を回しているときに【メタビート】に当たったら舌打ちしてますが……。

上記の記事は自分が書いたものではないが、【メタビート】がなぜ嫌われやすいのか、およびどういう強みがあるのかが簡潔に記してあってとてもおもしろかったのでぜひ。

デッキについて

マスター帯入ってからはずっとこの構成

基本的なデッキ構成は、先月使っていた【烙印メタビート】から烙印要素をごっそり抜いて細部を調整したぐらい。【烙印メタビート】といえば、毎日CSで優勝したことで話題になっていたが、自分の使っていたやつは烙印要素が割と足を引っ張っていたので、普通のやつに戻した次第である(下の構築は普通に強そう)

細部はいじりつつも、基本的にはダイヤモンド5からずっとこの構築で戦い、通算101試合目でマスター1に到達した。勝率は65.3%(先手80%、後手50.9%)だった

ダイヤモンド帯では《原始生命態ニビル》を2枚採用していた関係で、やや後手勝率が高く(先攻73%、後手54.2%)、逆に《インスペクト・ボーダー》を採用したマスター帯では先手勝率が高かった(先手87.5%、後手43.8%)が、まあこれは誤差の範囲内だろう。

モンスター(16枚)


特殊召喚(SS)や効果発動を封じる置物枠は今回7にした。《豪雨の結界像》ではなく《業火の結界像》を採用しているのは、【VS】の数が減ったのと、【GP】のように水属性SSをしてくるデッキが少し増えたためである。申し訳程度だが、エクシーズモンスターにつなげて火力増強もできる。

《インスペクト・ボーダー》はデッキギミックと噛み合っていないので、最初は採用していなかったが、あまりにも初手に置物がないケースが多発したため、「あと1枚ぐらい追加するか……ちょうど制限になったしピン刺しにはちょうどええやろ」の精神で採用した。《クシャトリラ・フェンリル》との相性も良くないが、このカードが実質フェンリルの2枚目枠みたいなものなので、そこはあまり気にしていない。単品で殴り合えるのがとても偉い。

特殊召喚(ができる)枠は3で、デッキの安定性を高めてくれる《教導の聖女エクレシア》2枚と、制圧力が高くまくりにも使える《クシャトリラ・フェンリル》を採用。エクレシアについては、《王家の眠る谷-ネクロバレー》を採用している関係で、墓地からの回収が困難なことが多く、2枚は絶対に必要だと感じた。

フェンリルはついに制限指定されたため、以前ほどの使い勝手はなくなってしまったが、依然として「入れ得」なのは間違いない。いざとなったら《大捕り物》あたりを絡ませて通常召喚できるのもポイント高い。

誘発枠は6で、相手の展開を大幅に抑えてくれるものだけを採用した。《灰流うらら》はあまりにもぶち抜いて展開してくるデッキに当たるので不採用、《原始生命態ニビル》は強いが上位プレイヤーは基本的にケアして動いてくるため、思ったより戦績に寄与していないということで最終的にデッキから外した。

他に検討したのは《ディメンション・アトラクター》だが、ドラグマギミックとあまりにも相性が悪いので見送っている。とはいえ現環境は除外がめちゃくちゃ強いので、除外ベースの【メタビート】を組むのもありだなとは思う。

魔法(13枚)

とにかく今環境は「《王家の眠る谷-ネクロバレー》の刺さりが良い」というのが第一印象。ネクロバレーがそこまで刺さらない【クシャトリラ】【VS】の数がかなり減っているうえ、環境上位のデッキはフィールド魔法への対策手段をあまり入れていないので、これを貼るだけで相当有利になる。ちょっと《無限泡影》を打たれただけで機能停止するモンスターたちに比べて、信頼感が段違い。先攻でも後攻でも活躍してくれる。

先月の構築ではとりあえず2枚採用にしていたが、今月は3枚フル採用。真面目に《墓守の司令官》を足してもいいレベル。

同じフィールド魔法である《六世壊=パライゾス》は、実質的にただの《クシャトリラ・フェンリル》サーチで、おまけ程度にバフがかかるが大勢には影響しないことがほとんど。理想はこのカードを出したあとにネクロバレー展開をすることだが、ネクロバレーで粘っているときにこのカードを引くと微妙な気持ちになる。それでも「フェンリルが欲しい」という場面はけっこうあるので採用。

ドローソースは3種類。このうち《天底の使徒》は確定として、見事に全員制限になってしまった壺4兄弟のうち、どこまで採用するかは迷うところ。一番無難なのが上記の2枚で、残りの2枚は飛ばされるカード次第でその後の展開に無理が出てくるため、今回は見送り。

永続魔法は安定のこの2種類。特に《決戦のゴルゴンダ》は3枚入れたいぐらい欲しい場面が多い。《機械仕掛けの夜ークロック・ワーク・ナイトー》も強いが、ターン1制限がついているのと、絶対に初手に欲しいというほどでもないので2枚が妥当かなと思う。


罠(11枚)

相手モンスターにフリーチェーンで触れるものは6枚だが、このデッキは《ドラグマ・パニッシュメント》につながるルートがいくつかあるので、実際はもっと安定して構えられる。《大捕り物》にしている理由は、破壊耐性持ちを処理しやすいのと、エクシーズや《クシャトリラ・フェンリル》の通常召喚に使えるところを評価している。最悪壁になってくれてもよい。

カウンター罠は5枚。最近のメタビートは《神の通告》よりも《神の警告》を優先させている構築が多いが、【VS】が減ったということもあり、自分はこちらで問題なく運用できた。なにより《神の通告》は先手札としてだけでなく、後手のまくり札としても使えるのが評価できる。このカードで勝ちを拾えたことが何度もあった。

EX(15枚)

見ての通り、このデッキのEXのほとんどは《ドラグマ・パニッシュメント》で射出するためのもので、状況に応じて破壊かドローかサーチか、もしくはモンスターのバウンスかを選ぶことになる。

このうち《金雲獣-馬龍》はあまり打たないが、【烙印ビーステッド】に入っている《氷剣竜ミラジェイド》を安全に除去できる(再降臨されることもあるが)など、たまに必要な場面があるのでピン刺し。その他の墓地に送ることで発動できるようになるカードは、墓地からの除外が必要なものが多く、ネクロバレーとの相性を鑑みて採用していない。

プレイング上のちょっとしたコツとして、相手の手札がよくわからないときの相手メインフェイズ中は、なるべく《灰燼竜バスタード》を捨てるようにしたい。いたずらに効果を発動させて《三戦の才》《PSYフレームギア・γ》を発動させると、取り返しのつかない可能性が高いからである。バスタードは発動タイミングに時差があり、エンドフェイズになってから効果処理に入るので、反撃をくらっても致命的にはなりにくい。

また、《灰燼竜バスタード》《鉄駆竜スプリンド》とともに、《決戦のゴルゴンダ》の球になってくれるのもこのデッキに噛み合っている。正直スプリンドまで採用しなくていい気もするが、一度バスタードが足りなくて負けた試合があったので追加した次第。別のカードに置き換えてもよさそう。

EXデッキで唯一普通に召喚する可能性があるのはこの2枚で、炎属性である強みを活かし、《業火の結界像》がいる状況でも出すことができる。能力は使えないのでただのバニラだが、打点がかなり高いので、状況によってはけっこう使える。

同じような使い方をされそうな《コードブレイカー・ウイルスソードマン》との大きな違いとしてエクシーズなので、状況次第ではここから《天霆號アーゼウス》につなげることも可能。というかスプリンド抜いてアーゼウスのほうが良さそう(他のメタビート使いに指摘されて気づく)。

メタビート視点でのTier考察

全101戦の内訳を見ると、【超重武者】【烙印ビーステッド】だけでなんと37試合もしていた。全体の4割弱なので、ぶっちぎって多い。デッキパワーを考えても、この2デッキがいわゆるTier 1であり、今後のデッキ構築でも確実に意識しなければならない構築になる。今回はこれらのデッキにそれぞれ13勝6敗および13勝5敗と、大幅に勝ち越せたのが大きかった。

後攻取ったらドロバ投げてお祈りしている
《金雲獣馬龍》が実装されてずいぶんまくりやすくなった

遭遇率で考えると、Tier 2にあたるのは【ティアラメンツ】【斬機】あたりか。どちらも【メタビート】視点ではそれなりに戦える相手ではあるが、いまの【斬機】相手に後攻を取ってしまうと、誘発が通らないかぎりはほぼ負けが確定するので苦手な部類に入る。逆に【ティアラメンツ】《王家の眠る谷-ネクロバレー》を採用している関係で、比較的まくりやすい。とはいえデッキパワーそのものが高いので油断はできない。

ネクロバレー貼れれば割となんとかなる
前はもっと楽に勝てたのに……

Tier 3には【クシャトリラ】【ラビュリンス】【神碑】、そして【メタビート】が入りそうだ。「ここに【メタビート】を置くのはさすがに判官びいきでは?」と言われそうだが、このデッキは同じ【メタビート】を苦手としており、このなかだと今回唯一負け越している(1勝3敗)のでこの位置にした。こちらの誘発がほぼ腐るうえ、《時を裂く魔瞳》によってリソース勝負をしかけたられたり、うっかり通した《烙印融合》などから出てくるSSモンスターが致命傷になりやすいためである。

バースが減ったおかげで完封しやすくなった
先攻2ハンデスがずるすぎる
苦手な構築だがさすがにだいぶ弱体化した
同族対決に勝てる構築にしていないのできつい

Tier 4は正直よくわからないが、あえて挙げるなら【スプライト】【天威相剣】【十二獣】【魔術師】【エクソシスター】【PUNK】【マナドゥム】あたりになるか。これらはTier 3と比べて実力が劣るわけではないと思うが、遭遇率という観点で1つ下げた。こうして並べてみると、爆発力のあるタイプが多く、こちらが後手を取ってしまったときに厳しい相手が多い。あまり増えないでほしいところ。

じつはニビルが通りにくい
いつの間にかあんまり当たらなくなった
メタビと組み合わせても相性のよいデッキタイプ
あまりにもメタビキラーなカードが多いので苦手
墓地対策が刺さらないのでマニフィカが出てると厳しい
展開が始まるとほぼ試合終了
正直何するのかよくわかっていないがPUNKと似た印象


ちなみに今回対戦したデッキタイプのうち、一度も勝てなかったのは【サンドラ】【エンディミオン】【閃刀姫】の3つだった。特に【閃刀姫】は先手を取ってそれなりに戦える盤面を作ったにもかかわらず、余裕でまくられて負けた。正直勝てる気がしない。

ということで【メタビート】に対して強い殺意を持っているデュエリストは【閃刀姫】をおすすめする。

「手札に加える」ができなくなるのがきつすぎ
展開されるとほぼ勝てない
気軽にバック割ったりモンスター処理したりしすぎ

おわりに

普通にメタビートで今後も戦っていけそうなことが今回わかったので、次回以降はもう少し尖ったコンセプトのデッキでマスター1までがんばりたいところ。

このマガジンには、毎シーズンごとの【メタビート】構築が載っているので、よろしければ参考に。全部無料です。


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