マヂカルラブリーを褒め称えたいよ～
M-1グランプリの王者に君臨してから4ヶ月。あの当時の賛否両論(もちろん漫才ですよね)から、こりゃ不遇なチャンピオンか、、、という勝手な心配をよそに人気と活動範囲を拡大し続けているマヂカルラブリー。地下から這い上がってきたストーリー、2人とも結構ハンサムであるというビジュアル面、単純に無茶苦茶面白い、まぁ全部あると思うのだけど、静かなる魅力としてその"的確な立ち回り"があると思う。それを強く感じたのがこのライブ。
野田が筋トレをたっぷりやりたいらしいからHGと野田が筋トレしまくれるように「野田とレイザーラモンが120分吊り革につかまらず、オズワルドが雑魚寿司を食べ続けるライブにツッコみ続ける村上」(アーカイブ4.25まで)
まぁタイトル通りのことが起こる2時間で、観る人によっては割と凄まじい1800円の使い方だな、と思われること間違いなしのライブ。HGと野田クリの筋トレを軸とし、オズワルドが時折現れて笑いを残していくのを繰り返すのが基本。大きな笑いはほぼオズワルド(畠中の唄と「沙莉～！」が最高です)がもっていき、野田クリは久々の筋トレでただひたすら疲れていて正直ほぼ目立っていない。だけども、この局面でこそ2人の的確な立ち回りが光る。
際立つのが村上の圧倒的な仕切りだ。ライブタイトルにもあるが、この狂気的な興行それ自体をツッコむことで観れるものとして成立させており、マヂラブの漫才にもあった"面白さを翻訳して伝える"役割を果たしている。そして、村上のツッコミは笑いどころを粒立たせる。中だるみしそうなタイミングで彼のよく通るハイトーンがうねりを生み出していく。このような磁場のコントロールを凄まじい塩梅でやってのけるが村上の地力なのである。
そして野田クリスタル。ライブの性質上、ハードな重量上げをHG指導の下でやりまくり、それ以外のほぼ全場面で座って休憩している。野田クリを珍奇な動きの芸人と捉えているうちはこのライブにおいて最も目立ってない存在となってしまう。しかし彼の魅力はそのコメント力にもある。場の空気を決して奪い去らないが印象深いひと言をその瞬間ごとに残していくのだ。畠中の歌終わりに放った「ほんとそうだな」は本公演のハイライト。
つまりは2人の地力がこの人気を確実なものにしつつあるのだ。春からはコアを仕留めるにはうってつけの「勇者ああああ」チームとのタッグで「マヂカルクリエイターズ」が始まり、間違いなく良質なカルト番組として育ち上がりつつある。今現在、TVer視聴可能な2回分について少しばかり紹介。
マヂカルクリエイターズ「新しいホラーイベントで稼ぎたいよ～！」
怪談家ぁみの怪談話を中和するために邪魔をし続ける芸人たちをマヂラブと田中真琴が見届ける企画。これ、関係性もあるのだろうけどぁみを完全にちゃんと芸人として扱ってる点に感動してしまった。きっと、この人は追い込むことで面白くなる、というアンテナが冴え渡った結果なのだと思う。年始のマヂラブ寄席におけるランジャタイへのガヤもそうだったが、芸人をどう引き立たせるかに極めて長けている2人だ。ぁみで笑ったのは初めてだった。
マヂカルクリエイターズ「擬人化アイドルをプロデュースしたいよ～！」
話題騒然の企画。まずオズワルド、ママタルト、真空ジェシカ、ダイヤモンドにchelmicoというキャスティングが素晴らしすぎますが、中身も相当にキレまくったキャラ大喜利で、初めてゴッドタンを観た日のことを思い出すお笑いカロリーの過剰さだった。ここでも、芸人のノリをブーストさせるようにコメントを添え続ける村上と、無鉄砲で無差別に爆発しまくるゲスト陣を的確に形容し続ける野田クリの腕前を強く実感できると思う。ただまぁ何よりもおかしなのが野田クリの風貌であるという点にもグッときてしまう。
ただまぁ全部が全部成功しまくってるわけじゃないのもマヂカルラブリーというコンビの泥臭さであり、ブレなさでもあると思う。23時台で初めて放送された「かまいガチ」のスペシャルでは村上がちょっとスベって、更に満を持してトリでやってきた野田クリもとんでもないことになってしまっている。こういうのも愛せちゃう。やっぱり、イチかバチかを常にやっている人たちにかっこいいな、と思ってしまう。M-1グランプリでああいうことをしでかした上で勝ってしまうみたいな、賭け師なところも褒め称えたいよ～
かまいガチ「マヂラブ＆アイン＆蛙亭＆BiSH＆（秘）芸人のガチお笑いにらめっこ祭り」
あ、てかとりあえずまずマヂカルラブリーってなんだ、っていう方たちはこの霜降りバラエティーの放送を！結成の話とか、M-1グランプリを獲った時の野田クリのクレバーさが詰まっている、入門にぴったりに30分です。
霜降りバラエティー「新旧M-1王者が初対談 マヂカルラブリー×霜降り明星」
#マヂカルラブリー #お笑い #漫才 #マヂカルクリエイターズ #配信ライブ #オンラインライブ #バラエティ番組
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？