【機能評価と分析オンライン講座 理論編⑧ 代償動作はなぜおきるのか?】

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代償動作はなぜ起きるのか?


なぜ代償動作が起きるのでしょうか?姿勢、関節可動域、動作、3つの視点からみていくと身体の状態は以下4つに分類することができます。


①姿勢・関節の可動域問題なし、動作問題なし
②姿勢・関節の可動域問題あり、動作問題なし
③姿勢・関節の可動域問題なし、動作問題あり
④姿勢・関節の可動域問題あり、動作問題あり


①の状態は問題がないことがわかります。
②の状態は、現状問題がないかもしれませんが今後問題が起こる可能性、もしくは代償動作により問題がないように見えることが予想されます。
③は、動かし方のみの問題が予想されます。
④は、動かし方の問題に加え、姿勢や関節可動域に問題があるため、動作に問題(代償動作を含む)があると予想されます。

*②と④の違い
②は代償動作をすることで、一見正しい動作に見える。
④は代償動作をしても、正しい動作ができない。

このようにみていくと、代償動作というのは、大きくわけると2種類あることがわかります。
①代償動作をとることで、正常な動作のように見える
②正常な動作ができないために、代償動作をとる。

どのような戦略で身体を支えている?


地球上での活動は必ず重力に抵抗して活動することになります。姿勢によって負担のかかる部位や組織はかわってきますが、どこに負担がかかっているのか?を知るために、「どのような戦略で身体を支えているのか?」を考察していきます。

スライド16


上の図をご覧ください。
やじろべえは、重さが前後・左右均等であるため、バランスをとるのに力を必要としません。重さが前後・左右均等でなかった場合、重さが重い方へ傾きます。

スライド17


次の図は、ダンベルを持って手を前方にあげました。
ダンベルを前方に持ち上げた状態は、前後均等ではありません。
やじろべえならバランスを崩し倒れますが、人間はバランスを崩し倒れることはありません。やじろべえと人間の違いは何でしょうか?
重さが前後均等でないかわりに、筋肉が働くことでバランスをとっています。つまり筋肉が常に働いている状態となります。

スライド18


3つ目の図をご覧ください。先ほどは、筋肉が働くことでバランスをとっていました。今度は、右腕をあげた方向と反対側に、脚を上げることでバランスをとっています。
この場合、前後の重さを近づけることで、少ない筋活動にてバランスをとることができます。
しかし、手足はバランスをとるため使われてしまっているので、手足を使う運動の際、代償や動作の遅延がおこってしまいます。

この3つのバランスについて日常の姿勢で考えてみましょう。
前後・左右が均等に近い姿勢で立っている場合、最低限の筋活動で立っています。前後・左右が均等でない姿勢で立っている場合、筋肉が頑張って立っているか、代償動作によって筋活動を下げて立っているか、または両方で立っています。

▷例①
胸郭から下は前後・左右がほぼ均等で立っていますが、頭部だけ前方にある場合。
→これは、首の筋肉に負担をかけて立っています。

▷例②
骨盤が前方・胸郭が後方・頭部が前方にある場合。
→筋活動を減らして立っているが、体幹部の働きが低下することにより、軟部組織への負担や代償動作・他の部位の筋出力の低下がおこる可能性があります。


3つのバランスについては、姿勢評価と分析オンライン講座でもご紹介しました。
さらに、機能評価と分析オンライン講座の場合、開始姿勢の状態から動作をした時に、どう影響があるのか?を考察します。

▷例:
①右足重心で身体を支えている姿勢から、回旋動作を行った。
②立位姿勢の重心は真ん中だったが、回旋動作時は右足重心だった。

右足重心での回旋という現象でも、開始姿勢が右足重心だったから右足重心で回旋動作をした場合と、開始姿勢は問題がないが動作時に右足に重心が移動した場合の2つが考えられます。

①は開始姿勢を改善したら回旋動作が変わる可能性がありますし、②は回旋動作事態を改善させたら、回旋動作が変わる可能性があります。
クライアントがどのような戦略で身体を支えているのかを知ることで、負担がかかる部位や、代償動作を予測することができるとともに、アプローチ方法も選択することができます。

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