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瞑想って何?/06.考えの性質

バガヴァッドギーターの中でクリシュナはこんな風に説明します。
「考えは『動揺するもの』であり、強く根を張った暴君です。風のようにコントロールするのは不可能だと思います」

落ち着かないのが考えの性質。
考えの性質は映画のカメラのフィルムのようなもの。
たくさんの静止画を撮影し、
一定速度で切り替えていくと、まるで動いているように見える。
考えのフレームに、動くものをパシャパシャと撮影し続ける。
この考えのフレームを「ヴルッティ」と呼ぶ。

このヴルッティは、一瞬一瞬捉えるものを変えながら撮影し続ける。
五感で捉えたものと過去の記憶を結び付けて「認識」を起こす。
過去にリンゴを体験した記憶があるから、今リンゴを見た時に「リンゴ」と認識する。
過去にリンゴを体験したことがなければ、リンゴは見えない。
今まで食べたことのない南国のフルーツを見た時、???ってなる。
だって硬さも、味も想像できない。っていうかこれはフルーツなのか??ってなる。

考えは飛び回ります。
道でベンツを見たら、ドイツを思います。
ドイツを思ったら、ヒトラーを思います。
ヒトラーを思ったら、ホロコーストを思います。
そして悲しくなります。

その時、もうベンツという車は考えに映っていません。
こんな工程が一瞬のうちに機械的に進みます。
考えの変化は光より速いと言います。そしてコントロールが難しい。
どうしてベンツを見て悲しくなっているんだい?

ですが、考えることは人間の特権です。
それが心配や憂鬱となって、問題になることも多いけど。
考えることなしに心配や悲しみはやってきません。

熟睡中は悲しみません。
だって考えがお休みしているから。

怒りなさいと言われて、怒れますか?
怒れません。なぜでしょう?
怒りとは機械的な思考のプロセスの中で自然に生じるものです。
誰かが怒っている時に「怒るな」と言ってもあまり意味がありません。
怒りという感情は、怒りたくない時でさえ勝手に生じるのです。

では、考えはコントロールできないのでしょうか?
いいえ、論理的なコントロール方法があります。
(次回へ続く)


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