男の夢

いつかは蕎麦打ち
少し昔の男性の夢として良く聞いた話しです
実際、父も仕事が落ち着いてきたら
蕎麦とうどんを打ち(不味い)
最終的にはお好み焼き屋さんの外観だけを建てて亡くなりました(父はお好み焼きが大好物)

父の構想の中では病気で身体が動かないから
自分はレジに座り私がお好み焼きを焼くという
むちゃくちゃな設定

当時はまぁ、流される人生もありかな?と
思い店舗を建てるのに反対はしなかった

そのときの私には叶えたい夢があった
だけど大嫌いだった父の夢も無下には
できなかった

自分の夢をあきらめる気はなかったけど
父の夢の中の登場人物として生きることは
不思議と嫌ではなかった

ちょっとくらい付き合ってやるかという
気持ちだった

私が小さかった頃は食卓を週に何度も
ひっくり返す父で嫌な思いも沢山した

だけど私が本当に困った時は叱らずに
助けてくれた、守ってくれた

亡くなってもう何年も経つが
キテレツでクセの強い父のことは毎日懐かしく
思いだす

何故かというと、私が段々と父に似てきているのだ
これは結構な恐怖

大嫌いな人に似てきている自分
ふとした発言や行動の合間に父の影を感じるから
思い出さずには居られないのだ
血は水よりも濃いという言葉を実感しています

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