父と母と私の確執
私は一人っ子
正確に言えば弟が居たけれど産まれてすぐ亡くなった
幼少期は沢山の愛情と甘やかしの中大事に大事に育ててもらったと思う
しかしながら物心がついた頃、父がチャレンジした自営業、お金がないのに嘘で固めた結果の借金
どんどんと私の中で父の事はワルモノにしていった
母は元々、頭の中がお花畑のようなお嬢様だったけれど、私が居る事もあり、女手一人で20歳までしっかりと育ててくれた
その反面母は自身の辛さからひたすらに父親の罵声を私へ注ぐ
それは私が35歳、この年齢になっても変わらない
いつからか私は自分の家族というものに憎しみを抱き、父の事も母の事も大嫌いになっていた
反面、隣の芝生が青く見え
知り合いの家庭の食卓へ足を運び家族の暖かさを体感する事を繰り返す
家族っていいな、暖かいな、守られてるな
そんな風に指をくわえてみていた
昨日、母からメッセージが届く
親戚のお姉ちゃんが若くして癌で亡くなったとのこと
昨年、父が母を連れてそのお姉ちゃんのところへ一緒に旅をしていた
母からのメッセージの中には
『お父さんに感謝しないとね』と書いてあった
簡単な短文の中に色んなモノが詰まっているようにみえた
一人暮らしをはじめて一年半
父や母と離れて、大嫌いな家族から逃げてきて自由を手にしていたように思っていた
時々寂しくなるし
時々人が恋しくなるのは本音
一人だと出来ない事がある、私はあまりに未熟だ
きっと父は不器用な人で、私と同じで甘えられない人なんだと思う
きっと母は強さを兼ね備えているけれど、私と同じで臆病なんだと思う
ただそれだけだった
今ならそういう風に許せる
※サティシュクマールさんの言葉を拝借致しました
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