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【宮古島記①2020年10月】内側に広がる魅力を求めて

2020年10月。偶然が重なって行くことになった宮古島。

あぁ、宮古島の海は綺麗だった!最高!で終わらせたくない記憶と感情が離れなくて

3編に渡ってnoteに記録をしてみることとする。

予想以上の海の綺麗さ

青く白い海と空が織りなす色を、人はよく”宮古ブルー”と呼ぶ。

東洋一とも謳われる宮古島の”青”は、うわさ通り本当に美しかった。

うわさ通りどころか、正直、予想以上だった。

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宮古島は、東京から約1,800km。

那覇から約280km。

台北までは約380km。

日本最西端の与那国島までは約230km。​

日本でありながら、”日本”とは大きく異なる歴史と文化を持っているだろうと、この歳になってやっと強く想像ができるようになった。

宮古風土記

旅の始まりと共に、読み進めた本があった。

1988年に出版され、2019年にその復刻版が再出版された本、宮古風土記。

これが、とんでもなく素晴らしい本だった。

こんなにも貴重な情報に溢れた本が、Kindleで1000円もしないで読めてしまうなんて。

これから宮古島に行く、という人はぜひ手に取ってみてほしい。少なからず、移住などを考えている人には強くおすすめしたい本。

変わっていく宮古島のイメージ

この本を読んでいると、少しずつ宮古島のイメージが変わってくる。

風土記なので当たり前かもしれないが、綺麗な海のことやウミガメの話など少しも出てこない。

こんな言い方をしてしまうと大変失礼かもしれないが、宮古島はとても貧しく大変な想いをしてきた島なんだと、理解をしていく。

それは災害や疫病と歩んできた歴史であり、琉球王国や薩摩藩、清朝、日本という大きな力の中で歩んできた歴史、そしてその中で積み重なってきた文化や伝統であった。

かつての3大特産品の一つ、宮古上布

いまの宮古島は、サトウキビを中心とした農業や観光業がメインとなっているが、かつては特産品として3つ、有名なものがあったそうだ。

黒砂糖(サトウキビ)、宮古上布、かつお節だ。

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落ち着いた藍色に、繊細な絣模様が気品漂う、宮古上布。

宮古島に自生している苧麻(ちょま)の繊維を紡いで作られた上質な糸で織られている。

400年以上の歴史の中では、薩摩藩への貢納品として宮古島の女性の方に重くのしかかっていたこともあった。

かつては各村に機織り場があり、戦前は年間1万反以上の生産をし(1反=ざっくり着物一着分くらい)宮古島の経済を支えていたそうだが、現在では年間20反ほどだそう。

私のような庶民が行くお土産屋さんでは取り扱わられておらず、八重山ミンサーのポーチばかり。高級ホテルや空港のお土産屋さんに置かれている程度。

やっとの思いで見つけたときは、博物館にでも来たような気分だった。

八重山ミンサーの「いつの世も」がロマンチックで観光客には刺さるのだろうか。でも、宮古島じゃないやん。

ミャンマーで、タイ製の民族風のカバンがたくさん売ってるようなもんだ。

伝統工芸品のあり方

いまになって考えたら、宮古島市伝統工芸品センターとか宮古島体験工芸村に行けばよかったのに、そういった綺麗にディスプレイされたものを見るのが好きではないのか、無意識的に遠ざけてしまっていた。

いや、絶対にまず初めに行くべきだったんだけど、なぜか足が向かないんだな。

そんなことで立ち寄ったお店、染織布とキリムの店 ゆう。

宮古上布や琉球絣を使った小物、生地だけでの販売もしていた。

ズラリと並んだ宮古上布の生地に、これだよこれ、と胸が熱くなる。

宮古島出身のお店の方と無駄に話し込み、胸が熱くなる。

布屋の人だと勘違いをされる。

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商売っ気ゼロで、看板も見えるか見えないかくらいのお店。

現在は、宮古織物事業協同組合の努力で、宮古上布を織れる人も少しずつ増えているものの、苧麻の糸が足りてないそうだ。

宮古上布はその希少性、手間からなかなかのお値段で販売されているが、その歴史も含めてお金には代えられない価値があるように感じる。


もっと積極的に露出して、お客さんも来て、販売量も増えて、生産量も増えたらいいのに!と一瞬思ってしまったけれど

伝統工芸品というものは、資本主義から距離を置いて、丁寧にいいものを作り、技術や伝統を継承していくことが最優先なのかもしれないと、ふと感じた。

そうだよな、だからこその重要無形文化財なのか。


おもしろい記事、メモ代わりにリンク貼っておこう。


でもやっぱり海は美しい

宮古上布だけじゃなく、宮古島には歴史文化財はたくさん点在している。

宮古文化と琉球文化が混ざった仲宗根豊見親の墓、貴重な水資源の確保場所だった大和井(やまとがー)をはじめとする洞井(うりがー)、地下ダムなど、歴史文化的背景を知ると本当に興味深い場所ばかり。

そんな内側に広がる魅力は、少し地味で分かりずらい。インスタ映えもしない。”宮古島で絶対に行くべきスポット〇選!”とかには全然入らない。

そして、一番接したいはずの宮古の人たちに、なかなか辿り着かない。


一人深く入っていこうとしかけたとき、これは仕事でも調査でもなく、奥さんと一緒に来ているただの旅行だったことを思い出した。

宮古島に来たのに全然ビーチに行っていなかった。。大変申し訳ない。

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この美しい海に負けないくらいの魅力があるはずなんだけど、やっぱり、あんまりにも美しい。

宮古島、最低1週間は必要な場所だ。恐れ入りました。


第2編では、宮古島で考えた持続可能な観光ってなんだろう、そんなことについて書いていきたいと思います。

では


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