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【News】政府の四大金融部門がアリババに5つの分野の改善を促す&独占禁止の動向(20201227)

【一言コメント】
11月~年始にかけてのアリババに対する攻撃が激しく、フォローが追い付かない程です。。
(先ほども「ここ最近ジャックマーの姿が見えない」というニュースがビジネスインサイダーから出ていました)
一方で、国としてのイノベーションを通じた更なる発展という路線は已然として堅持し続けるというスタンスも本日紹介の記事からは見受けられるところです。
まだ先行きが見通し辛いですね。

【Newsの概要】
■政府の四大金融部門がアリババに5つの分野の改善を促す
12月27日、中国の銀行業・保険業を監督する銀保監会とアントグループは、図らずも同タイミングで中国政府の主要な金融部門がアントグループの運営に関してインタビュー・ディスカッションをした旨を各々公表した。
上記金融部門の内の一つである中央銀行の潘功勝副総裁はこれに関する記者の取材に対し、「アントグループの運営の主な問題点を指摘し、アントグループの主要な事業分野における是正を要求した」と答えている。

ここまでの経緯を振り返ると、11月のジャックマー氏によるスピーチをきっかけにアントグループの問題が政府の四大金融部門(中国人民銀行、中国銀保監会、中国証監会、国家外国為替管理局)により次々と指摘されてきた。

【アントグループ×金融部門のやり取りの経緯】

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ここまで指摘されてきたアントグループの「四つの大罪」は、
①アントグループの運営におけるコーポレートガバナンスの仕組みが不十分であること
②コンプライアンス意識の欠如、監督管理要求の軽視、違法な規制裁定
③市場における支配的地位を濫用した同業者排斥
④消費者の正当な権益の毀損、及びそこからの苦情の喚起
とされている。

この大罪に対し、アリババは金融部門より以下の5つの要求を投げかけられている。
①決済業務の原点に立ち返り、取引の透明性を高め、不正競争をしないこと
②許認可の範囲、及び法令を遵守して個人クレジット事業を運営し、個人情報の保護にも努めること
③法令を遵守して金融持株会社を設立し、規制要件を厳格に満たし、適切な資本の充足及び連結取引におけるコンプライアンスを確保すること
④コーポレートガバナンスの向上に努め、監督要件に沿って、クレジット・保険・ウェルスマネジメント等の金融活動の是正を図ること
⑤法令を遵守して証券・ファンド業務を遂行し、証券型機関としてのガバナンスを強化し、コンプライアンス遵守を念頭に資産証券化業務を遂行すること

アントグループが公式サイト上で公表しているコメントによると、当該要求に対し、タスクフォースの設立を通じて要求に完全に応えるとしている。


■独占禁止の動向
上記のアントグループの「四つの大罪」に加えて、母体(アリババグループ)もまた「独占禁止行為」に手を染めているということで当局(国家市場監督管理総局、他)からの風当たりが強まっている。

【アリババグループ×独占禁止関連当局のやり取りの経緯】

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当局の姿勢は、市場の監督管理を「法治」と「デジタル化」のキーワードと共に推進していくというもので、プラットフォーマーによるビッグデータ収集・利用行動を規範化すべきだとしている。
一方でプラットフォーマーの革新的な発展も支援し、法律の厳守はさせつつも、国際競争力を高め、ダイナミック且つ秩序のあるエコシステム経済の形成を促進するようにも注力するということで、公平な競争を通じて中国市場が全体的な発展していくことについては歓迎(促進)する方針も表明している。

(出典:テンセントネット等の記事から筆者が引用&要約)

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