一日は〇〇?

「働き方改革」と言っても、切り口は様々あろうかと思います。

例えば、下記のようなもの
・同じ仕事を短時間でする(時短)
・同じ時間で仕事の熟度(完成度)を高める(品質向上)
・同じ時間でもラクに働く(軽労化)
は、「作業としての質の向上」に関わるものと言えると思います。

また、仕事の成果、またはプロセスに係る満足度など、「働く人のキモチの向上」に関わるものという側面で捉えることもできるでしょう。

まずは、「作業の質の向上」の中でも、「時短」について考えてみたいと思います。

タイトルの謎かけ「一日は〇○?」に「時間の単位」を当てはめてください。
…といったら、多くの人は「24時間」と答えるでしょう。もちろん正解です!
では、通常1日当たりの労働時間は?としたら、(残業なしと仮定して)概ね8時間、というところでしょうか。
ここまでは、何の変哲もない、多くの人の共通理解だと思います。

では、「1日8時間でできる「仕事」ってどれくらい?」と聞いたら?例えば…
・何件営業訪問できる?
・企画書何件上げられる?
・経理何件処理できる?
などの問いはどうでしょうか?
もちろん、職種・所属によって仕事の内容は違うし、一概に数をこなせればよいというものではありませんが、上記のような切り口で捉えると、かなりの個人差が出てくるのではないでしょうか。

では、その個人差を生み出す「違い」とは何か?一言で言えば「経験」の差に他ならないのですが、違いをより客観的に説明するために、まずは「仕事は何でできているか」について述べたいと思います。

私が定義づける仕事とは、「『作業』を積み重ねた結果」です。
また、作業とは「一連の『手順』のかたまり」です。
つまり、一つ一つの「手順」を一連のものとしてつなげた「作業」を積み重ねることで「仕事」になる、というものです。

そして、「仕事」であれば、結果が出るのは1日、内容によっては数日~数か月かかることもありますが、「作業」であれば数時間単位、「手順」まで落とし込むと分単位、場合によっては秒単位で処理出来るものもあると思います。

つまり、冒頭の「一日は〇〇?」の謎かけについては、「24時間」が唯一の正解ではなく、「24時間×60分=1,440分」であったり「1,440分×60秒=86,400秒」という回答もある、ということです。そして、その時間の中でどう作業を組み立て、効率的に働くかが「時短」のカギとなるのです。

「機械じゃあるまいし、秒単位でなんか働けないよ」という反論もあろうかと思います。もちろん、特に事務系の職場において、そんな働き方を推奨するものではありません。
ここで言いたいのは、「経験の差が何から来るか」ということを掘り下げるためには、大まかな「仕事」という単位ではなく、「作業」さらには「手順」というところまで分解することで、どこに違いがあるのかが見えてくるということです。
また、この分解作業には、仕事に潜んでいる「ムダ」を炙り出すという側面もあります。いわゆるトヨタ式でいうところの「ムダ」とは何なのかについては、別に述べたいと思います。

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