整頓その1

前回まで、「整理=捨てる」について述べましたが、今回から「整頓」について述べたいと思います。
「整頓」とは「規則に従って並べること」と定義しましたが、まず「規則」をどうつくるかが大事です。一見すると綺麗に並んでいるように見えても、使い勝手が悪ければ、それは「整頓」されているとは言えません。

たびたび冷蔵庫を例に出しますが、冷蔵庫であれば、大まかには冷凍室と冷蔵室、さらに冷蔵室にはいくつかの仕切りや棚があると思います。あなたはそれらのスペースに何をどのように入れていますか?

我が家の話で恐縮ですが、私の義母は昔から冷蔵庫の整理整頓が苦手、というか無頓着のようで、一応自分なりの物の配置の基準はあるようなのですが、私からすると、手当たり次第に隙間に食材や調味料を突っ込んでいるようにしか見えません。そして、また新たな食材を買うと、以前の使いかけの食材が冷蔵庫内に放置されたまま奥に押し込まれ、存在が忘れられてしまうのが常態化しています。
私が時々、食事の支度がてら冷蔵庫の整理をするのですが、その度に似たような食材(その多くは期限切れ)が冷蔵庫のあちこちから出てきては、そっとゴミ箱に入れる…という作業を繰り返しています。

これは極端な例だったかも知れませんが、少なくとも冷蔵庫を開いて、一見して何がどこにあるか、迷わずに見つけられる、というのは整頓の重要なポイントです。

そしてもう一つ、重要なポイントがあります。それは、「取り出しやすい」状態になっているか、ということです。
この「取り出しやすい」も人により捉え方が違うかも知れませんが、ここでは「手数が少なく済む」ことを基準に考えてみてください。この時に役立つのが、「動線」という考え方です。

動線とは、人が「動く線=歩く道や手足の行き場」のことです。手数が少ないというのは、動線が短いということとほぼ同じ意味になります。
冷蔵庫でいうと、「扉を開ける→物を出す」が一連の動線になるわけですが、この際「目的のものが一発で取り出せているか」に着目してほしいです。
もし、一発で取り出せないとすると、次のいずれかが原因と考えられます。
①そもそもどこにあるかわからない(見えない、覚えていない)
②ありかはわかるが、何かの障害がある(前にものがあるなど)
冷蔵庫は「奥行き」がありますので、最前列に平面的に並んでいる物の他に、奥にも物が入っているのが一般的です。当然、奥の物を取り出すには、「手前の物をよける」という作業が発生します。もし、使う頻度が高いものが奥にあると、それだけ「よける」作業の回数が増えます。「動線」も長くなるのです。

従って、並べる際に気を付けるのは「使う頻度が高いものほど『手前』または『取り出しやすい所』にあるか」ということになります。また、もし外見でものがわからない場合は、容器などに「名前」や「期限」を書いておくとなお良いです。
結果、使う頻度が低いものは後ろに追いやられるわけですが、こちらは定期的に期限など確認して、時期が来たら捨ててしまいましょう。

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