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10日で企画1000個作っても「新たな発見」なんて無い。

なぜそんなことを口走ったのでしょうか。
私にも分かりません。

「企画の千本ノックでも何でもやりますから」

そう口走ったのが先月頃。アルバイト(奴隷)として仕えている「株式会社人間」の正社員になりたくて、社長の2人にそう言いました。
これが快諾されてしまったのです。

そして12/20から“流刑地”として有名な新潟県の佐渡島に流され「10日間で企画を1000個作る」という挑戦をスタートさせ、昨日ついに達成しました。

本当に辛かったです。コンビニもなく、知り合いもおらず、クリスマスも彼女もなく(これは本島でも)、Wi-Fiがない環境で通信制限がかかり、納会中の会社から送られた楽しげな写真も動画も開けない。そんな中、1日100個を企画です。

そんな中、いろいろな人に助けられました。

SNSで応援してくださった方、お題を送ってくれた方、佐渡島の方々、そしてこんな挑戦をさせてくれた会社の皆さんにも深く感謝しています。
本当にありがとうございました。

さて、そんな私がこの企画をやってみて“強烈に思い知ったこと”が1つあるので、それについて簡単に書いておこうと思います。

企画1000個作っても「新たな発見」なんて無い。


島に行く前の私はこの企画に対して「企画者としての実力が格段に上がる」と、淡い妄想を抱いていました。
もしかすると世界初の企画法みたいなものを発明して、佐藤ねじさんみたくアイデアでバズらせまくってモテモテになるんじゃないか?と。(ねじさんがモテモテかどうかは知りません)

大きな勘違いでした。

1000個も企画を作るために、毎日100個近い企画を朝から晩まで作り続けましたが、新たな発見は皆無です。

これは「無意味だった」ということではありません。
それよりもっと大きな収穫があったのです。

私が10日間の間で感じたことや気づきの大半が、普段の日常業務で企画する上で何度も痛感していたことでした。そんな既知の事実や自分の未熟さを切実なまでに痛感できたのがこの10日間です。

例えば、私が感じたことの1つに「閃きの出迎え」と呼んでいるものがあります。これは何も新しいことではなく、アイデアを発想する上で「思いつき」に頼るだけでは限界があるので、お題の切り口を定義して意識的に面白いアイデアを出そうとするものです。

アイデアを出そうという時に、私なんかはパッと思いつくことが多いタイプなので、ノートなんか使わないでその場でどんどん空想して企画書にしていきます。
この方法のデメリットは波があるということです。自分が不得意なジャンルや知らないテーマだと、急に行き詰まって、最終的に言葉遊びでこねくり回しただけの「ダジャレ」に終わってしまいます。

そんな単純なことに改めて気がついたのがなんと終盤の8日目。
何度も行き詰まって苦し紛れに駄作をひねり出している自分が俯瞰から見えたタイミングがあり、その時に「そうだ、まずノートに書こう」と思ったのです。本当にシンプル。

ノートに「テーマ」と、そこで面白い企画に近くための「切り口」を一文書き加えて発想するだけ。それだけで「思いつかない…」で止まっていたお題を一歩でも二歩でも前に進められるのです。

特に今回は一般公募したお題が719個もあり、それに答える形式で企画をしていたので、何度も難解なお題や、完全に大喜利としか思えないお題に「こんなん企画できるかぁ!」とお願いした分際で理不尽な逆ギレして終わっていました。そのせいで何分も無駄にしたり。

そこで「お題の切り口をまず考える」という手法に切り替えることで、閃きを出迎えに行くことができるわけです。

思い出深い難解なお題の中で「脱藩のうまいやり方」というものがありました。最初は「いや誰が知りたいねん…」「お前は何藩やねん…」「藩とかおった事ないし…」と思考が停止し、あやうく1時間以上悩み続けるところでした。
しかし、そこから無理矢理ノートに書き出して切り口を見つけてからは3つも企画が生まれました。(内容は微妙でしたが)

この「思いつかずにストップする」という現象はここ数ヶ月の間に自分が何度も直面した課題だったのですが、何度も「あ、また思いつきだけでやってた」と反省しては忘れるというどうしようもないループに落ち込んでいたのです。

タチの悪い事に「思いつき」の方が面白いことって多々あるんですよね。だから気持ちよく「思いつき」だけで成功してる自分を過信して、後々痛い目を見るんです。

ただ、今回の島流しで完全に最後の3日間で『テーマを書く』『切り口を探す』『ブレストする』『つなげて企画にする』というフローが染みつきました。とっても単純ですが、このように体系化できたら、それだけで可能性はグッと広がります。


まとめると、今まで知っていた事を“圧倒的な量で持って思い知らされた”ことが10日間の学びということです。心から行ってよかったと思います。

さて、そんな私は無事に企画を1000個作ったので「正社員」という風になるはずだったのですが。ちょっと事態が変わりました。
簡単にいうと今日(12/30)の『会社に帰った時に最終ジャッジ』という形になったのです。

なぜそんな事になってしまったのか?
きっかけは1000個目の企画を作る際に、社長の花岡さんからいただいたお題です。

「島流しの最後にふさわしい企画を考えてください」

そこで私は「面白い帰り方」を企画しようと思い、すきな高倉健主演の映画「幸福の黄色いハンカチ」とかけた企画を作りました。

『幸福の黄色いカイシャ』
人間島流しの最終審査。12/30にシャニカマが帰った時、会社に黄色いハンカチがあれば合格。なければ不合格。映画では“刑期”を終えた男を妻は待ち続けたという感動的な話だが、映画通りになるかは未知。


・刑期を終えて帰る話
・人間のテーマカラーも「黄色」
という2つの共通点でテンションが上がり、そんな企画を1000個目に出しました。

すると案の定、社長2名から快諾されてしまったのです。
「ウチらおらんかったら、アカンかったってことで」とのこと。

果たして今日、会社には黄色いハンカチがかかっているのでしょうか?
私は正社員になれるのでしょうか?

本当にどうなるのか自分には分かってないので不安です。
また、結果報告は追ってさせていただきます。

以上、島から最後のご報告でした。

サポートされたお金は恵まれない無職の肥やしとなり、胃に吸収され、腸に吸収され、贅肉となり、いつか天命を受けたかのようにダイエットされて無くなります。