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面接官はメークドラマが欲しい

受験シーズンである。
高校、大学はもちろんのこと、
声優の養成所なども今の時期ぐらいから受験シーズンである。
(専門学校などはもっと早いですが)

私が担当する生徒も何人か受験をしていて、
受験対策の相談にも乗る。
養成所のオーディションに限って言えば、
宣材写真、履歴書、自己 PRの対策をしっかりやれば、
まず1次審査は通過します。

1次審査が通ったら、次は面接、実技。
実技は、練習しておくに越したことはないのだけど、
「上手い人」よりも「伸びしろ」を見ている人の方が多い傾向にあること、
そして養成所のレベルではそこまで技術の差は出ない。
だとすると、やはり面接で差がつくことになると思う。

挨拶、振る舞いは練習すれば誰でもできる。
そして必ずと言っていいほど、自己PRの時間がある。

ここで、面接官が聞き飽きた自己PRパターンを羅列します。

*そこまで上手くないダンス
*そこまで上手くない歌
*やる気だけはあります!
*アニメが好きです!
*◯◯さんみたいになりたいです!


上記の人たちは、
確実に養成所で終わるパターンの人たちです。

声優に限らず、社会人みんなそうだと思いますが、
仕事をしていたら壁にぶつかります。
その壁が自分の目の前に立ちはだかった時、
どうやって乗り越えるのか、
過去の経験からどういう対策をしたのかなど、
「変化」を面接官は期待しています。

人は「苦労話から成功したパターン」が大好物です。
私も好きです。
なぜならそれはドラマになるから。
大げさに話す必要はないですし、
不必要に盛った話は嘘くさく聞こえてしまうでしょう。

私が担当するレッスンでは、
面接対策の時に、まずその生徒の思い出に残っていることをヒアリングします。
そしてなぜその思い出が記憶に残っているのかを掘り下げていきます。
そこに必ずドラマがあります。
面接で使えるネタ、そうではないネタはありますが、
ドラマの部分を人にきちんと伝えることができれば、
面接はだいたい上手くいくと思います。

芸人さんは普段をドラマ化するのが上手いですね。
私は生徒たちに「お笑いを研究(分解)しなさい」とよく言います。
人の心を動かすエッセンスが凝縮されているからです。

表現する人は人の心を動かさなければなりません。
意外と難しいことなのです。
(930文字)

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