詩を詠むことについて
ふとした頃から、詩というものに漠然とした憧れがあったように思う。詩集を買っては少し読み、そのまま大事に本棚にしまってみたり。ときにそのいくつかを、じっくり紙に写してみたり。のめり込むような情熱はないものの、どこか特別な視線を注いできた。
何年か前にある本を読み(いつどこで読んだかはなぜか思い出せない)、詩には〈人に読んでもらう詩〉と〈自分だけのために詠む詩〉があることを知った。詩というのはもっぱら「詩人」という職業の人が書いて、人目の触れるところに公表するものと漠然と考えて