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科学と科学者のはなし~読書記録177~

寺田寅彦エッセイ集である。


編集されたのは、寺田寅彦先生が大好きな事がよーーく伝わってくる池内了先生。
1944年生まれ、京都大学卒の学者だ。
池内 了は、日本の天文学者、宇宙物理学者。総合研究大学院大学名誉教授、名古屋大学名誉教授。理学博士。兵庫県姫路市出身。 世界平和アピール七人委員会の委員でもある。「九条科学者の会」呼びかけ人も務めている。 講談社科学出版賞選考委員。Japan Skeptics運営委員。

寺田寅彦先生は夏目漱石の教え子であった。
夏目漱石の「吾輩は猫である」に出て来る水島寒月君は、寺田寅彦先生がモデルである。

大まかなことはさておき、このエッセイの中に出て来る動物や星の話に感じ入るものが多々あった。

ミノムシについて。
寺田寅彦寺先生は、辞書で調べたがミノムシの英語はわからなかったと書かれていたが、Bagwormである。直訳すると、袋に入った虫。


Googleでこんな風に画像検索すると、懐かしいのだが、はて?最近、ミノムシを見たのはいつだったか?
秩父の田舎に住んでいた頃は、存在するのが当たり前だった。その辺の樹にぶらぶらしながら、葉を食べる。ついつい、近所の子とその袋をはいでみたくなる。
又、寺田寅彦先生のお母様が言われた「ミノムシの幼虫を綺麗な布と一緒に箱に入れておく」というのも、小学生の時に同級生と、そんなことをしたなと想い出した。

だがしかし!東京、横浜に住むようになってからミノムシを見ただろうか?
ここらで見かける虫と言ったら、蚊ばかりだ。
ブヨ、アブなどは綺麗な水でないと幼虫が生きられない為、秩父ではよく見たのが奇跡な事だったようだ。

又、星の話も感慨深かった。物理学的な難しい話は置いておき、星座はやはり観る価値がある。
だが、これも待てよ?
うちの窓からは、みなとみらいの花火はよく観えるが、星なんか綺麗に観えやしない。
9月に訪れた修善寺。そこの温泉ホテルでの露天風呂から観た夜空。
ああ。こんなにも星って沢山あるのだと感動しながら湯に浸かったことを覚えた。


寺田寅彦先生が住んでいたのは、東京の都市部。まあ、昭和10年に亡くなられておられるのだが、東京でそんなにも虫がいたのかと思ったのだ。
そして、現在は、星を観えなくしてしまっている東京の空。。。
物悲しさをも想うのであった。


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