ホームズ少年探偵団 ロバート・ニューマン~読書記録161~
イギリス・ロンドンが生んだ名探偵シャーロックホームズ。
世界中の多くの人が愛してやまない作品であり主人公である。
相棒のワトソン博士と一緒に難事件を解決していく。
コナンドイルの作品から推理作家を目指した人も多い。
作者のロバート・ニューマンは20世紀初めにアメリカ・ニューヨークで生まれた。
訳者の神鳥先生曰く。
「シャーロックホームズの模倣作品は沢山出ていて、相当読んだが、やはり、1ファンの模倣が多かった。が、このロバート・ニューマン作品は、しっかりと構成されており、登場人物も魅力的。すぐに翻訳したいと思った」のだそうだ。
題名からもわかるように、少年向きのものである。
だからこそ、幼き日に面白かった物語を本格的に読んでみたいと思わせているのだ。
主人公はアンドリュー。
19世紀のイギリス。コーンワル半島の小さな村から、ロンドンに出てきたアンドリュー少年。いっしょに来た家庭教師のデニスン先生は、行方不明に…。
アンドリューは、スクリーマー(わめきや)とあだ名がついている少女セーラと知り合い仲良くなる。
セーラのサムは、シャーロックホームズの手伝いをしている。その兄の紹介で、盲人が生活する手伝いをすることになったアンドリューだったが、なんと!その盲人はシャーロックホームズが変装した人だったのだ。アンドリューは、鋭い推理で「ホームズさん」と、それを見破る。
最後には、家庭教師のデニスン先生がどんな人間であったか(刑務所にもいた)、アンドリューの本当の母もわかり、一緒に暮らせるようになるのだった。
そして、アンドリューは大好きなセーラと優しいセーラの母とも共に生活が出来るように・・は、次回作になる。
読んでいて引き込まれていく、面白さがあった。
又、作者はこの作品を書くにあたり、著作権を持っているコナンドイル協会の許可を得ている。
【ロバート・ニューマン】
1909年、アメリカ合衆国ニューヨークに生まれる。ブラウン大学で学んだのち、さまざまな職業につき、ひんぱんにヨーロッパを訪れた。やがて雑誌に詩や歴史冒険物語を発表し、ラジオの脚本も書くようになる。このアンドリューが活躍する少年探偵団シリーズは、何度かエドガー・アラン・ポー賞の候補にあげられた。夫人のドロシー、娘のハイラ・フェイルも児童文学作家として知られる。1988年死去、79歳。
【神鳥統夫】
1931年、中国東北部に生まれる。東京大学経済学部卒業。出版社勤務をへて現在は、児童図書を主とした著作、翻訳等の分野で活躍している。
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