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軽いお姫さま~読書記録242~

イギリス人の作家。ジョージ・マクドナルドが1863年に書いた童話。
マクドナルドは、アンデルセンの影響を受け、宗教的な作品が多い。

マクドナルド,ジョージ
1824‐1905。スコットランド生まれ。『不思議の国のアリス』の作者ルイス・キャロルなどともにイギリス児童文学の黄金時代をきずいた作家の一人。サセックスでしばらく牧師をつとめた後、ロンドンに出て文筆生活に入る。『ナルニア国ものがたり』のC.S.ルイスや、『ホビットの冒険』『指輪物語』のJ.R.R.トールキンに大きな影響を与えた。


「昔、昔のこと」と始まる、この話。
子どものいない王様夫妻に子供が出来、その誕生祝いを開く時に、呼ばれなかった1人の魔女(王様のお姉さんだった)により、呪いをかけられてしまう。
それは、このお姫さまには、重さというものがないのだ。地球の引力を無視した存在であるように。しっかりと見張っていなくては、ふわふわと飛んでいってしまう。
重さがない=軽いことであるが、それは、頭が軽い、心が軽い。ことでもあった。
可哀想な話を聴いても、お姫様は笑うだけ。涙を流すことなどない。

そんな時に、どこかの王子様が現れ、王子様だけ恋に落ち、姫の為に命を捨てる覚悟をし、と。
王子様が息をしていない、その事で王女の気持ちは変化し、涙を流すことを覚える。王子は命を吹き返し、めでたしめでたしで終わるのだ。

宗教学者の島薗進先生は、キリスト教的な「永遠の命」の教えを、姫の心の再生の物語という形で伝えようとしたのだ。と解説されている。


この姫の我がままさは、さておき、頭の軽さ、心の軽さについて、考える作品であった。


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