ブッダ入門~読書記録156~
1991年に発刊された東京大学名誉教授・中村元先生による書。
講演会で語られたものをまとめられたのだが、実にわかりやすいものであった。
やたらと難しく自分を高く見せようとする人が多い中、中村元先生のこの書は、優しい言葉で「ブッダ」について、誕生から亡くなるまでを書いておられた。中村元先生のお人柄にもよるのだろうが、それこそが、釈尊の望まれた事ではないかと思った。
御朱印巡りなどしたり、ちょっと悪い和尚さまなどと親しくなったりで、何となく仏教の事を知った気で振舞っていたが、イヤイヤ恥ずかしい。
基本的な事もわからないでいた。
この本は、そのような方に読んでもらいたい。(って、そんなアホは私だけ?)
ゴータマ・ブッダ=釈迦、釈尊の方が日本では馴染みがいい。
ブッダは「目覚めた人」という意味だ。
この書を読んで行き、ユダヤ教、キリスト教などと違い、「ブッダは1人の人間」「苦しみを知り、悟りを得ようとした私たちと同じ人」なのだ、と理解出来た。最期でさえも、普通の人と同じような死を迎えている。マリア伝説で言われるような肉体の死を伴わず、天に上げられたなどではない。
「彼は我々と同じように、生まれ。成長し、活動して、ついに死んだ一個の人間であった」(本書より)
この本から何を学ぶか。それは、人はどう生きたらいいのか?という事であると思う。
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