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空飛び猫 ~読書記録388~

空飛び猫   シュラ・K・ルグウィン 村上 春樹訳


仲よし4兄弟、セルマ、ロジャー、ジェームス、ハリエットは、お母さんもため息をついたくらい、翼をはやして生まれてきた猫たちです。荒れた街から森へ飛んでいった彼らはハンクとスーザンの心やさしい兄妹に出会うのですが。ル=グウィンの世界を村上春樹さんが美しい日本語に翻訳した素敵な童話です。
ル=グウィンの素敵な猫のおはなしを村上春樹が心をこめて翻訳。
あらっ、子猫に翼が…。

表紙を一目見たときから、僕はこの本を翻訳しようと決心しました。だって木の枝にとまった四匹の猫に翼がはえているのだから、これはどうしたってやらないわけにはいかないですよね。――訳者あとがきより

元々は、SF作家だからだろうか。
猫に羽が生えて空を飛ぶという発想がユニークだ。
けれども、猫たちは可愛らしいし、これは1つの真実を教えてくれている。

「もしお前が良い手を見つけたら、もう自分で餌を探す必要はなくなるんだよ。でもそれがいけない手だったら、それは犬よりもたちが悪いって」
(本書より)
この手とは、人間の事を表している。
野良猫として生まれ、母猫から離れ、自分たちで厳しい世界で生きてきた仔猫たちは優しい人間の兄妹に出会い、餌と愛を貰うのだ。
最近、保護猫活動をしている自分には深い作品であった。

やはり、村上春樹の訳は読みやすいな。


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