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池波正太郎の愛した浅草 台東区浅草 聖観音宗待乳山本流院 私の百寺巡礼150

浅草寺から墨田川沿いに今戸神社に向かう途中に見つけたのは、池波正太郎生誕100年を掲げた幟であった。

全く下調べもなく歩いて見つけたのであるが、浅草寺の支院らしい。

浅草寺の北東、隅田川西岸にある待乳山は、標高約10mの丘である。ここに伽藍を構える待乳山聖天は、正式には本龍院といい、浅草寺の支院のひとつである。
 縁起によると、推古天皇3年(595)9月20日、一夜のうちに涌現した霊山で、その時金龍が舞い降り山を廻り守護した。その後推古天皇9年(601)の夏に、干ばつのため人びとが苦しみあえいでいたときに、十一面観音の化身である大聖歓喜天が姿を現して人びとを救済し、聖天さまとして祀られたのが草創という。
 待乳山の聖天さまは霊験あらたかなことで古来より知られており、身体健全、夫婦和合、商売繁昌にご利益があるとして篤い信仰を集めている。本堂では毎朝、浴油祈祷という聖天さま独特の秘法を厳修している。
 待乳山は広い江戸の平野にある小高い丘であることから、古くから名所として文人墨客に愛され、多くの絵画や歌の題材となった。歌川広重の絵に描かれている築地塀も境内に残っている。
 境内各所には大根と巾着の印が見られるが、大根は身体健全、夫婦和合、巾着は財福の功徳を表わしたものとされる。特に大根は心身を清浄にする聖天さまの「おはたらき」を象徴するものとして、聖天さまのご供養に欠かせないお供物とされている。
 数多い年中行事のなかで最も知られているものは、1月7日の大般若講・大根まつりであろう。法要ののち、正月中にご本尊聖天さまにお供えされた大根を調理した風呂吹き大根が御神酒とともに参拝者に授与され、大いに賑わう。


池波正太郎は大正12年にこのお寺の隣で生まれたらしい。その年に関東大震災が起こり、家は消失してしまったようだ。
若い頃より、池波正太郎は大好きだったので、これだけでも来てよかったと思えた。
何しろ、池波正太郎がエッセイで紹介した店は行きまくったのだ。
ちなみに、池波正太郎の家は浄土真宗なので、お墓は田原町の西光寺にある。
東京都台東区西浅草1-6-2 浄土真宗大谷派西光寺


夏の豊かな樹々の葉が本堂を隠している。これも又良い味わいだ。


欲湯祈祷、大根まつりなど初めて聴くものばかりで興味深く思った。
こちらの本堂でも、タイ、ミャンマーの方たちがきちんと正座してひれ伏して本尊を参拝していた。膝が痛いとか言いながらも、見習い、畳に膝をついた私であった。
浅草寺の子寺であるようだが、若い人や外国人観光客の観光地と化した浅草寺と比べ、参拝者も少なく、落ち着いた印象であった。
人力車もこちらは回る事もないようであった。
思わぬ知られていない素晴らしい寺に出会えたなと嬉しさいっぱいの日となった。

こちらは、奉納されて祈祷を受けたのちに、「ご自由にお持ちください」とされている大根である。
友人の分と2本ぶら下げて浅草を歩く。
大根は身体によい。本当だ。トンカツには大根おろし。おでんも大根。
感謝。

夏の庭 本堂重なり 又愛し


聖観音宗待乳山正龍院
東京都台東区浅草7丁目4−1
浅草駅より徒歩10分



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