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万緑や 故郷は蒼き 水となり

今はなき、私の故郷。

確か、平成2年の1月だったろうか。父の兄弟姉妹が集まり、いつもは別々の部屋に分かれて寝るものを居間で一緒に布団を敷いて、と。

「兄の鼾と、弟の歯ぎしりがうるさくて寝られなかった」
と、叔母。

当時、私は東京の会社に就職して、風呂なし、トイレなしのアパート住まいだった。
父が早くに亡くなったから?そもそも、アルコール依存症であまり働けなかったからか、それまでの私は貧乏な方だったのだろう。
まあ、ダム建設で環境も変わった。県からの補償金で私も良い場所に越せたし。母も今までの人間関係をリセット。田舎はねー、近所付き合いがねー。

これは私が20代の頃の話だ。
私は前から飼っていた猫を実家に置いたまま、家を出ていたが、母と兄は猫嫌い。で、犬は新しい家に連れて行ったが、猫はそのまま置いていったのだ。

あとから、私が苦手とする、野生の猪や熊よりも強い父の姉からネチネチと報告あり。しかも、俳句で。
俳句の中身は忘れてしまったが。
要するに、自分の生まれた家がダムでなくなり、見に行ったら、飼い主を求めて猫が泣いていたんだ、と。そんな句だった。

くそーーーー。20代の頃の私は、俳句で伯母に返せず・・・
今なら、伯母さん、なんで連れて行ってくれなかったのyoooo!伯母さんの家で飼ってyoooo!と、返す。
あ、俳句じゃない?か!

桃太郎、ゴメンね。あの後、桃太郎はどうなったのだろう。


秩父市議会の黒澤議員によるお知らせをみて、故郷を想うのであった。

万緑や 故郷は蒼き 水となり


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