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六十代と七十代心と体の整え方~読書記録250~

2020年に刊行された和田秀樹医師による著。
読むと生きる意欲が湧いてくる本!後半生のステージを生きるための知恵が満載。精神科医にして高年学のオーソリティ、人生の達人がお届けする実践的かつ思索的処方箋。

和田秀樹医師は、老人科勤務もされていたことから、この類の分野に於いては詳しい。

今や日本は「人生100年時代」。
だが、身体、心と若いままではない。
QOL(生活の質)が低下した状態が長く続くといった現実が突きつけられるのだ。


物を視る目について学ぶ事があった。
それは、作家の佐藤愛子さんが90歳を超えてから書かれたエッセイについての読後感想をネットに投稿していた若い女性についての和田秀樹医師の説明によってだ。

(佐藤愛子さんは、現在99歳。まだまだお元気だ。)

その女性は、おそらく30歳前後と推定された。
Aさんの感想文は、「老害の極致にいるような人間を見た。こういう老人のために自分の税金が使われていると思うと辟易する」という書き出しから始まって、「時代に適応しようとしていない」「この老婆は自分中心に世界が回っていると考えている」といった佐藤さんの人格に対する批判が続き、最後に「不快」という単語で締めくくられています。(本書より)

和田秀樹医師は、この女性の思い違いを指摘している。
老害とは差別用語ではないか。若い経営者でも酷い人はいた。税金が使われている、と言っているが、直木賞作家にしてベストセラー作家の佐藤愛子さんがこれまでに納めてきた税金は、Aさんとは比べ物にならない、と。
本を読む前から、こういうものと決めており、読書感想文をネットに投稿したのではないかと。要するに、老人が嫌い、感情論でもある。これは、個人に限らず、今や政府を始め日本全体を覆っているかのようだ。

と、ここで思い出したのが、イエール大学の成田先生の発言だ。

ちなみに、養老孟司要先生は、佐藤愛子さんの著書を「大笑いしながら読んだ」そうだ。

1つの本に対して、読み手であるこちらの捉え方というものを問われているような気がしたのだった。
ちなみに、読書感想文の多くは、高評価である。


和田秀樹医師は、杉田水脈議員が口にしている「生産性」についても触れている。
「子供を産まないのは生産性がない、と言うが、何故、子供のいない自分のボス(当時は存命)に言わないのか」と。

つまり、成田先生、杉田水脈議員などの考えが正しいとされる今の日本は病んでいるのだ。
今の高齢者の多くは真面目に働き、税金、年金と納めてきたのだ。財政不足は個人のせいではないのだ。

さてさて、老後をこれから迎えるにあたり、生活の質を考える。この本はそれを主題としているのだと思う。

和田秀樹医師が書かれていたのはこんな事だ。
①日中なるべく日光を浴びるようにする。
②就寝と起床の時間を守る。
③室温や照度など就寝の環境を整える
④食事時間を規則正しくとる
⑤のに活動時間を確保しベッドに寝ないようにする

過度に身体を動かす必要はなく、毎日意識的に身体を動かす。これが大事なのだ。散歩なども良い。
そして、人生後半生。我慢はストレスになるだけで美徳ではないのだ。
他人に迷惑をかける暴走老人になるのはまずいが、「自分は自分、人は人」でよい。
医師から注意を受けるような状態ならともかく、ちょっとお腹が出てきた、若い頃に比べて痩せにくい、などを気にして、食事を我慢するなど、ストレスになるだけだ。

お金については、貯めこむばかりでなく、趣味や旅行など、葬儀代を残すくらいで使う方が良い。

私自身について言うと、もう人生後半。というか終盤だ。
悩みとしては、なかなか痩せないこと。昔の服が入らないこと。
色々と我慢しても体重は一向に減らない。
もしかしたら、こんなこともストレスになっていたのだろうと思う。
頑張っても結果が出ないのだから。
若い時の服も合わなくても仕方のないことだ。
それを気にせずに、自分の好きな事を楽しみたいと思うのであった。

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