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究極のプロ意識から学ぶ〜「ハドソン川の奇跡」交信記録より

こんにちは!ベリーダンサーのShala(シャーラ)です。5日ぶりの投稿になりました。

この頃、あるきっかけを得て、サン=テグジュペリの「夜間飛行」を原語で読み始めています。そのいきさつを綴った記事はこちらをどうぞ。

作者の気高い精神を感じながら。その繋がりなのかもしれませんが、あるYouTubeの動画に非常に感動したので、綴りたいと思います。

2009年1月15日、極寒のニューヨークで、離陸直後のエアバスA320が、カナダ雁の群れに遭遇、両エンジンともが停止し、チェズレイ・サレンバーガー機長の判断によって急遽ハドソン川に着水した結果、155名全員無事であったとのニュース。

まだ、今後こうして世界中にウィルスが蔓延し、世界が一変してしまうことなど想像もつかなかったのだなあとの思いで振り返る、この出来事。

当時、英雄と讃えられた機長のことは、記事で読み、その後映画にもなったのは知っていましたが、昨夜、ふとYouTubeのおすすめ動画に出てきた当時の交信記録を聴いて驚愕しました。

離陸直後の未だ低い高度において、鳥の群れとぶつかり、非常に危険な状態になってから、ハドソン川への着水まで208秒とのこと。3分半にも満たない!

こんなに短い時間に判断、決断、方向転換し、見事に着水させていたとは知りませんでした。

バードストライクと呼んでいる、鳥との衝突によるエンジン停止後、非常に早い段階で、着陸は「ハドソン」と管制塔へ伝えているんですね。

空港へ引き返すのでもなく、管制塔がしきりに勧める別の空港への緊急着陸でもなく、まったくもって前代未聞の行為です。

経験から、それでは間に合わないとの体感と、確信があったのでしょう。

鳥肌が立ちました。その後何度聴いても、「ハドソン」と伝えるまでの時間が短いのと、冷静で自信に満ちていることに、ひたすら感動してしまいます。

その日までに、空軍の戦闘機から民間機へと、42年間、2万時間の操縦経験を持っていた機長本人が、「これまでの経験はこの時のためにあった。」と言うほどの出来事。

理論でしか学んでいない着水は、失敗すれば機体が真ん中から真っ二つになるとのこと。

大勢の命を預かり、危機に際する訓練と準備を怠ることのなかった責任感と経験があってこその、素早い決断と実行であったことが分かります。

だからこそプロなんだなあと。重要な決断であればあるほど、日頃の訓練と経験がものを言い、冷静さを失わないことに繋がるのだなあと。

それは生半可なことではないことが、交信記録の肉声からも、伝わってくるのです。こんな時に冷静になれるまでの道のりとは、一体どのようなものなのか、想像もつきません。

危機を察知してから、全員が救助されるまでの、客室乗務員の行動も素晴らしかった。管制塔の人たちの実に冷静な対応も。プロというプロの皆、肝がすわっていること。

プロというものが、必ずしも全てこうして人の命を預かり、生死を分かつ判断を迫られ、責任を負うものではないかもしれませんが、とても勉強になります。

不時着後、近くを運行していた通勤フェリーや、水面から6mの高さのヘリから飛び降りるダイバーたちなど、様々な助けが素早く集まり、極寒の川に浸水してゆく飛行機から全員が助けられたことにも感動します。

7年後に映画化された際には、彼ら救助にあたった方々が探し出され、実際に同じ役柄で出演したというのも感動的です。

そうして、人生において稀にしか体験できない同じ感情を、皆で再び分かち合えたことは、素晴らしい出来事ですね。

邦題は「ハドソン川の奇跡」ですが、原題が機長の愛称「サリー」であるのも本当にステキです!

関連動画を見飽きず、けれどもやはり人が訓練と経験によって到達できる最高の境地というものを見せてくれる交信記録の肉声とその在り方は、今だから凄さが分かる、私にとってのバイブルのよう。

腰低く経験と訓練を重ねようと改めて思えること。そして、いつでも人は人から学ぶのだと、改めて実感しました。

いいなあ。今ごろですけれど、パイロットになるのも良い人生だなあと思います。

代わりに、今世では私はステージで、思いのまま飛翔したいと思います。

それではまた、ステキな毎日を!!






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