【実体験】障がい者オバサンWebライター修行中!前編!

*shakehandsという型破りな就労継続支援B型事業所での日々*

そう、本当に偶然の出来事だったんです。
衝撃的で奇跡的な出会いって本当にあるんですね。
え?恋愛の話じゃないですよ。(笑)
発達障がいと精神障がいダブルで抱えた決して若くないオバサンのわたしと
shakehandsという凡そ障がい者就労継続支援B型事業所とは思えない事業所との
出会いと、そこから広がるWebライターという未知のお仕事に繋がるお話しです。

*障がいのある自分でも出来ることがあるんじゃないの?*

わたし自身は社会人歴は長く、保育士を中心に色々な仕事をしてきました。
中心に、というのは「この道50年」といったような仕事の仕方が出来なかったからです。
保育士の仕事も20年くらいやりましたが、待遇はほとんどが臨時職員やパート扱い。
他にもアルバイトやパートを掛け持ちして頑張るけど、
それが何故かはわからないけれど、自分が頑張れば頑張るほどロクなことがない。
そういうことの繰り返しの人生でした。
それは後に自分が広汎性発達障がいと双極性障がいのW障がいの持ち主だからと分かり、
諸々のことが納得できました。
結構色々な事をやるのですが、どれも経済に結びつかない。
そうこうしているうちに鬱傾向が強まり、
保育士を退職して引き籠りをしているところに、
偶然道を歩いている時に出会った「就労継続支援B型事業所」の文字。

正直なところ自分がB型事業所に通所するなんて
全く思いもよりませんでした。
元々は同じく発達障がいの息子が通えそうな場所を探していたのです。
でも事業所の指導員さんの話を聞くうち、
これってわたしに向いてるんとちゃう?と感じられたのが、
ネットでのブログやSNSに文章を書くWebライターのお仕事です。

簡単に「向いてるんとちゃうん?」となった訳ではありませんが、 出来るんじゃないかなと思った点はいくつかあって、

 ・12歳からずっと日記を書き続けている
 ・保育士の仕事で指導案、保育記録、園だより、
  保護者との連絡長のやり取りを毎日書いていた。
 ・10年以上にわたってヤフーや楽天のブログを書いていた。
 ・新聞や雑誌に投稿すると結構な確率で掲載されることがある。

「文章を書く」と言うことはカウンセリングと同じ効果があるというのは
子どもの頃から何となく感じていましたが本当にそのようで、
わたしはその時々で思ったこと感じたことを、
書くことでセルフセラピーを行っていた事になります。
まぁ人間60年近く生きているとちりも積もれば山となるで、
色々な経験があるという訳です。
それを生かすことが出来るのならこれからの人生の良いリハビリになるかな?
そう思った事がこの仕事をしたいと思ったきっかけです。
鬱状態で数年間自分の人生に絶賛絶望中だったアラ還オバサンが、
Webライターという未知の世界の扉を開けてしまった瞬間でした。

そうと決まったら即行動!バリバリやるぞ!ではダメと学習済みなので、
まずはゆっくり見学、実習をすることに。
とりあえずパソコンが使えないと話にならない。
この数年間パソコンに触れる機会もなくなり、
久しぶりにキーボード叩けるかな?と不安感がありましたが、
支援員さんが丁寧に教えて下さるうちに色々と思い出すようになりました。
ワードだのエクセルだの使えないといけないのかなぁと思っていましたが、
今はGoogleさんのグーグルドキュメントなんて便利なものもあるのだと知り、
試しに支援員さんの出されたお題でFacebookの文章を考えることになりました。

お題に沿って考えて、分からない事はネットで調べて、
それをまとめて文章に仕上げて支援員さんお見せすると、
これがもうとにかくほめる!ほめる!ほめる!ほめ倒す!
「おだててるんとちゃうん?」とも感じましたが、
どんな事であろうと、ほめられるのは嬉しい気分です。
その時支援員さん(ブチョー)に言われたのは、

「素直で分かりやすい文章」

でした。

これこそがわたしのわたしだけの個性ということなのか?
まるで中高生のような気持ちでときめく中高年。
この気持ちを大切にしたい、自分の可能性を伸ばしたい、
というわけでその足で市の福祉課へ行き入所の手続きを済ませてきました。

*正式に入所、手探りで始めたWebライターの仕事*

さて、正式に入所しましたがしばらくはFacebook記事の更新や、
事業所のPR文章などを書くように依頼されました。
書くと言ってもええ加減な事は書けません。
そこでshekehandsという事業所がどういうことをやってるか、
事業所のホームページやブログを読んだり、
支援員さんからデザインのことを聞いたりして、
ちゃんと確実な情報を仕入れてから文章にして、紙に印刷して、
それに赤ペンで推敲を繰り替えすという作業をコツコツとやりました。
分からないなりに自分で工夫しながら手探りで行なっていました。
周りではハイスペックなパソコンでプロが使っているソフトを使いこなして
デザインや動画制作を手がけるという、大変デジタルな作業をされてる中で、
自分はきわめてアナログな方法で作業を進めていて、思わず笑ってしまいました。

そうやって事業所のブログや社内報などに文章を書く日々が続きました。
相変わらず作った文章を見せると、支援員の皆さんが大変ほめてくださいます。
shekehandsライティング・コピーライト担当という肩書も付きました。
何もやってなかった日々を思うとなんてクリエイティブな日々!
嬉しいな、楽しいな・・・・で果たして良いのか??という疑問も湧き始めました。
こんな我流で仕事をしてて大丈夫なんだろうか?という不安感です。
自分のやっていることに裏付けが欲しい。とにかく基礎的な知識は最低限身に付けないと社会的には通用しないだろう。
そう感じていたところにとある指令がスラックで送られてきました。

*shekehandsでの仕事と障がい者が仕事をするという事*

わたしに送られてきた指令をお知らせする前に、
所属しているshekehandという事業所のお仕事について触れたいと思います。
パソコンを使ってのデジタルアート作品の制作をしているデザインの会社です。
動画、名刺、チラシ、パンフレット、ロゴ、ポスターなどを、
プロが使用している最先端のソフトを駆使して制作しているデジタルなお仕事です。
利用者を「メンバー」と呼び、デジタルにも精通している支援員とともに、
それぞれが自分の能力に合わせた仕事に取り組んでいます。

障がい者就労支援B型事業所と言えば、
一般的には農業、部分加工、手工業、製菓、クリーニング、清掃、梱包作業などの仕事を連想します。実際わたしの息子が通っている事業所では掃除や製菓を主に行っています。
施設内も「作業場」といった雰囲気です。
B型事業所というのはそういう雰囲気の所だと思っていましたが、
shakehandsはいわゆる「作業所」ではなく
ビシッとパソコンが並んだ今風のオフィスでした。
B型事業所の常識を覆すような雰囲気に大変驚きました。
手がけている事業も福祉の世界からしてみるとかなり異色な事業展開だと思います。
型破りな就労継続支援B型事業所!それがshakehandsでした。

ここに集まって仕事をしている人たちは、一般的な企業に雇用されるのが困難な人。
就労経験があり年齢や体力等の問題で一般就労が困難になった人、など、
何らかの形で社会からドロップアウトした人たちも多く、
そういった人たちの人生のやり直しとしての大切な居場所なのです。
わたしももちろんそのうちの一人です。

後編に続く!

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