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人生詰みかけた声優学校の卒業生が高校生に伝えたい「学歴」の大切さについて

「学歴は重要である」「学歴は関係ない」

あなたはどっち派ですか?

私は俄然「学歴は重要である」派です。正確には「全力で難関大学に挑んで得られる成功体験とそこで出会う仲間が重要である」って感じですね。

少なくとも「幸福度と収入の相関性が切れる年収800万円以上程度」に効率よく達するためには、間違いなく便利な物だと思っています。

もちろん逆の考えを持っている人もいるでしょう。

ただ「学歴は関係ない」と言う人の中で、低学歴の社会と高学歴の社会のどちらも体感した事のある人はまだ見た事がありません。

高学歴は低学歴の社会を知らず、低学歴は高学歴の社会を知らないので、学歴が人の人生にどれほどの影響を及ぼすかを本当の意味で知っている人は多く無いはず。

この記事は北関東の偏差値40台の高校→声優学校→フリーター→偏差値70私立大学→会社員 という、低学歴の社会と高学歴の社会をどちらも体感した私が本気で感じた「学歴の大切さ」をまとめたものです。

進路に悩む高校生や親御さんに響けば良いなと思ってます。

あくまで私個人の体験談です。不快に感じた方がいましたら、その瞬間にブラウザを閉じていただけると幸いです。

学歴は幸運のブレスレットと同じくらいのパワーを持っている


10年ばかり時代を遡ると「このブレスレット(15,000円)のおかげでお金持ちになりました、冴えない私が女性にモテモテ」などと言って美女を両腕で抱えながら札束風呂に入浴している男性の広告が雑誌の裏に掲載されていたことを覚えていますか?

(今の若い子は知らないか......)

非常に胡散臭い広告でしたが、フリーターが学歴を手に入れると、このブレスレットによって起こる男性に対する変化と同じくらいの変化が起こります。

私の場合は「学歴(5,000,000円)のおかげでお金持ちになりました、冴えない私が女性にモテモテ」程度に人生が変化しました。

私にとっての幸運のブレスレットは15,000円で買えるようなものでは無くて、1年ちょっとの勉強時間と予備校/学費を含めて5,000,000円で買える学歴だったんです。

学歴が欲しいと本気で思った出来事(絶望)

私が専門卒業後に時給930円の居酒屋のバイトとして働いている時は、

・1ヶ月に休みが2日程度
・シフトは15時~翌朝5時まで(3時間くらいはサビ残)
・給料は上がらない

ってな感じでした。毎日クタクタ。寝て起きて仕事して寝て起きて仕事しての繰り返し。実家暮らしでこれだけ働いていれば一応金は溜まりますよ。使う暇も無いしね。

休みの日はとりあえず寝て終わる。

小学2年生の時に『世紀末リーダー伝たけし』を初めて読んだ時から大好きだった漫画を読む体力すら残っていなかったんですよね。

当時の私には自己研鑽なんて発想も無かったわけですが、何かスキルを身に着けるための努力をするような時間も思考も生まれない。

完全に人生を消費していました。日々考えていたことは団体予約の仕込みの事と閉店後の客をいかにして早く退店させるか。それだけです。

料理は好きですし、キッチンの仕事自体は嫌いじゃ無いんですよね。

それでも、続けた先に明るい未来が無いのは本当に辛い。出口の見えない暗いトンネルをひたすら歩かされているような感覚。

「人生詰んじゃったかなー」なんて思いながらフリーターを半年続けたある日、同じバイト先のちょっと好きだった女の子(法政大学の3年生)が飲み会で「やっぱり男性は1000万円くらい稼いで欲しいですよねー」みたいなことを言うんですよ。

今の時代にSNSでそんな事を堂々と言ったら大炎上ですよ。大炎上。

20歳で専門卒フリーターをやっていた私はもう絶望しましたね。

そりゃ、居酒屋のフリーターが法政大学のエリート大学生に恋をするなんておこがましい事できませんよ。そのくらいは弁えてましたよ。

「それでももしかしたら......?」くらい考えますよ。

時給930円で働く私にそれを言うって、完全に眼中に無いって事じゃ無いですか。

当時は月に350時間くらい働いていたので、時給930円で手取り30万弱くらいのお給料をもらってたんですけど、「年収1000万は無理だろーーー!」って笑いながら泣きました。

これから一生、学歴の高い女を好きになっても相手にされないのか......。

本当に幸運のブレスレットを15,000円で買いかねないレベルまで落ち込んでました。


それで、翌日に調べたんですよね。「年収1000万稼ぎ方」って。Googleで。

そしたら出てくるんですよ。

「野球選手」「弁護士」「医者」「パイロット」「大企業のサラリーマン」


ほうほう......。


医者とか弁護士とかいったらまぁ、金持ちなのはなんとなくわかっていたんですよね。

大企業のサラリーマン

「大企業のサラリーマンって、社畜ってやつだよな?え?社畜ってこんな稼いでんの?」

「大企業 サラリーマン なり方」

1. 勉強する
2. 良い大学に入る
3. 就職活動頑張る

医者、弁護士、野球選手と比べたら「大企業のサラリーマン」が一番簡単そうだな。

よし、勉強して大学に行ってみよう。そしてこれ

を目指そう。利根川に褒めてもらえる男になろう。好きな女の子に好きって言っても迷惑だと思われない男になろう。高学歴高収入高身長を目指そう。

と思ったのが、専門卒フリーターから大学に行く勉強をするきっかけでした。

大学受験を経験して人間としての性質が大きく変化した

受験体験談は別で書くので省きますが、偏差値30から70まで上げる経験が私の人生を大きく変えました。

「生き様」「人間関係」「お金の使い方」「責任感のあり方」「努力」が以下の表のような形で変化するんですよね。

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生き様

低学歴時代の私は完全に「今」を生きてました。今が良ければそれで良い。今楽しければ最高だ。意味ないこととかやりたくないわー。

みたいな感じの人間でしたが、

大学受験を経験した私は、手に入れたい「ゴール」から逆算して今やるべき事を考えるようになりました。20代で1000万円を稼げる人材になるには。大学入った後も勉強をする必要がある。このルートが一番の近道だ。必要な時間は......必要なものは......。この経験は何かに役立つはず。

を当たり前にできるようになりました。

人間関係

低学歴時代の私とその周りは、とにかく仲間には優しいけれど、仲間以外にはとことん厳しい。視野が狭かったんですね。おそらくその時代にSNSをやっていたら、平気で他人を傷つけるような発言もしていたでしょう。

視野の狭い人間は、例えば総理大臣だったり、少年革命家だったり、アイコニックな存在が生きた人間だと本気で理解していないんですよ。居酒屋でテレビを見ながらヤジを飛ばすおじさんのノリでSNSでひどい事しちゃう。

大学入学後に出会った友人たちは、とにかく他人に優しい人が多かったんですよね。「どうすれば貧困はなくなるだろう」「差別をなくすには私たちはどうすれば」「もっと社会をよくしたい」みたいな。

自分の知らない場所で生きている人間の事を考えて、本気で悩めるような人の多い環境に身をおくと、自分も同じような事を考えられるようになるんですよね。

お金の使い方

お金の使い方と考え方も変化しました。

物よりも体験にお金をかけるようになりました。特に旅行ですね。世界最恐の都市と呼ばれるヨハネスブルクに行ったり、エジプトでピラミッドを見たり、サハラ砂漠を車で爆走したり、イエローナイフでオーロラを見たり。

思い出は腐りませんからね。

責任感

フリーター時代の私は「なんでこんなに頑張っているのに給料をあげてくれないんだ」「学歴社会とか狂ってやがる」「こんなことは教えてもらわなかった」という「他責思考」がベースにありました。他人に何かをしてもらうのが当たり前。自分がうまくいかない時は他人のせい。辛いのは他人のせい。私が努力できないのは努力の先にあるメリットを明確に示さない社会が悪い。

そんな私が今では「自責思考」をベースに生きるようになりました。この問題に対して自分は何ができるだろうか。KPIは達成できなかったかれど、自分もっと何ができた事は無いだろうか。がんばればできるんだからがんばれば良い。

社会人として生きる中、この自責思考ベースは本当に大切ですね。

努力

フリーターだった頃の私は、100%何かしらのメリットを誰かに保証された努力しかできませんでした。例えば、「包丁の練習を家でして来い」と言われても「いやいや、それって別に給料上がるわけじゃねーし」みたいな。

受験を経験してからの私は、努力をするのは当たり前。仕事で必要な知識や今後生きていく中で必要になるかもしれない知識は空いている時間に入れて、それを仕事で活かそう。という感じになりました。

努力・勉強・経験って、その時に望んだ成果が約束されているわけでは無いものの、生きていく中でその経験は必ず活かすことができるんですよ。

それを実感しているかどうかが重要なのかなって思います。

学歴はマジで大事

学歴を得たことによる私の変化はもっともっとありますが、ここでまた「学歴は大事」と言わせてもらいます。

ここまでは変化の結果についてフォーカスしましたが、変化を引き起こした原因はシンプルでした。

・受験を通して得た成功体験
・学習サイクルと学習マインドが鍛えられた人間で形成された高学歴コミュニティ

この2つです。

継続努力の上に成り立つ成功体験を通じて「学習サイクル」と「学習マインド」身に付けた人間で形成されたコミュニティに所属する事。

これが高い学歴を有する一番の魅力なんですよね。

高学歴の人間は、当たり前に努力をしますし、当たり前に社会の事を考えていますし、当たり前に自責思考なんですよ。

高学歴の人間は「普通」の水準が高いんです。

そのような環境に入れば、私のような人間でも矯正されるくらい、人間は環境に左右される生き物。

それこそ早慶、上位国立大学レベルになると、「勉強はしない大学生」は普通にいますが、「勉強もサークル活動もインターンもしないでだらだらしてるだけの大学生」は10%もいないと思いますよ。

大企業の「学歴フィルター」という言葉がありますが、これはほとんど結果論なんですよ。学歴フィルターについてはまたいつか詳しく話します。

学歴は関係ないと言う人間が少なくない理由

それでも、学歴は関係無いと言う人間は社会に少なく無いんですよね。それはなぜか。簡単な話です。学歴(環境)を無視するほど能力の高い人間とその逆が存在しているからです。

「学歴がなくても成功している人もいるし、東大を出ても仕事のできない人もいるから学歴は関係ない」

それはその人達が特殊なだけです。特殊に頭のいい人と特殊に頭のよくない人にとって学歴は関係ない物です。

「Youtuberとかブロガーになるから学歴は関係ない」

月収XXX万円を自由に稼ぐブロガーだったり、登録者数10万人をYoutuberだったりは、大学に入るのと同等以上の努力と時間を自分の信じる領域に投資した人たちなんですよ。

努力・その分野での実力・運を兼ね備えた人間であれば確かに学歴は関係ないかもしれませんね。

「起業するから就職とか関係ない」

成功している起業家は高学歴の人間が多数派です。東大・京大・早稲田・慶應あたり。有名なお金配りおじさんは早稲田実業出身で、早稲田に進学する能力を持ちながらあえて進学しなかっただけの高卒です。

もちろん、学歴が本当に関係ない人はいます。収入と幸福は完全比例しないので、そこの価値観は大切にするべき。

ただ、成功=一定の収入と社会的評価を得る事と感じる特別優秀では無い多くの人間にとって学歴は重要な物なのです。

少なくとも学歴に関係なく成功している人は、我々が大学受験に投資した努力以上の努力を別のベクトルで発揮しているだけだと思った方が良いでしょう。

学歴は凡人が持つべき切り札には間違いない

低学歴フリーターを経験してから高偏差値帯の私立大学卒の学歴を得て人生が大きく好転した私が伝えたいのは「学歴は凡人が持つべき切り札には間違いない」ということです。

確かに学歴があれば幸せになれるわけではありません。

しかし、優秀な学歴を持っていることで私のような凡夫の人生が好転することは間違い無いと言い切れます。

それは、大企業就職に対するアプローチだけではなく、起業を試みる場合でも優秀な同期やOBと繋がれたり、クリエイティブ方面に進むにしても全力で取り組む仲間と出会えたり。

大学受験で得られる知識は、あなたの人生における喜びと選択肢を増やしてくれます。

長期目標に向かって努力をして得た成功体験は、社会人としてどのようなミッションをこなす時もあなたの根幹を支えてくれます。

また、「○○大学卒」という学歴はただのかざりです。学歴だけで人を判断する人間なんてほとんどいません。

ただ、人生において自分を飾り立てる事ってすごく大切。

中身だけ磨いても、自分が人に選ばれる立場である以上は、その輝きが相手に届くところまで接近しなければ評価されないのです。学歴はあなたが全力で磨いた内側にある魅力を人に見せる機会を増やしてくれます。

高校生の皆さんは「学歴は関係無い」という大人とこれまで会ってきたでしょうし、これからも出会うでしょう。その時、2つの問いを思い浮かべてください。

「その人はあなたにとって理想に近い生活をしている人なのか」
「あなたにはその人のようになれる未来を具体的に想像できるか」

この2つの問いに自信を持って「YES」と答えられる人には「学歴」は必要の無い物かもしれません。

ただ、どちらかに「YES」と答えられなかった場合、「学歴」はきっとあなたにとって便利な物になるでしょう。

学歴の大切さを若者に伝えたい

私は高校卒業後、専門学校に進学したことを後悔していません。専門学校を卒業し、フリーターになって、自分の人生に絶望し、学歴の大切さに気づいたからこそ、全力で勉強できたんだと思います。

そして、私の場合は再受験に対して金銭的にも精神的にも生活的にも支えてくれる家族や友人がいたからこそ、やり直すことができたんです。

現代社会は一度レールから外れた人間に対してサポートをしてくれません。

ただ、私のように無為に高校生活を過ごし、何も考えずに資格の取れない専門学校やFラン大学を卒業した結果

「条件の良い仕事が無い → 働く気にならない → フリーターになる → 正社員就職しようと思ったけど雇ってもらえない → バイトを転々とする → 一発逆転の何かを探す → 失敗する(実行するための基盤がそもそもない) → 年収300万に達さないまま30を迎える → もうどうすれば良いか分からなくなっちゃう」

ようなことになってしまう人が身近に多くいます。今の私の知識や力では、すでに大学進学が済んでしまった友人に対してできる事はほとんどありません。

そして、中学・高校時代に学歴の重要性を本気で教える大人がいなかった事はその原因の一旦だと私は考えているんです。

だからこそ、高卒(専門卒)フリーターと高偏差値大学卒をどちらも経験した数少ないサンプルの私だからこそ伝えたい学歴の大切さについて、より多くの未来ある若者に伝えたいと思い、この記事を書きました。

決して収入が低いことが悪いのではありませんし、学歴が低いことは悪いことではありません。

実際、私の友人には高卒でも年収1000万以上を稼ぐ人もいますし、年収は高く無くても立派に子供を3人も育てて幸せな家庭を築いている人もいます。

ただ、社会が一度レールから外れた人間に優しく無いのは今も昔も変わらないし、きっとこれからも変わらないんです。

だからこそ、あなたの夢は本当に勉強と引き換えのものなのかを考える必要があります。お笑い芸人や声優のような職業でも、イラストレーターや漫画家でも、Youtuberや企業家だって、勉強を頑張る事で一流になれなくなる職業など、世の中にあまりありません(なんなら大学の知り合いのほうがテレビに出演してます)。

この話はあくまで私の体験談ですが、これから進路に悩む学生・保護者は参考にしていただけると幸いです。

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